お知らせ・お役立ち情報
NEWS & TOPICS
2022.01.09
お知らせ
ブログ
顎変形症の特徴と治療法について
「口元の外見にあまり自信がなく、滑舌など機能面でも不便に感じているがどうしたら良いかわからない」
そのように思っている人は多いのではないでしょうか?ホワイトニングに代表されるような、歯そのものをキレイにするための治療ももちろん大切ですが、顔や顎の歪みなど根本的な土台部分を改善する治療も非常に大切です。
口元は人の印象を左右するのに重要なパーツであると同時に、滑舌など機能的な部分で不自由だと大きなストレスがかかってしまいます。本記事に記載する内容に自身が該当し、治療によりそれらを改善することが出来れば、とてもポジティブなことだと思います。
この記事では顎変形症の症状や特徴、治療について、そして治療することによるメリットやデメリットなど包括的に解説していきます。
この記事を読めば顎変形症についての理解が深まり、自身の口元に対する意識が向上します。
顎変形症とは、上下の顎の大きさや位置などに問題があり外見のバランスが悪い状態、また噛み合わせの問題により上手く噛めない・話せない(滑舌が悪い)などの機能面での悪影響を及ぼす状態のことです。
歯並びを改善したいなどであれば歯科矯正などで解決出来る場合が多いですが、顎変形症の場合は問題のある顎の位置を手術で移動させたりと歯科矯正に比べて大掛かりな治療を必要とする場合が多いです。そのため顎変形症に対する知識、治療方法や費用などもしっかりと理解した上で取り組むことが大切です。
この章では、顎変形症の種類や症状の特徴などについて解説していきます。
顎変形症は発症の時期により大きく以下の3種類に分類されます。
・先天性顎変形症:生まれつき顎骨に変形や異常がある場合
・後天性顎変形症:骨折などの怪我により生じた場合
・成長発育に伴う顎変形症:身体の成長過程で生じた場合
上記3種類のうち成長発育に伴う顎変形症が一番多いと言われています。そのため患者の割合としては10代後半〜30代が多く、ある程度身体の成長を終えた段階で気になりだし治療を始める方が多いです。
そして、自身の身体の成長過程で滑舌や噛み合わせなどの機能面での不満により顎変形症に関心を持つ場合が多く、さらに女性の場合は容姿面で悩みやコンプレックスに繋がるなど精神的な要因から関心を持つケースも多いです。
このように、顎変形症は治療を受けなければ死に直結するようなものではありませんが、機能面の向上や口元の容姿改善による精神的負担の軽減など、人によって治療に求める性質が異なります。
顎変形症は以下のような特徴や症状が挙げられます。
〜容姿面〜
・出っ歯
・受け口
・顔が曲がっている
・口元が左右非対称
・下顎が小さい
〜機能面〜
・噛みにくい
・発音しにくい五十音がある
・口が閉じにくい
・顎がカクカクする
先述の通り、顎変形症は顎の大きさや位置の何らかの問題によるものなので、容姿面はもちろん機能面でも日常生活において様々な支障が生じていることが多いです。
最近は、白い歯や綺麗な歯並びなど歯に対する意識が昔に比べ高くなっているように思いますが、顎変形症は歯ではなく土台の顎に関することなので、特に容姿において、歯並び以前に顎に問題がある可能性も視野に入れて前述の特徴や症状と自身を照らし合わせてみてください。
顎変形症の治療は、基本的に矯正と外科手術を組み合わせて行います。
外科手術により顎の位置や大きさを修正しても歯の位置が整っていなければ、外科手術後に上手に噛むことが出来ないからです。
症状によって治療方法は変わってきますが、この章では顎変形症の治療について概要を解説させていただき、その中での歯科矯正の役割について、そして具体的な治療方法として、比較的新しい治療法であるサージェリー・ファースト法と、手術方法の一つであるLeFort+SSROについて解説していきます。
顎変形症の一般的な治療について、表にまとめてみましたのでご覧ください。
期間 | 1年半〜3年(個人差あり) |
費用 | 70万前後(保険適用の場合・個人差あり) |
治療中の制限 | 外科手術後は数日間、口が開けられない等 |
痛み | 矯正開始直後や外科手術後数日は痛みが生じる |
治療の流れ | 術前矯正→外科手術→術後矯正→保定 |
顎変形症治療における歯科矯正の役割は、外科手術前後の歯列調整による噛み合わせを整備することにあります。
外科手術により土台が整っても歯並びが悪いままだと、容姿面ではもちろん機能面でも支障が生じてしまうからです。
顎変形症治療で歯科矯正が登場するのは外科手術前矯正と外科手術後矯正の2回です。術前矯正では数ヶ月〜数年をかけて外科手術後を想定して歯並びを整えておきます。これをしておかないと先述の通り、外科手術によって土台つまり顎の位置や大きさを正常にしても、噛み合わせが上手くいかず支障が出てしまう場合があります。容姿面でも完璧にキレイな仕上がりにはなりません。術後矯正は術前矯正でしっかりと治療をしているので微調整程度ですが必要となってきます。
このように顎変形症の治療では、最終的な完治に向けて顎と歯を分けて行う必要があり、その中でも歯については術前と術後の2回で矯正治療をすることが一般的となっています。
サージェリー・ファースト法は術前矯正を省略し、トータルの治療期間を短縮することが可能な比較的新しい治療法です。
従来の治療では、手術前に歯並びを整えるために術前矯正を行いますが、術前矯正の長期化がデメリットの一つとなっていました。
また、従来の方法では骨の正しい位置を計画し、手術が完了した状態で良い噛み合わせになることを目指すために、事前に術前矯正を行います。ですが、術前矯正の段階では、外科手術を行っておらず土台である骨の位置は変わっていないことが起因して、一時的に噛み合わせや容姿が悪化してしまう可能性があるのです。最終的に外科手術で顎を正しい状態にすることで、初めて噛み合わせも含めて治療が完了するというのが従来の手法でした。
それに比べてサージェリー・ファースト法では、まず始めに外科手術を行うことで土台を整えてしまい、後から噛み合わせ含めて歯科矯正をします。手術によりしばらくは強く噛むことが難しいので、術後矯正の方が歯が早く移動してくれるというメリットがあります。デメリットとしては保険適用外なので手術費用が高額になってしまうことが挙げられます。
これらの違いからサージェリー・ファースト法の方が、トータルの治療期間が短いことに加えて噛み合わせや容姿が悪い状態も従来法より短く、メリットの大きな治療法として近年注目されています。
LeFort+SSRO手術とは上顎と下顎を切り離して動かしたり形を変えたり、正しい位置に移動させてあげる両顎手術のことで、顎の変形が大きい人ほど効果が表れやすい治療と言われています。
LeFort+SSRO手術は顎にフォーカスを当て、平均化する手術のことなので平均から離れているほど平均値までの幅が大きく効果的と言えるからです。
LeFort+SSRO手術が適した症状の特徴としては、
・シャクレ
・口ゴボ
・左右非対称
などが挙げられます。外科手術の中でも前述の通り両顎手術ということで大掛かりな手術であることは間違いありませんが、歯科矯正だけでは改善しなかった部分まで治療することが出来たり、顔の輪郭がキレイに整うことによる容姿面での改善などメリットも多くあるので医師と相談した上で手術についてしっかりと理解することが大切です。
このように、顎変形症には症状によって様々な治療のアプローチがある中で、LeFort+SSROという両顎手術についても理解を深めておくと良いでしょう。
ここまで顎変形症の特徴や症状、治療について解説してきましたが、メリットやデメリットについても理解することは重要です。
メリットばかりに気を取られて見落としたデメリットによって思わぬ被害を被ったり、逆にデメリットばかり警戒してチャンスを逃してしまうといったことが考えられるからです。
この章では顎変形症治療に関するメリットとデメリットについて解説していきます。
これらをしっかりと理解した上で自身の考えと照らし合わせてみましょう。
メリットとしては、手術跡が残らないことが挙げられます。
外科手術を伴う治療において、いくら機能面が改善されても手術跡が目立つようでは容姿面で満足感を得るのは難しいですよね。
実際に顎変形症の治療をした方が、色々とお話してくださっている動画がありますので詳しくはこちらをご覧ください。
このように顎の大きさや位置を整えることにより、機能面を改善させつつ容姿面でも手術跡を残さずに改善させることが出来るのは、顎変形症治療のメリットと言えるでしょう。
デメリットとしては費用と期間が挙げられます。
外科手術を伴うことによる高額な治療費、そして外科手術の準備段階として歯科矯正をしなければならないため数年の期間を要するからです。
しかし、上記メリットの項目にて添付させていただいた動画内でもありますが、顎変形症の治療は自身の顔に関する大切なことですので必ずしも金額が全てではなく、担当している医師との相性や信頼性なども考えて判断する必要がありますし、期間についても2章で解説したサージェリー・ファースト法という治療期間を短く出来るものなどもあります。また、金額については医療費控除や保険適用など、条件はありますが制度を用いることにより安くなる場合もあります。保険適用についてはこちらの記事に詳しく解説しております。
→「歯列矯正は保険で出来るの?保険適用なパターンは4つ」2019.10.10
このように、デメリットとして挙げさせていただいた費用と期間については、やり方や考え方次第では必ずしもデメリットとはならない場合がありますので、一度医師に相談してみると良いでしょう。
本記事で解説した内容をまとめるとポイントは以下の3つです。
(1)顎変形症は発症の時期に応じて大きく3種類に分類される
顎変形症は、歯列矯正など歯並びを整える治療に留まらず、主に顎部分いわゆる土台の部分の外科手術も必要とするようなものであり、先天性顎変形症、後天性顎変形症、成長発育に伴う顎変形症に分けられ、成長発育に伴う顎変形症が一番多いと言われています。そして症状としては、容姿面と機能面2つの側面が挙げられ、どちらの側面でも治療をしないと死に直結するようなものではないが、これらを改善することは患者の精神的負担を軽減するために大切と言えます。
(2)顎変形症の治療は基本的に矯正と外科手術を組み合わせておこなわれる
顎変形症の治療の流れとしては、術前矯正→外科手術→術後矯正→保定の流れでおこなわれるのが一般的であり、通常の矯正治療との大きな違いとしては外科手術の有無です。最近はサージェリー・ファースト法と呼ばれる術前矯正を省略しトータル治療期間を短縮できる治療法も登場し、患者のニーズに応じて選択肢が広がっています。
(3)顎変形症治療のメリットは手術跡が残らないこと、デメリットは費用と期間
顎変形症を治療することのメリットとしては手術跡が残らないことが挙げられます。外科手術を伴うにも関わらず、手術は主に口腔内からおこなうことがその要因で、これにより外見からは治療の痕跡を残さずに口元の印象を良くすることに加え機能面も改善できることはメリットと言えるでしょう。対してデメリットとしては費用と期間が挙げられます。特に期間については、年単位の時間が必要なことに加えて外科手術時には入院の必要が発生したりと、私生活との調整が難しい人にとっては大きなデメリットと言えるでしょう。
本記事で、顎変形症についての概要と治療方法などをご理解いただけたかと思います。そして顎変形症を治療することによるメリットやデメリットについても解説してきました。自身の顎変形症について考えるきっかけの一つにこの記事がなれば幸いです。
ミライズ矯正歯科 南青山|お気軽にお問い合わせください |