ラバーダムなしの根管治療は危険?使用率わずか5%の日本と世界標準の差を歯内療法専門医が解説

2026.06.23

ラバーダムとは、根管治療中に治療歯を口腔内の唾液・細菌から隔離するゴム製のシートです。米国歯内療法学会(AAE)・欧州歯内療法学会(ESE)ともに「根管治療にはラバーダムを使用すべき」と勧告していますが、日本の一般歯科でのラバーダム使用率はわずか約5%です。ラバーダムなしの根管治療では、治療中に唾液が根管内に流入し、細菌が再感染するリスクが大幅に高まります。

ラバーダムとは何か

ラバーダム(rubber dam)は、薄いゴム製のシートに穴を開けて治療歯を露出させ、口腔内の他の部分を覆う防湿器具です。1864年にアメリカの歯科医サンフォード・バーナムによって考案され、150年以上の歴史を持つ根管治療の必須器具です。

ラバーダムの4つの役割

  • 唾液・細菌の遮断:口腔内には数百億個の細菌が存在します。ラバーダムなしでは、これらの細菌が治療中に根管内に侵入します。
  • 治療視野の確保:唾液・血液が根管内に流れ込まないため、術者が根管を明瞭に視認できます。
  • 誤嚥・誤飲防止:治療器具(ファイル)や薬液の誤飲・誤嚥を防ぎます。
  • 消毒効果の向上:根管内に使用する次亜塩素酸ナトリウム溶液の消毒効果を最大化します。

日本のラバーダム使用率が低い理由

保険診療の報酬体系

日本の保険診療では、ラバーダムの装着に対する診療報酬が非常に低く設定されています。ラバーダムの装着には5〜10分の時間と専用器具が必要ですが、その対価が十分に評価されていないため、多くの歯科医院では使用を省略しています。

教育の問題

日本の歯科大学教育では、ラバーダムの使用が必須とされていない学校も多く、卒業後にラバーダムを使用しない習慣が定着してしまうケースがあります。一方、米国の歯科大学では根管治療にラバーダムの使用が必須とされています。

ラバーダムなしの根管治療のリスク

リスク内容
細菌の再感染唾液中の細菌が根管内に侵入し、治療効果が半減する
治療の失敗・再発感染が残存し、根尖性歯周炎が再発するリスクが高まる
ファイルの誤嚥・誤飲細い根管治療器具を誤って飲み込む・吸い込むリスク
薬液の誤嚥根管消毒に使用する次亜塩素酸ナトリウムを誤嚥するリスク

世界標準の根管治療プロトコル

米国歯内療法学会(AAE)が定める根管治療の標準プロトコルでは、①ラバーダムの使用 ②マイクロスコープの使用 ③CBCTによる診断の3点が必須とされています。ミライズ総合歯科南青山では、岡崎勝至医師(NYU歯学部臨床准教授・米国歯内療法専門医)がこの世界標準プロトコルに基づいた精密根管治療を提供しています。

岡崎勝至医師 診療料金(すべて税別)

※ 一般の保険診療とは別に、岡崎医師が担当する精密治療には下記の料金が適用されます。

コンサルテーション

画像診断CBCT30,000円

根管治療

前歯280,000円
小臼歯300,000円
大臼歯320,000円

外科治療

消炎処置50,000円
歯根端切除術300,000円
内視鏡歯根端切除術320,000円

その他サービス

病理検査30,000円
異物除去50,000円
MTA費用50,000円
岡崎勝至医師

この記事の監修者

岡崎 勝至(おかざき かつし)

歯科医師 / 歯内療法専門医

米国ニューヨーク大学(NYU)歯学部 臨床准教授。米国歯内療法専門医資格取得。非外科的根管治療、複雑な外科的根管治療、外傷歯の管理を専門とする。

▶ 岡崎勝至医師のプロフィールを見る

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