目次
「C3虫歯ってどれくらいやばいの?」
「C3虫歯の治療費はいくらかかる?治療期間はどれくらい?」
「C3の虫歯は放置するとどうなるの?」
今、こんな疑問や不安が頭をよぎっていませんか?
虫歯は進行度によって「C0〜C4の5段階」に分類されます。
C3は、悪い方から数えて2番目であり、虫歯が神経(歯髄組織)まで感染している「重度虫歯」です。

今まさに、相当な痛みが出ているなら、虫歯が神経を侵している状態です。一方、以前あった痛みが無くなった方がいれば、それは神経がすでに死んでしまっているかもしれません。
いずれにしても「抜歯という最悪の未来」を避けるには、今すぐ歯医者を受診するべきです。
そうはいっても、
「C3虫歯の治療って、どれくらい痛いの?」
「治療費はいくらくらいかかる?通院回数の目安は?」
など、歯医者へ行く前に知っておきたいことは、たくさんありますよね。
おまかせください。この記事では、
- C3虫歯の状態と放置リスク
- 主な治療法「根管治療」の流れと費用
を順番にご説明します。
しかも、C3虫歯の主な治療法である根管治療は、成功率がわずか5割程度と非常に難易度の高い治療です。そこで記事の後半では「成功率を高めるための歯医者選びの基準」について解説していきます。
これを読めば、C3虫歯の現状・放置リスク・治療法・歯医者選びまで、受診前に知っておくべき情報を一通り把握できます。
「行くかどうか迷う」状態から「この歯医者で治そう」と、即行動に移せるはずです。ぜひ最後まで読み進めてください。
1.C3虫歯とは神経まで虫歯が進行した“かなり深刻な状態”
お伝えした通り、C3虫歯は虫歯菌が歯の表面のエナメル質や、その下の象牙質を通り越し、内部の神経まで到達した状態です。
重度レベルでいうと「悪い方から2番目」。かなり深刻な状態まで進行しています。

おそらく、あなたは今、強い痛みや不快感など何かしらの症状が出ているのではないですか?
もし、このままC3虫歯を放置すると、間違いなく「C4の最重度レベル」まで進行します。
C3虫歯がC4まで進行すると…… |
歯の頭(歯冠)が崩れ、根だけが残る状態になる。神経は完全に壊死するため痛みがなくなることも多いが、感染は歯根や顎骨に広がり、膿や腫れを伴うことがある。 |
虫歯がC4レベルまで進行してしまうと、多くの場合、抜歯は避けられません。

逆にいうと、C3の今なら治療次第で歯を残せるかもしれません。つまり、あなたは今「抜歯か歯を残せるかの分岐点」に立っている段階です。
抜歯という最悪の未来を避けるには、きちんと治療してくれる歯医者へ行くことが大切です。
虫歯の治療方法について、詳しくは「4-2. 根管治療の流れ」で解説します。
2.当てはまったらC3虫歯の可能性が高い!代表的な症状9つ

C3虫歯は、神経まで虫歯が進行しているため、症状がハッキリ出やすいのが特徴です。
とくに、以下の9つの代表的な症状に1つでも当てはまれば、C3虫歯の可能性はかなり高いです。
C3虫歯の代表的な症状 | 原因 |
かむと痛みがある | 歯の奥の神経や周りの組織が炎症を起こしているため |
何もしなくてもズキズキとした 強い痛みがある(自発痛) | 虫歯が神経まで達して炎症を起こしているため |
冷たいもの・熱いものに強くしみる | 虫歯が深くなり、冷たさや熱さが神経まで直接伝わるため |
歯に穴があいている | 虫歯菌が歯を溶かしているため |
歯が黒くなっている | 虫歯で溶けた部分が着色するため |
歯茎や頬が腫れている | 歯の根の先に膿がたまり、炎症が歯茎や顔の方まで広がっているため |
以前は激痛だったのに 今は痛みがなくなった | 炎症が進んで神経が死に、もう痛みを感じなくなっているため |
歯茎に白いできもの/膿が出る (フィステル) | 歯の根の先にたまった膿が、歯茎から外に出ようとして小さな出口を作るため |
口臭が出る | 虫歯や膿の中で細菌が増え、臭いのもとになるガスや腐敗臭を出すため |
もしこれらの症状が1つでも当てはまるなら、虫歯はすでに神経にまで達している可能性が高く、放置すればさらに悪化します。
一時的に痛みが消えていても、それは「治った」わけではなく、神経が死んでしまったサインかもしれません。
3.C3虫歯までなら治療すれば歯を残せる可能性は高いので、早急に歯医者へ
ここまでで「自分はC3虫歯かも」と自覚した方も多いことでしょう。もしかしたら、歯を失う不安でいっぱいな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
C3虫歯までなら、治療をすれば歯を残せる可能性は高いです。早急に歯医者へいきましょう。
残念ながら虫歯が自然に治ることはなく、放置すれば以下のような流れで着実に進行します。
重度の虫歯は進行するとこうなる!! |
①神経のなかで虫歯の感染がどんどん進行する ②神経が壊死する ③壊死した神経を栄養源に細菌が増殖する ④根の先から歯を支えている骨に感染が広がる ⑤根の先の骨が破壊され、膿が溜まっていく ⑥最終的には抜歯になる |
重度の虫歯が進行すると、神経が壊死するだけでなく、歯の根元に膿がたまることもあります。さらに、歯を支える骨が溶け、歯が抜け落ちるリスクもあるのです。そうなってしまっては、もう自分の歯を残すことはできなくなります。

この状態を食い止めて歯を残すために行うのが「神経の治療」です。
感染した神経を取り除き、細菌の温床をなくすことで、症状の改善と再発予防が期待できます。神経は失われても、歯そのものは土台として残り、かぶせ物などで機能を回復できます。

つまり、歯を抜かずに守る最後の手段が、次章で詳しく解説する「神経の治療」なのです。
4.C3虫歯の主な治療方法は根管治療(神経の治療)

前章でお伝えした通り、神経まで虫歯が達しているC3虫歯は、ほとんどのケースで「神経を取る処置(抜髄)」が必要です。
「神経を取る処置」を含む、歯の根っこの治療のことを「根管治療(こんかんちりょう)」といいます。
ここからは、C3虫歯の多くで行われる根管治療について、工程や治療回数、費用など、気になることを順番にご説明します。
4-1.根管治療とは歯の神経を取って密封する治療法
根管は歯の内部にあり、神経や血管が通る管のことを指します。
根管治療は、根管の中から感染してしまった神経や血管などの組織を取り除き、管の内部を清掃・消毒してから薬で密封する治療です。

根管治療の目的は、歯の内部から細菌を完全に除去し、再感染を防いで歯を長持ちさせることです。
虫歯がC3まで進行すると、神経が炎症や感染を起こし、放置すればやがて歯の根の先に膿がたまり、骨や周囲の組織にまで炎症が広がります。
根管治療によって感染源を取り除くことで、抜歯を避け、歯を残すことができるのです。
4-2.根管治療の流れ
根管治療は、下記の4ステップで行われます。
根管治療の流れ4ステップ |
① 神経や感染部分を取り除く ②根管の形を整えて根管内を消毒する ③ガッタパーチャ(歯科用ゴムのような詰め物)で根管を密封する ④被せ物で補強する |
具体的には、以下の図解の工程を丁寧に行っていきます。

根管治療では、神経や虫歯を取り除くこと、根管と呼ばれる歯の内部を掃除し「ガッタパーチャ(歯科用ゴムのような詰め物)」を詰め込み、密封することがポイントです。
感染部分を取り除き、細菌が繁殖できない環境にすることで、自分の歯を残すことができます。
4-3.根管治療の通院回数・期間|保険と自費で大きく違う
根管治療の通院回数・期間の目安は、以下の通りです。

保険診療では、1回の治療時間に限りがあるため、治療回数が多くなる傾向にあります。治療時間は短いですが、その分、治療期間が長引くことが多いです。
一方、自費の根管治療は平均2回ほど。治療期間は2週間前後と比較的短期間で終わります。
根管治療の流れや回数は、「歯科医監修】歯の神経治療とは?流れや費用、回数を全解説」でも詳しく解説しています。ぜひお読みください。 |
4-4.根管治療の治療費相場|保険と自費の2パターン
根管治療(神経の処置+根管の洗浄・密封)の費用は、「保険診療」と「自費診療」で大きく異なります。それぞれの目安をまとめると以下の通りです。

「保険診療」と「自費診療」の治療費の違いに驚いた方も多いかもしれません。
「これだけ費用が違うなら、安い方の保険でいいんじゃない?」と考える方もいらっしゃるでしょう。
ただし、結論からお伝えすると、根管治療は自費の歯医者をおすすめします。理由は、保険診療における根管治療の成功率が5割以下と低いからです。
一方、自費診療の根管治療は成功率9割以上といわれています。
なぜこれほど成功率に差が出るのでしょうか。次章で詳しく解説します。
根管治療の費用相場について「根管治療の費用相場|安い治療で約5割が失敗される理由」でも詳しく解説しています。ぜひお読みください。 |
5.C3虫歯で使われる根管治療の成功率は5割以下!最悪の場合歯を失うことも

ここまででお伝えした通り、C3虫歯で行う根管治療は、保険診療では約5割、自費診療では9割以上の成功率とされています。
この差が出る大きな原因は、以下の3つです。
成功率に差が出る要因 | 保険診療 | 自費診療 |
①1回あたりの診療時間 | ・短い(30分〜1時間) ・複数回に分けて治療 | ・長い(1.5〜2時間) ・少ない回数で集中治療 |
②歯医者の技術 | 技術レベルの差が大きい | 根管治療に特化した歯医者を選べる |
③設備 | 使用できる器具・材料に制限あり | 最新設備が揃っている場合が多い |
つまり「時間」「技術」「設備」の3条件が揃うことで、根管治療の成功率は大きく向上し、再発リスクを最小限に抑えられます。
自費診療の歯医者の中でも「根管治療に特化した専門医」を選ぶことで、成功率を格段に高めることができます。
一方、保険診療では器具や時間配分に制限があるため、自費診療と比べると成功率に差が出やすくなります。
もちろん保険診療でも熟練した歯医者による適切な処置であれば、良好な結果を得られることもありますが、より高い成功率と長期安定を望むなら、自費診療が有力な選択肢です。
もし根管治療が失敗すれば、再び腫れや痛みが起こり、再根管治療が必要になります。
再治療は初回より難易度が高く、成功率も下がるため、最悪の場合は抜歯となることも少なくありません。

だからこそ、C3虫歯の治療では、成功率を高められる技術と設備をもつ歯医者を選ぶことが、歯を残すための最大のポイントなのです。
6.根管治療で失敗しないために|歯医者選び3つのポイント

ここまでで「C3虫歯の根管治療は難易度が高く、再発しない根管治療には自費の歯医者がおすすめ」とお伝えしてきました。
では、根管治療の成功率を上げるためには、自費の歯医者を選ぶだけでいいのでしょうか?
残念ながら、そうではありません。
根管治療に特化した自費の歯医者を厳選するためには、以下の2つの基準を両方兼ね備えた歯医者を選んでください。
【C3虫歯】根管治療の歯医者選び2つの基準 |
①垂直加圧式の根管充填ができる ②マイクロスコープなどの設備が整っている |
6-1.垂直加圧式の根管充填ができる
根管治療の成否を左右する大きな要素のひとつが「垂直加圧根管充填法(すいちょくかあつこんかんじゅうてんほう)」です。
「垂直加圧根管充填法」は、根管治療の治療方法の一つです。
「垂直加圧根管充填法」とは |
アメリカで広く行われている根管治療の方法。治療後の再発リスクが少ない優れた治療として知られているが、一方で難易度が高く、習得するには最低10年以上かかるといわれる。日本国内で「垂直加圧根管充填法」ができる歯科医は数十人程度しかいない。 |
一方、日本の保険診療で一般的なのは「側方加圧根管充填法(そくほうかあつこんかんじゅうてんほう)」です。充填材を横方向から押し込む方法で、根管の先端などに微細な隙間が残りやすいデメリットがあります。
垂直加圧式は充填材を垂直方向に押し込むため、根管の奥まで隙間なく密封できます。これにより、細菌が繁殖しない環境を作り出し、長期的に安定した状態を保つことができます。

自費診療だからといって、必ず垂直加圧式が採用されるわけではありません。
日本でこの治療法を実践できる歯科医は非常に限られているため、事前にホームページで確認するか、カウンセリング時に直接質問しましょう。
6-2.マイクロスコープなどの設備が整っている
根管治療の歯医者選びで、もうひとつ欠かせないのが「マイクロスコープや歯科用CTなどの最新設備」です。精密な根管治療を行う上で、担当医の技術や経験と同じくらい重要なのが、治療設備です。
【根管治療で使われる代表的な設備・備品】
設備・備品 | 詳細 |
マイクロスコープ | 歯科用の顕微鏡のこと。最大20倍ほど拡大できるため、小さくて複雑な根管内を治療するために必要。 |
歯科用CT | 歯や骨の断面を撮影できる装置。三次元画像として立体的に見えるため、精度の高い診断が可能となる。 |
ラバーダム | 薄いゴム状のシート。歯に装着して唾液や血液の混入を防ぐ。 |
根管は直径1mm以下と非常に細く、また人によって形状が異なるため、正確な見極めが大切になります。

マイクロスコープを使えば20倍以上に拡大でき、隠れた根管や小さな亀裂まで見逃さずに治療できます。

歯科用CTを導入している歯医者なら、立体的に内部を把握できるため、より精密な診断が可能です。
また、ラバーダムを併用すれば、治療中の細菌侵入を防ぎ、再感染のリスクを大幅に減らせます。
このように最新設備が整っている歯医者を選ぶことで、再発のリスクを抑えられます。歯医者選びの際は、設備の有無も必ず確認しておくと安心です。
7.C3虫歯の根管治療なら垂直加圧式の専門家が在籍しているミライズへ

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
C3まで進行した虫歯は、放置すれば歯を失うリスクが高まる一方で、適切な根管治療を受ければ歯を残せる可能性は十分にあります。だからこそ、再発リスクを抑えた精密な治療を、専門医のもとで受けることが大切です。
わたしたちミライズには、根管治療の専門家である岡崎勝至医師が在籍しています。
岡崎医師は、米国で歯内療法専門医資格を取得し、ニューヨーク大学で臨床教授を務めた実績を持つ、国際的にも評価の高いスペシャリストです。もちろん、日本でも数少ない「垂直加圧根管充填法」に対応しています。
さらに設備面でも、世界最高水準のカールツァイス社製マイクロスコープをはじめ、歯科用CTやラバーダムなど精密治療に欠かせない機器を完備しています。

以上のように、専門家の技術と最新設備の両方を兼ね備えていることが、ミライズ最大の強みです。
「抜歯を避けたい」「虫歯を確実に治したい」とお考えの方は、ぜひ一度ミライズにご相談ください。あなたの大切な歯を守るために、最適な治療をご提案いたします。



8.まとめ
この記事では「C3虫歯」について、症状や治療方法、歯医者の選び方を解説してきました。
C3虫歯は虫歯菌が歯の表面のエナメル質や、その下の象牙質を通り越し、内部の神経まで到達した状態です。

今すぐ歯医者で治療を受けないと、抜歯のリスクがかなり高まります。
とくにC3虫歯に代表される9つの症状を紹介します。1つでも当てはまれば、C3虫歯の可能性はかなり高いです。
C3虫歯の代表的な症状 | 原因 |
かむと痛みがある | 歯の奥の神経や周りの組織が炎症を起こしているため |
何もしなくてもズキズキとした強い痛みがある(自発痛) | 虫歯が神経まで達して炎症を起こしているため |
冷たいもの・熱いものに強くしみる | 虫歯が深くなり、冷たさや熱さが神経まで直接伝わるため |
歯に穴があいている | 虫歯菌が歯を溶かしているため |
歯が黒くなっている | 虫歯で溶けた部分が着色するため |
歯茎や頬が腫れている | 歯の根の先に膿がたまり、炎症が歯茎や顔の方まで広がっているため |
以前は激痛だったのに、今は痛みがなくなった | 炎症が進んで神経が死んでしまい、もう痛みを感じなくなっているため |
歯茎に白いできもの/膿が出る (フィステル) | 歯の根の先にたまった膿が、歯茎から外に出ようとして小さな出口を作るため |
口臭が出る | 虫歯や膿の中で細菌が増え、臭いのもとになるガスや腐敗臭を出すため |
C3虫歯の治療では、以下の2つの基準で歯医者を選びましょう。
【C3虫歯】根管治療の歯医者選び2つの基準 |
①垂直加圧式の根管充填ができる ②マイクロスコープなどの設備が整っている |
どうかこの記事をきっかけに、あなたに合った最善の治療を選んでいただきたいと思います。
C3虫歯で悩むすべての方が、適切な治療を受け、もう虫歯に苦しまない未来を手に入れられることを心から願っています。