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2022.01.09
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歯科医全体の約2.5%といわれる矯正歯科医の認定医とは?
「矯正歯科医には、認定医や専門医がいるみたいだけど、結局何を基準に選べばいいの?」
矯正歯科を調べ始めたけど、専門用語が多く判断基準が分からない方は多いのではないでしょうか。
矯正歯科は歯科医師免許を持っていれば誰でも治療を行うことができるため、中には矯正の専門技術を持っていないくても矯正歯科を掲げている医院もあるのが現実です。
そこで、例えば日本矯正歯科学会では矯正歯科治療に関し、適切かつ十分な学識と経験を有する者を、認定医・指導医・臨床指導医(旧専門医)と認定しています。
本記事では、認定資格の背景や各資格の定義や違い、後悔しない矯正歯科医の選び方を解説していきます。
希望通りの治療が受けられるよう、安心できる医師選びのコツを学んでいきましょう。
一言に矯正歯科の認定医と言っても、いまいち分かりにくいのが現状です。
矯正歯科業界には複数の団体が存在し、それぞれが持つ独自の認定制度により認定医を選定しており、さらに団体によっては認定医の他に
・指導医
・専門医
・臨床指導医
など、レベルに応じて様々な資格・名称が存在するからです。
具体的には、
・「公益社団法人 日本矯正歯科学会」
・「一般社団法人 日本矯正歯科協会」
・「特定非営利活動法人 日本成人矯正歯科学会」
などの団体が存在します。患者側からすると団体ごとに存在する認定医の優劣が付けにくいため、一体どの団体の認定医が良いのか分かりにくいと思います。とは言え、数多くの歯科医師がいる現在において特定の団体に限らず「認定医」という肩書きは、信頼性を高める一つの要素であることは間違いありません。
この章では、
1)認定医資格の背景
2)資格の定義
3)人数や割合
など、認定医に関することを包括的に解説していきます。
認定医の資格が設立された理由は、矯正歯科という専門分野が確立されていなかったこと、そして知識や技量を図る客観的指標がなかったという背景がありました。
矯正歯科は歯科医師免許さえ持っていれば、看板を掲げることができてしまうからです。
矯正歯科は、虫歯や歯周病などいわゆる一般歯科と言われる分野とは異なり、歯列矯正に代表されるような歯並びを整える治療を専門に行うものであり、同じ「歯科」というジャンルであるものの治療内容は大きく異なります。
そのため、矯正歯科を扱う場合は、通常の歯科技術に加えて矯正歯科の専門的技術を学ぶ必要があるとされています。しかし先述の通り、歯科医師免許があれば矯正歯科も行えるということで、それに伴うトラブルも多いのが実態です。
そうした背景から、矯正歯科について一定のレベルに達している専門性の高い医師を選定することで、一般歯科や知識の少ない矯正歯科医との区別を図るために認定医資格を設けたわけです。
「公益社団法人 日本矯正歯科学会」では認定医を以下のように定義しています。
(1)歯科医師免許を有する者。
(2)歯科医師免許取得後、引き続き5年以上の学会会員である者。
(3)学会指定研修機関における矯正歯科基本研修修了の後、その期間を含めて、5年以上にわたり、矯正歯科 臨床研修を修了した者。または、同等の学識、技術、経験を有すると判断される者。
(4)学会の認めた刊行物に矯正歯科臨床に関連する論文を発表した者。
(5)学会倫理規定を遵守する者。
上記のような厳しい条件を満たし、さらに学会認定医委員会の審査に合格した者が認定医と名乗ることができます。そして、定義は省略しますが、認定医より高い水準に位置する指導医、同協会の最高水準である臨床指導医へと続いていきます。
他の団体でも同様に団体独自の基準を設け、一般の歯科医師との区別をしています。ただ、1章の冒頭でお伝えした通り、複数の団体があると団体ごとに優劣があるのか?など、患者側からするといまいち分かりにくい部分もあるように思います。そこで2019年に、統一した矯正歯科の提供を目指した「日本矯正歯科専門医機関」が発足し、現在はその機関における矯正歯科専門医という一本化された資格の認定に向けて準備が進められています。
一本化した資格が設定されることで、患者側からすると医師の水準が今以上に客観的に見易くなるでしょう。
「公益社団法人 日本矯正歯科学会」の各資格者の内訳は以下の通りです。(2021年8月時点)
・学 会 員:7,000人程
・認 定 医:2,664人
・指 導 医: 549人
・臨床指導医: 363人
厚生労働省によると2018年12月31日時点で歯科医師は104,908人いるとされています。つまり歯科医師全体の中で認定医の割合は約2.5%ほどということになります。他団体の認定医も含めると、もう少し割合は高くなりますが、それでも信頼性の高い数値であることが分かると思います。
このように、矯正歯科の認定医という肩書きを持つ医師は、全歯科医師の中でも希少かつ、治療してもらう医師を選ぶ上での判断基準の一つとして大いに役立つものと言えるでしょう。
認定医や専門医は、1章で紹介したような各団体のHPから検索することができますが、それに加えて自身が矯正歯科治療を受けようとする医院の認定医の人数などにも注目することをオススメします。
認定医が院長である医院の歯科医師全員が矯正歯科を専門に行う歯科医師であるとは限らず、加えて自身が治療を受ける担当医がその認定医であるとは限らないからです。
この章では認定医資格保有医師の探し方ということで、どういった部分に気を付けて探したら良いのかを解説していきます。
オススメの探し方手順としては、
①各団体HPで認定医以上の資格者を検索
「公益社団法人 日本矯正歯科学会」では都道府県別に認定医を検索することができるので、まずは自身の通いたい地域の認定医を検索し、ある程度エリアを絞ると良いでしょう。
②絞ったエリア内で営業している各歯科医院のHPを確認
大体は所属医師のプロフィールや経歴が見れると思うので、そこで認定医であることをチェックしましょう。
医院内で認定医資格を持つ医師が何人いるかも見ておくと良いです。認定医が少ないと自身の担当が認定医ではない可能性が高くなるためです。
最近はインターネットの普及により、HPは魅力を伝える媒体の一つとして非常に重要なものであることは皆さんもご存知だと思います。最新の情報やトピックをしっかりとキャッチしていることが伝わるHPは、患者目線から見ても、しっかりとした歯科医院なのだという印象を受け易いです。
認定医であるかどうかの検索で終わらず、その医師が所属する医院のHPまで是非チェックしてみましょう。
HP以外にTwitter・Instagram・YouTube・ブログなど発信しているものがあれば、それも確認してみると良いです。
HPで形式的に羅列してある内容と違って、医師や院内の雰囲気など、HPとは別視点で分かることがあるかもしれないからです。
先述の通り、知識量や技術が優れていても自身と担当医師との相性が悪ければ、満足のいく治療が受けられない場合があります。
これは矯正歯科治療に限った話ではありませんが、特に矯正歯科治療は金額も高額になる場合も多く、そうした観点からも事前に得られる情報は積極的に手に入れることが大切です。また、初回診療は無料という医院も多いので、気になる医院は一度相談に行ってみても良いかもしれません。
コロナウイルスの影響もあり、オンライン環境が以前と比べて整い始めているのと同時に、治療を検討している人に、いかにオンラインでも魅力が伝わるか試行錯誤している医院も多いかと思います。こうした状況だからこそHPはもちろん、他の媒体での発信がないかなども意識して見てみましょう。
矯正歯科は一般歯科のように、とりあえず最寄りの歯科医院で治療をするというのは後悔するリスクが高いです。
矯正歯科は治療期間が比較的長く費用も高いため、一度治療を始めると途中で辞めたり、別の歯科医院に切り変えたりすることが難しいからです。
この章では1章でお伝えした認定医についての知識も踏まえて、後悔しない矯正歯科医の選び方を解説していきます。
結論からお伝えすると、認定医の資格だけでなくそれ以上の情報を収集して歯科医院を選択することが後悔するリスクを減らす方法です。
認定医の探し方は後述しますが、インターネットを使って労力をかけずに簡単に探す方法がオススメです。
歯科医師免許さえ持っていれば矯正歯科も行うことができるので、矯正の知識や技術不足の医師も矯正歯科医の看板を掲げている医院を避けるためにも、認定医の有無はチェックしましょう。
そのような医師を避けることで、後悔しない矯正歯科医を選ぶことが可能となります。
しかし、認定医の資格を持っていなくても、知識や技術力がある医師がいることも忘れてはいけません。
最近では様々な方法で口コミなどの情報を仕入れることが可能ですし、友人や家族など身近な人の紹介はネットの情報以上に信頼性が高い場合があります。認定医資格はあくまで最低限の知識をアピールする一つの材料に過ぎないため、そういった肩書きが無くとも活躍している医師を見つけることができれば、問題ないと言えるでしょう。
矯正歯科について何も知らない人であれば、認定医を検索するところからはじめ、知人や家族など身近な人の紹介で評判の良い医師に出会えるのであれば、その医師が認定医資格を持っていれば+αくらいな感覚で捉えておくと良いかもしれません。
認定医の検索から矯正歯科医院を探す人にとっては、通いやすさや医師との相性、医院の設備などもチェックしておくべきポイントです。
矯正歯科は基本的に継続治療を前提としているので、いくら最高の医師がいるとしても、通いにくい場所にあったらそれだけ患者の負担になりますし、知識量や技術に関わらず治療方針や細かいコミュニケーションなど、患者と医師との相性というものもあります。
さらに、矯正歯科に限らず医療は日々進化していますので、そうした最先端の医療設備なども積極的に採用しているかも大切なポイントです。
医院のHPには住所はもちろん、所属する医師の資格や経歴、中にはTwitterやInstagram、YouTubeなどを配信している医院もあったりしますので、こうした部分から院内の雰囲気や自身との相性を探ってみるのも良いかもしれません。
ちなみに矯正歯科医院の選び方については、過去に記事を書いておりますので、そちらもご参照ください。
→「矯正歯科選びに失敗した私が教える、安心して通える矯正歯科の選び方7つのポイント」2020.07.11
本記事で解説した内容をまとめるとポイントは以下の3つです。
(1)認定医は歯科医全体の約2.5%
認定医と呼ばれる、矯正歯科治療で一定の知識や技術を持つ医師に与えられる資格の保有者は、歯科医全体の約2.5%ほどなので、矯正歯科医を選ぶ基準の一つとして信頼性は高いと言えます。認定医資格は、矯正歯科が一般歯科とは違うにも関わらず、歯科医師免許さえ持っていれば治療を行うことができるという背景から、矯正歯科の専門性の確立を目指して作られたものなので、治療トラブルを避ける意味でも認定医資格保有者の中から選ぶことは大切です。ただ各団体によって基準や名称が若干違っているので、それらが混同しないよう注意が必要です。ちなみに矯正歯科業界では、このような各団体の垣根を越えた、分かりやすい一本化された資格の認定に向けて現在準備が進められています。
(2)HPの確認は必須、各SNSなどの発信もあればそれもチェックしてみる
認定医をある程度絞れたら、医院のHPを確認することをオススメします。医院のHPには院長をはじめ所属医師の経歴やプロフィールの記載があることが多く、認定医であることや矯正歯科についての論文や研究の成果、所属団体など、信頼性を高めるために大切な情報を確認することができます。そしてここで重要なのは、院長以外の医師についてもしっかりと確認するということ。自身が院長に担当してもらえるとは限らないためです。ちなみにミライズ矯正歯科では、院長以外にも認定医資格を持った医師が多数在籍しているため安心です。そしてHP以外にも発信している媒体などがあれば、そちらもチェックしてみると、HPとは違った視点で情報が手に入る場合があるのでオススメです。
(3)認定医資格の有無だけが良い矯正歯科医選びではない
認定医資格保有者がベストではありますが、それだけで通う矯正歯科医を決めるのは危険です。矯正治療はある程度まとまった期間が必要なため、ロケーションは非常に重要です。また、歯科治療は日々進化しているので、そうした最先端の知識や技術、設備を積極的に導入しているか、さらに医師と患者の相性は、非常に大切です。このように、矯正歯科は継続治療を前提としている故に、途中で辞めたり変えたりすることは難しいので、認定医資格の有無だけでなく、これらの大切な要素も含めて総合的に判断する必要があります。
本記事で、矯正歯科には認定医と呼ばれるものがあり、その資格ができた背景や意味、信頼性などをご理解いただけたかと思います。そして具体的な認定医の探し方や、認定医資格の有無以外に矯正歯科医を決めるために重要なポイントなどを解説してきました。この記事が、矯正歯科医選びの一つの参考になれば幸いです。
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