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2019.02.06
ブログ
歯並びと噛み合わせ
矯正治療ってそもそもなに??
端的に言うと、矯正歯科治療では歯並びと噛み合せを治します
相談にいらっしゃる患者さんに「Dr.:気になっているところはどこですか」と伺うと
『患者Aさん:歯並びが悪くて』
『患者Bさん:噛み合わせが気になっていて』とのこと。
それではお口を拝見しますね
『Dr.:Aさんは噛み合わせに問題がありますね』
『Dr.:Bさんは歯並びを治した方がいいですね』
「歯並び」と「噛み合せ」
「歯並び」とは、読んで字のごとく「歯の並び」いわゆる「ガタガタ」や「すき間」のことです
噛み合わせが良くても、歯並びが悪い=ガタガタがある
すき間がある歯並びもありますね
歯並びが良くても=ガタガタ、すき間がなくても、噛み合わせが悪いということはよくあります
では、「噛み合わせ」とは?
上顎と下顎の骨格的または歯性的位置関係のこと
想像しやすいところでは「出っ歯」「受け口」、これらは上顎と下顎の前後的・水平的な位置関係
噛み合わせが「深い」「浅い」と言うときは、上顎と下顎の垂直的な位置関係
①前後的・水平的な噛み合わせ
上下の6歳臼歯が基準になります(これを歯科ではAngle分類と言います)
標準タイプ(Angle ClassⅠ)
歯科では「Ⅰ級」と呼びます
上の6歳臼歯の1つ目の凹が下の6歳臼歯の凹に噛み込みます
歯タイプ(Angle ClassⅡ)
歯科では「Ⅱ級」と呼びます
上の6歳臼歯の1つ目の凹が下の6歳臼歯の凹より前に噛み込んでいます
受け口タイプ(Angle ClassⅢ)
歯科では「Ⅲ級」と呼びます
上の6歳臼歯の1つ目の凹が下の6歳臼歯の凹より後ろに噛み込んでいます
その他、上顎と下顎が左右にずれている噛み合わせもあります
ただ、前後的・水平的な噛み合わせは骨格の問題によるものもあります
そのために当院では検査時にお顔のレントゲン規格写真セファログラムを撮影し、分析をします
②垂直的な噛み合わせ
噛み合わせにはもう一つ基準があります。この基準は水平的・前後的基準にもなります
上下の前歯の重なりを見ます
下の前歯に対して上の前歯は2mm前方
これより上の歯が前に位置すると…「出っ歯」
これより上の歯が後ろに位置すると…「受け口」
上の前歯と下の前歯の重なりは2mm
これより深いと…過蓋咬合
歯や顎などに負担がとてもかかる噛み合わせです
これより浅くなり過ぎると…開咬
前歯でレタスや麺類など食べ物を噛みきるのが難しいですね
まとめると…
噛み合わせは土台、歯並びはガタガタ・すき間
噛み合わせや歯並びが悪いと、見た目の影響がいちばん気になるところですが、それ以外にも…
歯が磨けないので虫歯や歯周病をリスクが高くなったり
口元の怪我をしやすかったり
上手く噛めないのでさらに胃腸に負担をかけたり
顎の筋肉や骨や歯そのものに負担がかかったり
発音に影響が出たり、その他さまざまな影響がみられます
矯正歯科治療は上記のような障害を予防・抑制・回復することを目的として、患者様が精神的、社会的に満足できるquality of life (QOL)の向上に努めます
そのために、小児の時期(乳歯列期)から不正咬合の発生を予測し、それを予防していきます(予防矯正 )
成長発育の時期においては不正咬合を誘導する好ましくない要因を発見し抑制、誘導することによって、口腔顎顔面の成長発育を正しく誘導していきます(Ⅰ期治療)=土台から改善
成人における不正咬合に対しては顎口腔機能および審美性を回復させる治療(Ⅱ期治療、成人矯正)を行います
ミライズ矯正歯科では矯正治療は上記のような歯科矯正学の立場からみた目的に留まらず、他の歯科専門領域と連携協力することにより、さまざまな口腔顎顔面領域の疾患に対してより良い総合的な歯科治療を患者に提供するために、積極的に歯科矯正学の知識、技術を活用していきます
参考文献: 歯科矯正学 第5版 医歯薬出版株式会社