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2023.05.13
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顎変形症とは?気になるリスクや費用について歯科医師が徹底解説
術後矯正治療多くの人を悩ませる顎変形症は、通常の矯正治療だけでは完治が難しい場合があります。骨格の大きさ・位置・バランスに問題がある場合は外科的矯正治療(手術)が必要です。
顎変形症の診察から治療まで、メリット・デメリットを踏まえながら詳しく解説します。
この記事でわかること |
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- 1.多くの人を悩ませる「顎変形症(がくへんけいしょう)」とは
- 2.顎変形症の症状
- 3.顎変形症の種類
- 4.矯正治療のみでは顎変形症を治せないケースも
- 5.顎変形症における「外科的矯正治療」とは
- 6.「顎変形症かもしれない」と思ったら【診断から治療までの流れ】
- 7.顎変形症の治療に用いられる主な術式
- 8.顎変形症の完治までに必要な費用について
- 9.顎変形症の治療で生じるリスク・デメリットについて
- 10.顎変形症を大学病院で治療するメリット3つ
- 11.顎変形症を大学病院で治療するデメリット3つ
- 12.顎変形症を美容外科で治療するメリット3つ
- 13.顎変形症を美容整形外科で治療するデメリット3つ
- 14.顎変形症を治療できる数少ない歯科医院「ミライズクリニック」とは
- 15.顎変形症をミライズクリニックで治療するメリット5つ
- 16顎変形症をミライズクリニックで治療するデメリット2つ
- 17.顎変形症のよくある質問
- 18.顎変形症で悩む皆様へミライズクリニックからメッセージ(まとめ)
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1.多くの人を悩ませる「顎変形症(がくへんけいしょう)」とは
性別・年齢を問わず、多くの人を悩ませている顎変形症。噛み合わせや歯ぐきの見え方などに問題が生じるのは、あごを形成する骨に異常があるためです。
発症理由のほとんどが原因不明とされる一方で、遺伝・けが・骨の成長過程がきっかけとなる場合もあります。顎変形症の基礎知識や、それぞれの発症理由について解説します。
1-1.顎変形症とは「あごを形成する骨の異常」のこと
顎変形症とは、「あごを形成する骨の大きさ・形・位置に問題が起きている状態」のことです。具体的には、「上あごと下あごの大きさが違う」「骨格がズレている」などが挙げられます。
あごの骨に異常があると、噛み合わせが悪くなるほか、顔面の形態異常を引き起こします。治療するには、歯の矯正と骨の矯正(手術)が必要です。
1-2.遺伝的な理由で発症するケース
発症の原因がはっきりと解明されていない顎変形症ですが、遺伝的な要素が強いともいわれています。
先天的な理由(生まれつき)で発症するケースもあり、赤ちゃんの頃からあごの骨に異常が認められる場合もあります。
1-3.後天的な理由(習癖や外傷など)で発症するケース
あごの骨折や手術後の変形治癒(※)をきっかけに、顎変形症を発症するケースです。また、幼い頃の「指しゃぶり」や「舌を出す癖」「頬杖」などが要因だとする説も存在します。
※骨折した骨が、正常の形態とは異なる形でくっつくこと。変形度合いによっては、日常生活に支障が出たり、痛みを伴うこともある
1-4.成長過程で発症するケース
骨や筋肉が著しく成長する思春期の時期は、顎変形症を発症するタイミングとして最も多いケースです。あごの成長過程で骨の大きさ・位置・バランスに異常が出始め、少しずつ症状が進行する場合もあります。
骨格のズレは歯の矯正治療のみでは改善されにくいため、手術が必要なケースもあります。手術のタイミングは、体の発達が落ち着く15歳以降に行うのが一般的です。
特に下あごの場合、女性は15歳以降、男性は18歳以降を推奨しています。
2.顎変形症の症状
顎変形症は「あごを形成する骨格の異常」によって引き起こされるため、日常生活に支障が出る場合があります。
具体的な症状は、以下の通りです。
顎変形症の具体的な症状
- ・顔が歪んで見える
- ・下あごが前に飛び出ていて、しゃくれたように見える
- ・下あごが小さいために、あごが無いように見える
- ・ものを噛みにくく、食事に不便さを感じている
- ・噛み合わせが悪く、歯にすき間ができている
- ・笑ったときに歯ぐきが目立って見える
- ・言葉を話すときに発音しにくい
- ・口が閉じにくく、口呼吸になってしまう
これらの症状は、歯の矯正治療と骨の手術(外科的矯正治療)で改善できます。
3.顎変形症の種類
顎変形症にはどのような種類があるのでしょうか?
症状の種類と特徴について、詳しく解説します。
3-1.①下あごが前に出ている「下顎前突症(受け口)」
「下顎前突症(かがくぜんとつしょう)」は、下あごが前に出ている状態のことです。顎変形症に悩む日本人によく見られる症状で、「受け口」ともいわれています。
下顎前突症の特徴
- 下あご全体が前に出ている
- しゃくれたように見える
下顎前突症の場合、上の歯よりも下の歯が前に出ている「反対咬合(はんたいこうごう)」を引き起こす場合もあります。
3-2.②下あごが後ろに引けている「下顎後退症」
「下顎後退症(かがくこうたいしょう)」は、下あごの骨格形成に異常がある状態です。代表的な症状として、以下のような特徴があります。
下顎後退症の特徴
- ・下あごが非常に小さい
- ・下あごが後ろに引けていることで出っ歯に見える
そのほか、下の歯にでこぼこが多いのも特徴です。「口呼吸」が発症の原因となる場合もあり、口を閉じる筋肉が緩むことで下あごの成長に影響を及ぼすとされています。
治療するには骨格そのものの矯正が必要です。具体的には、上に生えている歯を下の位置にずらし、下あごの存在感を出すような治療が求められます。
3-3.③上あごや上の前歯が出ている「上顎前突症」
「上顎前突症(じょうがくぜんとつしょう)」は、上あご・上の前歯が前に飛び出ている状態です。主に、以下のような症状が一般的です。
上顎前突症の特徴
- ・笑顔を作るように口角を上げると、歯ぐきが過度に露出する
- ・いわゆる「出っ歯」として、悩みを抱えている
症状によっては、下あごが内側に引っ込んでいるケースもあり、口が閉じにくいのが特徴です。無意識のうちに口元が半開きになっていることもあります。
3-4.④上あごが引っ込んでいる「上顎後退症」
上顎が引っ込んでいる「上顎後退症(じょうがくこうたいしょう)」には、以下のような特徴があります。
上顎後退症の特徴
- ・上あごが引っ込んでいて、怒っているような表情に見える
- ・横から顔を見たときに、輪郭が三日月のようにへこんで見える
これらの症状は、上あごの位置や大きさに問題があることで引き起こされます。骨格だけではなく歯並びにも影響を及ぼしており、上の歯がでこぼこしていたり、八重歯が目立つケースもあります。
3-5.⑤左右のどちらかに口角が下が歪んで見える「下顎(上顎)側方偏位」
「下顎側方偏位(かがくそくほうへんい)」および「上顎側方偏位(じょうがくそくほうへんい)」とは、顔面が左右どちらかに曲がって見える状態のことです。あごの骨格異常が原因で、骨の位置がズレている状態です。
下顎(上顎)側方偏位の特徴
- ・片方のあごが斜めにズレている
- ・上あご・下あごの両方がズレている
結果として、口角・咬合平面(※1)・歯の正中(※2)などにもズレが生じ、あごや口元が曲がったように見えてしまうのです。
症状によっては、奥歯の位置にも影響を及ぼします。通常の矯正治療のみでは完治が難しい場合が多く、根本的な解決には外科的矯正治療が必要なケースもあります。
※1 正面から見た歯列の傾きのこと
※2 上と下の前歯にある中心線のこと
3-6.⑥歯ぐきが常に見える「ガミースマイル」
「ガミースマイル」とは、口角を上げたときに歯ぐきが目立つ状態のことをいいます。原因の1つとして、「上あごの骨格異常」が挙げられます。
ガミースマイルの特徴
- ・笑うと歯ぐきが目立って見える
一般的な診断基準は、笑ったときに歯ぐきが3mm以上見えているかどうかです。人によっては、口角を上げなくても、常に歯ぐきが見えているケースもあります。
上唇の縦幅に対し、上あごが垂直に伸びることで、歯ぐきが目立って見えてしまうのです。骨格による影響が大きい場合は、外科的矯正治療を行う必要があります。
なお、英語で「歯ぐき・歯肉」を表す「gum」が元になっており、「gummy(形容詞)」が語源とされています。
4.矯正治療のみでは顎変形症を治せないケースも
顎変形症は、通常の矯正治療のみでは完治できないケースもあります。理由は、矯正で歯並びや噛み合わせを改善できても、骨格のズレまでは改善できないためです。通常の矯正治療は、歯の噛み合わせや歯並びの改善を目的としています。
矯正装置を装着することで歯を傾斜させ、適切な角度に調整します。矯正のみでは歯を傾斜させてカモフラージュできる角度に限界があるため、外科的矯正治療と組み合わせて治療を行うのが一般的です。
とはいえ、手術を受けることに不安を感じ、治療に躊躇する患者様もいらっしゃるかと思います。当院は「患者様に顎変形症手術で後悔してほしくない」という想いで日々治療にあたっています。
顎変形症手術で後悔しないためのポイントについては、当サイト「顎変形症の手術で後悔する理由は3つ:後悔しない病院選びのコツを紹介」で紹介しています。
顎変形症手術に不安がある方はぜひご覧ください。
5.顎変形症における「外科的矯正治療」とは
「外科的矯正治療」とは、あごの骨を切る手術のことです。顎変形症の治療に有効で、見た目にも大きな変化をもたらします。とはいえ、「手術」と聞くと、怖いイメージが先行してしまう人もいるのではないでしょうか。
外科的矯正手術のメリットや、通常の矯正治療との違いについて解説します。
5-1.外科的矯正治療とは手術で「骨」の矯正をすること
外科的矯正治療の目的は、手術で骨格のズレやバランスを整えることです。手術の前後に行う矯正治療で、噛み合わせや歯並びを調整します。
通常の矯正治療が「歯」に対する治療なら、外科的矯正治療は「あごの骨」に対する治療といえるでしょう。矯正の効果を最大限に引き出すために、手術で骨格の土台を整えるイメージです。
5-2.外科的矯正治療のメリット
外科的矯正治療は、通常の矯正では治療できない「骨格のズレ」を矯正できます。外科的矯正治療で得られる主なメリットは以下の5つです。
外科的矯正治療のメリット
- ・顔の対称性や審美面が改善される
- ・噛み合せがより改善される
- ・手術により骨格のズレを根本的に矯正できる
- ・噛み合わせの機能性、歯ならびの審美性(見た目)を追求できる
- ・あごの骨の歪みが原因による関節の痛みが緩和される
手術が必要とはなりますが、噛み合わせや顔面の形態にも大きな変化をもたらします。
5-3.通常の矯正治療との違い
通常の矯正治療と外科的矯正治療の違いは、「治療に手術が必要かどうか」です。
通常の矯正治療は歯並びや噛み合わせの改善を目的としており、矯正装置のみで治療します。矯正装置によって歯やあごの骨に矯正力をかけ、歯を適正な位置に動かしているのです。
矯正治療の対象となるのは、以下の通りです。
矯正治療との違い
- ・上顎前突症(前歯が飛び出て見える)
- ・下顎前突症(受け口)
- ・八重歯(犬歯が飛び出して見えている)
- ・乱ぐい歯(歯並びが乱れている)
- ・開咬(前歯が噛み合わない)
症状によっては、外科的矯正治療を必要とするケースもあります。
6.「顎変形症かもしれない」と思ったら【診断から治療までの流れ】
患者様が抱える不安として、「自分には手術が必要なのか」「どのタイミングで手術するのか」「どのような流れで治療を進めていくのか」といったお声がよく寄せられます。
顎変形症の治療は、問診・検査・診断・矯正・手術など、段階ごとに分けて行うのが一般的です。顎変形症の初診から治療までの流れについて解説します。
6-1.STEP1【顎変形症の検査を受ける】
顎変形症に関する問診から検査については、以下の流れで行います。
問診から検査の流れ |
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1.問診を行い、歯とあごの形状をチェックする |
2.CT検査・レントゲン検査・顔面の写真撮影などで骨格を確認する |
3.問診や検査デーなどから診断を行う |
4.顎変形症の診断が出たら、治療計画を立てる |
5.症状によって手術の必要性を判断し、術前矯正治療を開始する |
骨格のズレや大きさは見た目だけでは判断できないため、CT検査・レントゲン検査・顔面の写真撮影などを利用します。骨の位置・大きさ・バランスを確認し、骨格に異常がみられ、矯正治療のみでは機能的に改善ができないと判断された場合に「顎変形症」と診断されます。
治療計画を立てる時点で手術の必要性を判断し、先に「術前矯正治療」を行うのが保険適用の条件です。
※患者様の強いご希望によっては、外科的矯正治療を行わずに矯正治療のみで治療するケースもあります。(保険適用外)
6-2.STEP2【術前矯正治療を受ける】
「術前矯正治療」とは、外科的矯正治療の前に歯の矯正を受けることです。手術後の噛み合わせを想定し、マルチブラケット装置で歯並びや噛み合わせを改善します。
矯正治療により、骨に対して歯並びや噛み合わせが真っ直ぐになります。デメリットは、歯を矯正しても骨には変化が起きないことです。骨格を整える前の段階で矯正治療を受けるため、一時的に症状が悪化する可能性があることも覚えておきましょう。
骨格に前後的なズレが生じている場合、前歯がうまく噛み合わないことがあります。このような状況が続くと、体は前歯が噛めるように歯に傾斜を付けてしまうのです。
これを「歯性の補正」といいます。「下顎前突症」の場合は、成長期に下あごが成長する過程で上の前歯も押し出され、前に傾いてしまっている場合もあります。
6-3.STEP3【手術前に再度検査・診察を受ける】
術前矯正治療が終了すると、外科的矯正治療に向けて本格的に準備が始まります。再検査・診察を行い、「手術が本当に可能かどうか」を判断します。
具体的な検査・準備方法は以下の通りです。
- ・X線検査
- ・顔面および口腔内の写真撮影
- ・噛み合わせ模型の作成(型取り)
- ・全身麻酔に関する術前検査
- ・麻酔科医師による診察
- ・自己血貯血(※1)(患者様自身の血液を採取し、保存しておくこと)
検査・診断の結果から最適な術式を検討し、手術の説明(※2)を行います。
※1 患者様自身の血液を採取し保存しておくことを指すが、対応不可の医療機関もある
※2 患者様が未成年の場合は、保護者の方の同席・同意が必要
6-4.STEP4【手術直前に歯のケアを受ける】
手術直前・前日に、専門医師による最終診察で手術の可否を決定します。外科的矯正治療を円滑に進めるため、手術直前にPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニング)と呼ばれる、以下の口内ケアを行います。
- 歯石・歯垢などの除去
- 歯磨き・舌のブラッシング
- 術後のブラッシング指導
- 手術中に使用するスプリント(※)の噛み合わせチェック
※歯並びや噛み合わせを固定するための装置で、マウスピースのような形状をしている
6-5.STEP5【顎変形症手術を受ける】
手術当日から退院までの大まかな流れは以下の通りです。
- 1.手術室に入り、患者様の氏名を確認
- 2.全身麻酔をかけ、治療計画に基づいた顎変形症手術を行う
- 3.顎間固定(※)を行い、安静に過ごす
- 4.翌日に採血・レントゲン検査・傷口の消毒を行う
- 5.口内の洗浄方法・自宅での過ごし方の指導を実施
- 6.退院許可が下りたら次回の予約を取り、帰宅
手術直後は口内が固定されているため、会話や食事が難しい状態です。最初は液状の「経口流動食」で食事をとるのが一般的です。
嘔吐による窒息を防ぐため、意識がはっきりするまでは鼻から胃にチューブを通すことがあります。また、あご骨周辺に血液が溜まらないよう、吸引用のチューブを通す場合もあります。
大学病院で手術を受けた場合、入院期間の目安は5日〜3週間ほどです(施設によって異なります)。
※ 矯正器具に付けたフック同士をゴムで固定して噛み合わせを固定すること
6-6.STEP6【術後矯正治療を受ける】
「術後矯正治療」とは、外科的矯正治療を受けた後に、通常の矯正治療を受けることです。
術前矯正は術後の変化を予測して行う治療に過ぎないため、術後矯正で最終調整を行う必要があります。歯並びや噛み合わせの最終調整を目的としており、より緊密な矯正が求められます。
術前矯正を必要としないサージェリーファーストの場合、手術で骨格を矯正しても歯並びまでは改善できません。手術前の骨格に合わせて歯が並んでいるために噛み合わせがズレてしまい、非常に噛みづらい状態です。
どちらにしても、術後はあごの骨の位置にズレが生じているので、術後矯正治療が必要です。治療は、手術から早めのタイミングで行うのが一般的です。矯正期間の目安は1年前後で、術前矯正と同じく月に1回ほどの通院を要します。
さらに、術後矯正治療と並行して「口腔筋機能療法(※)」を行うケースもあります。
※舌・口元周辺の筋肉向上を促す、リハビリのようなもの
6-7.STEP7【歯並びを安定させる装置を装着する】
術後矯正治療が終了したら、「保定装置(※)」で歯並びを安定させます。治療が完了しても、矯正した歯が元の位置に戻ろうとするためです。
保定装置を日中もしくは夜間に装着し、後戻りを防ぎます。なお、歯並びが安定する期間の目安は、2〜3年ほどです。
※マウスピースや入れ歯のような形状をしており、「リテーナー」と呼ぶこともある
6-8.STEP8【状況に応じてプレート除去手術(抜釘手術)を受ける】
外科的矯正治療で使用するプレートは、患者様が希望すれば手術による除去が可能です。除去手術は軽い手術で済むため、外科的矯正治療よりも軽い負担で済みます。
除去手術は術後から1年で行えますが、あごの骨が十分に定着していることが条件です。なお、体に吸収される素材でできたプレートを使用している場合、除去手術は必要ありません。
7.顎変形症の治療に用いられる主な術式
外科的矯正治療にはさまざまな術式があり、患者様の症状に合わせて適切な治療法を提案します。ここからは、顎変形症の治療に用いられる主な術式について解説します。
7-1.上あごをプレートで固定する「ルフォーI型骨切り術(上顎骨切り術)」
「ルフォーI型骨切り術(上顎骨切り術)」は、縦方向に成長した上あごの骨を切る手術方法です。上あごの骨を水平に切ることによって、骨の長さを調節したり、位置を変えたりします。
なお、手術で切った骨は、チタンプレートや吸収性プレート(※)で固定します。
ルフォーI型骨切り術のみを行うケースよりも、下あごの骨を切る「SSRO(下顎枝矢状分割法)」と併用した治療が一般的です。笑うと歯ぐきが目立つ「ガミースマイル」や、上の歯が前に出ている「上顎前突症」に適した術式です。
面長だった輪郭が丸くなるため、症状によっては小顔効果も期待できるでしょう。
※ 体内で分解・ 吸収されるプレートのことで、除去手術を行う必要がない
7-2.下あごをプレートで固定する「SSRO(下顎枝矢状分割術)」
「SSRO」とは、下あごの骨を前方・後方に移動させる手術方法です。「下顎枝矢状分割術(かがくししじょうぶんかつじゅつ)」「下顎骨切り術」と呼ぶこともあります。
前述の「ルフォーI型骨切り術」と比べると、適応範囲の広さが特徴です。前歯が噛み合わない「開咬」や、受け口(下顎前突症)の治療に適しています。SSROの場合も、チタンプレートや吸収性プレートで骨を固定します。
7-3.抜歯してから手術する「分節骨切り術(歯槽骨切り術)」
「分節骨切り術(歯槽骨切り術)」とは、前から4番目・5番目に生えている上下の歯を抜歯し、歯ぐきの骨を切る手術方法です。抜歯でできたスペースの分だけ、骨を後方に移動できます。
手術により、あごの骨や前歯の出っ張りを改善でき、横顔や輪郭の矯正も可能です。上あごや下あごのみを対象とした「上顎分節骨切り術」「下顎分節骨切り術」もあります。
7-4.あごの先をプレートで固定する「オトガイ形成術」
そもそも「オトガイ」とは、下あごの先端部分のことを指します。「オトガイ形成術」は、オトガイが長すぎたり、短すぎたりした場合に用いられる手術方法です。
オトガイを下あごから切り離し、前方・上方に移動させることで長さを調整します。手術のメリットは、口が閉じやすくなることです。
なお、切除で分離した骨は、チタンプレート・吸収性プレートで固定します。
7-5.手術後に矯正治療を行う「サージェリーファーストアプローチ(SF)」
「サージェリーファーストアプローチ(SF)」とは、術前矯正治療を行わずに手術を行う治療方法です(※)。
海外では一般的に普及している治療方法で、日本国内でも需要が拡大しています。サージェリーファーストアプローチ(SF)で得られるメリットは以下の6つです。
サージェリーファーストアプローチ(SF)のメリット
- ・全体の治療期間を短縮できる場合がある
- ・審美面のコンプレックスが早期に改善される
- ・機能面はもちろん審美性の追求ができる
- ・術前矯正時の発音への影響がない
- ・術前矯正治療による顔面の変化がない
- ・術後の早期社会復帰を目指せる
- ・装着する矯正器具が選べる(審美性の高いものも選択可能)
一方、デメリットは医療費が保険適用外となることです。全額自己負担となるため、治療費が高額になる可能性があります。
とはいえ、「術後の社会復帰が早い」「歯の機能面はもちろん、審美性も改善できる」「短期間で審美性を追求できる」など、患者様にもたらすメリットは大きいといえるでしょう。
※サージェリーファーストアプローチを採用する場合でも、状況に応じて最小限の術前矯正治療を行うことがある
顎変形症手術は「骨格のズレ」「骨の歪み」の矯正が目的です。そのため、顔の変化が起きやすい手術であるといえるでしょう。
手術後の変化に不安を感じる方は、当サイト「【歯科医師監修】顎変性症は手術が必要? 顔の変化と医療機関の選び方を解説」をご覧ください。
当院で実際に手術を受けた患者様の顔写真も掲載しています。
8.顎変形症の完治までに必要な費用について
顎変形症は保険治療が可能です。とはいえ、全てのケースに保険が適用されるわけではありません。外科的矯正治療(手術)の必要性が認められ、術前矯正・手術・術後矯正の順番に治療した場合に保険が適用されます。
今回は、顎変形症の完治までに必要な費用について、主な3パターンを解説します。
8-1.手術と術前・術後矯正治療を受けるケース(保険適用可能)
顎変形症の治療で保険が適用されるのは、術前矯正・手術・術後矯正の順に治療を受けた場合のみです。保険が適用されるため、費用を抑えられるメリットがあります。
一方、デメリットは矯正治療で使用する装置を自由に選べないことです。今回は、保険の3割負担となった場合の治療費について解説します。
それぞれの治療で必要な費用については、以下の通りです。
治療 | 費用 |
---|---|
術前矯正治療 | 30万円前後 |
外科的矯正治療(手術) | 40万円前後 |
術後矯正治療 | 10万円前後 |
3割負担の場合、自己負担額の相場は、およそ60〜100万円前後です。費用は医療機関によって異なりますが、全額自己負担の1/3〜1/5ほどの金額で治療できる計算です。
8-2.手術をせず矯正治療のみを受けるケース(保険適用不可)
顎変形症を通常の矯正のみで治療するケースです。術前矯正治療や外科的矯正治療を行わないため、治療費は全額自己負担となります。
医療機関によって料金設定が異なりますが、費用として総額60〜130万円前後が相場です。保険は適用されませんが、患者様がご自身で矯正装置を選択できるメリットがあります。
8-3.手術をしてから矯正を受けるケース(保険適用不可)
術前矯正治療を行わず、外科的矯正治療を受けてから術後矯正治療を行うケースです。前述の「サージェリーファーストアプローチ(SF)」が該当します。
サージェリーファーストアプローチは、術前矯正治療を行わずに手術に進むのが特徴です。そのため、保険治療が適用されず、全額自己負担となります。
手術費用が単体で120〜300万円前後で、矯正治療の費用を含めると180〜430万円ほどが相場です。術式や選択する矯正装置によって、費用が大幅に変動します。
紹介するケースの中では最も高額な治療費となりますが、患者様のご希望に沿った自由な治療が魅力です。
9.顎変形症の治療で生じるリスク・デメリットについて
顎変形症の綿密な治療計画に基づいて行われるため、外科手術の中でも比較的安全といえるでしょう。とはいえ、治療によって多少のリスクが生じることも忘れてはいけません。
診察を受ける前に知っておきたいリスク・デメリットについて解説します。
9-1.手術で顔に麻痺や腫れが出るリスク
外科的矯正治療後に起こるリスクとして、以下の症状が出ることがあります。
手術で生じるリスク
- ・くちびる・あご・頬周辺が麻痺したり、感覚が鈍くなったりする(知覚鈍麻)
- ・一時的な後遺症として、顔全体が腫れる
- ・一時的に口を大きく開けづらくなる(開口障害)
麻痺や知覚鈍麻による違和感は半年〜数年ほど続くことがあります。手術による顔の腫れや口元周辺の麻痺は、どうしても起こりうるものです。
一時的な合併症として顔全体が腫れることがありますが、多くは手術から1カ月〜数カ月ほどで緩和します。
9-2.顎関節症を引き起こすリスク
顎変形症で悩む人の多くは、すでに顎関節に症状があるか、将来的に「顎関節症(がくかんせつしょう)」にかかる割合が高いといわれています。
顎関節症の主な症状は、「口に開閉時にあごの関節が鳴る」「あごの関節が痛む」「口を大きく開けられない」などです。
顎変形症と同じく、直接的な発症原因については様々な研究がされていますが、噛み合わせや骨のずれに起因することが多数報告されています。
顎関節症の症状が出ていない場合でも、発症の可能性を考慮して、適切に処置を行います。
9-3.進行性下顎頭吸収(PCR)を引き起こすリスク
「進行性下顎頭吸収(しんこうせいかがくとうきゅうしゅう)」とは、下あごの骨が変形し、徐々に減少する病気のことです。
「下顎頭 (かがくとう) 」と呼ばれる骨が圧迫により変形し、体に吸収されることで面積が減ってしまうのです。
下あごへの強い圧迫・けん引力などが原因だとする説もありますが、根本的な原因は未だに解明されていません。「進行性下顎頭吸収(PCR)」の具体的な症状は、以下の通りです。
進行性下顎頭吸収(PCR)の症状
- ・前歯が噛み合わない「開咬」が起き、奥歯に過度な負担がかかる
- ・痛みや歯周炎を引き起こす場合があり、将来的に奥歯が抜け落ちる可能性がある
- ・下あごが奥に引っ込んだように見え、顔面が非対称の状態になる
術後の経過観察で早期発見は可能ですが、具体的な治療方法は確立されていない状況です。当院では「患者様の不安を少しでも取り除きたい」という想いから、「再生医療」の研究を進めています。
治療方法が確立できれば、進行性下顎頭吸収(PCR)のリスクを大幅に低減できることでしょう。なお、この研究は日本初の試みであり、ミライズクリニックは厚生労働省の許可も取得しております。
9-4.デメリットは手術の前後に矯正が必要であること
顎変形症を治療するデメリットは、治療期間が長いことです。術前矯正・術後矯正の期間を含めると、完治までに2〜3年ほどかかる場合もあります。
しかし、近年では「短期間での治療」や「早期社会復帰」の需要が高まっており、保険適用外の「サージェリーファーストアプローチ(SF)」が注目されています。
全額自己負担とはなりますが、治療期間が大幅に短縮できることは大きなメリットです。
症状によっては一時的にあごの変形が目立つ場合も
術前矯正治療は、術後の噛み合わせや歯並びを想定して行います。そのため、一時的ではありますが、噛み合わせの悪化や、あごの変形が目立つ可能性も考えられます。
具体的なデメリットについては、以下の通りです。
噛み合わせ・あごの変形が目立つケース
- ・一時的に骨格のズレが顕著になり、余計に目立って見える
- ・術後矯正治療を受けるまで、一時的に噛み合わせが悪くなる
- ・歯の機能面を改善が目的なので、審美性を追求できない
上記のようなリスクを回避するため、術前矯正治療を必要としない「サージェリーファーストアプローチ(SF)」を選択する患者様もいらっしゃいます。
顎変形症手術で後悔しないためのポイントについては、当サイト「顎変形症の手術で後悔する理由は3つ:後悔しない病院選びのコツを紹介」で紹介しています。
また、顎変形症手術で鼻が広がることに不安を感じている患者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
手術で鼻が広がる原因や対策方法については、当サイト「顎変形症手術で鼻は広がる?変形する理由や対策方法を紹介」をご覧ください。
10.顎変形症を大学病院で治療するメリット3つ
顎変形症を大学病院で治療すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか?
保険適用・通いやすさ・術後の対応など、3つの観点から解説します。
10-1.治療費の保険適用が可能
大学病院ごとに対応は異なりますが、顎変形症の治療は保険適用の対象です。保険治療を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。
保険が適用される条件
- ・治療に外科的矯正治療(手術)が必要だと診断されている
- ・術前矯正治療と術後矯正治療を受ける
つまり、術前矯正治療・手術・術後矯正治療と進むケースであれば、保険が適用されるのです。なお、保険治療を受けるためには、国の定める施設基準を満たし、地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関で受診する必要があります。
保険が適用された場合の治療費については、前述の「8.顎変形症の完治までに必要な費用について」で詳しく解説しています。
10-2.自宅から通いやすい場所で治療が受けられる
顎変形症に対応できる大学病院が近くにあれば、自宅から通いやすい場所で治療が受けられます。自宅から通いやすい場所であれば、外科的矯正治療で入院する際も不便を感じにくいでしょう。
術後の経過によっては、入院日数が10日から数週間に及ぶケースもあります。着替えの用意や洗濯など、家族にサポートしてもらう場合は、自宅から近い医療機関がおすすめです。
10-3.大学病院によっては鼻からの栄養摂取が可能
手術後は口を開けたり、食事を取ったりするのも一苦労な状態です。手術直後は、経口流動食と呼ばれる液状の食事をとるのが一般的で、大学病院によっては経鼻挿管で鼻からの栄養摂取も可能です。
個人差はありますが、手術の翌日からおかゆを食べられる場合もあります。通常の食事に切り替えるタイミングは、施設や症例によって異なりますが、術後数日〜2カ月が目安です。
血液を吸い出すチューブを口に入れることもあるため、鼻からの栄養摂取は医療機関ごとに判断が異なります。
11.顎変形症を大学病院で治療するデメリット3つ
大学病院による顎変形症の治療には、どのようなデメリットがあるのでしょうか?
入院期間・審美性・待ち時間の長さなど、3つの観点から解説します。
11-1.症状によっては入院期間が長くなる可能性がある
大学病院に限った話ではありませんが、顎変形症の症状によっては手術後の入院期間が長くなる可能性があります。一般的な入院日数は10日前後〜3週間ほどが目安です。
入院期間に幅がある理由として、以下の5つが考えられます。
入院期間が長くなる理由
- ・術式により期間が増減する
- ・術後の回復状況に個人差がある
- ・手術後に長期的な管理を行う方針の施設の場合は入院期間は長くなる
- ・顎間固定期間が長い施設の場合は入院期間も長くなる
- ・出血量が想定よりも多い場合は入院期間が長くなる
近年では、術後の早期社会復帰を望まれる患者様が増加傾向にあるため、入院日数の短い医療機関に需要が集まる可能性も考えられます。
11-2.審美性に物足りなさを感じる可能性がある
保険医療機関として認められた大学病院であれば、治療費の保険適用が可能です。
しかし、保険を適用する場合、機能的な改善が主目的となるため、患者様が審美矯正装置や術式を積極的に選べなくなるデメリットがあります。
保険適用の場合は金属製の「マルチブラケット装置(※)」と金属製の通常のワイヤーを使用するケースが多く、人によっては審美性に物足りなさを感じる場合もあるでしょう。
※マルチブラケット装置と呼ばれる装置を歯の表面に接着させて、その装置にワイヤーを通して、矯正力をかけながら歯並びを調節する矯正装置のこと
11-3.顎矯正手術が1年半待ちの大学病院もある
さまざまな科が集約されている大学病院では、顎変形症以外の治療も日常的に行われています。
近年は顎変形症治療の急激な需要拡大や、新型コロナウイルス感染症による病床数や不要不急の手術と見なすなど、施設によっての対応方針の関係もあり、顎矯正手術まで1年半待ちの大学病院もあるほどです。
実績が豊富な医療機関であっても、患者様の希望するタイミングで治療を始められない場合があることも覚えておきましょう。
12.顎変形症を美容外科で治療するメリット3つ
顎変形症を美容外科で治療すると、どのようなメリットを感じられるのでしょうか?
審美性・治療期間・利便性など、3つの観点から解説します。
12-1.理想の自分を追求できる
自費で治療する最大のメリットは、自分の理想を追求できることです。目元や鼻の整形など、顎変形症以外のお悩みにも対応できます。
歯の噛み合わせよりも、顔面の形態異常を改善したい場合に適しています。
12-2.歯の矯正を行わないため治療期間が短い
美容外科の主な治療目的は、見た目のズレを改善することです。術後の噛み合わせに問題がある場合は、人工の差し歯を入れたり、歯を削ったりして調整します。
歯の矯正治療を行わない方針のクリニックが多いため、短い期間で治療が可能となっています。
12-3.駅から近いクリニックが多いので利便性が高い
大手の美容整形外科は駅周辺に開設していることが多く、通いやすいメリットがあります。
また、Web上で予約・キャンセルができるクリニックも増えており、利便性の高さを感じられます。
13.顎変形症を美容整形外科で治療するデメリット3つ
美容整形外科による顎変形症の治療には、どのようなデメリットがあるのでしょうか?
噛み合わせ・歯科治療の専門性・費用など、3つの観点から解説します。
13-1.美容面を追求しすぎると噛み合わせが悪くなる可能性がある
自分の理想を追求できる美容整形外科ですが、顎変形症の症状によっては、噛み合わせが悪くなる可能性があります。これは、美容整形外科と歯科医院による、治療目的の違いによるものです。
たとえば、美容整形外科は骨格のズレを改善することを主な目的としており、基本的に歯の矯正は行いません。一方、歯科医院は骨格のズレ・歯並びなどを改善することで、顎変形症の完治を目指します。
美容面を追求しすぎると、噛み合わせが悪化するリスクがあることも知っておきましょう。
13-2.歯科治療の専門家がいるクリニックが少ない
美容整形外科は美容を目的とした、外科手術のプロ集団です。とはいえ、歯科治療の専門家がいるクリニックは、数が少ないのが現状です。
歯科医院は美容目的の治療はできませんが、骨格のズレや歯並びを矯正すれば、審美性は十分に改善できます。自分の歯を可能な限り残したい場合は、歯科医院による治療をおすすめします。
13-3.費用が高額になる可能性がある
美容整形外科で顎変形症を治療する場合、治療費は全額自己負担です。保険治療が適用できないため、治療費が高額になる可能性があります。
なお、状況によってはほかの医療機関でも保険治療が適用されないケースもあります。詳しくは、「8.顎変形症の完治までに必要な費用について」をご覧ください。
14.顎変形症を治療できる数少ない歯科医院「ミライズクリニック」とは
ミライズクリニックは顎変形症の治療に特化した、数少ない民間歯科クリニックです。手術室を完備しているため、顎変形症に関する治療をクリニック内で行えます。
症例数は年間約50症例で、地方の大学病院に引けを取らない数字です。噛み合わせに悩む患者様からは「顎変形症を歯科医院で治せるのは安心」といった、ありがたいお声もいただいております。
15.顎変形症をミライズクリニックで治療するメリット5つ
ミライズクリニックで顎変形症を治療すると、どのようなメリットを感じられるのでしょうか?
専門性・手術時間・機能性などの観点から、それぞれ解説します。
15-1.顎変形症の治療に特化した専門医が常駐している
ミライズクリニックでは、顎変形症の治療に特化した専門医が常駐しています。顎変形症の治療には、高い技術力が求められるためです。
たとえば、大量の神経が集中している「上あご」。少しのミスも許されない上あごを、CTの画像だけを頼りに手術しなければなりません。このような手術は歯科医なら誰でもできるわけではなく、日本国内には数名の医師しかいないのが現状です。
しかし、ミライズクリニックには、上あごの手術ができる専門医が在籍しています。さまざまな外科手術を行う医療機関よりも、顎変形症の治療に携わる機会は圧倒的に多いといえます。
15-2.手術から約24時間後には帰宅可能
顎変形症の治療過程で、患者様が最も不便に感じるのは「入院期間の長さ」ではないでしょうか?
地方の大学病院で手術を受けた場合、10日〜3週間の入院期間を要する場合があります。ミライズクリニックなら、手術から約24時間後には帰宅が可能です。
約24時間で帰宅できる理由として、以下の3つが挙げられます。
術後から約24時間後に帰宅できる理由
- ・手術時間が平均で4時間半と短く、出血量も少ない
- ・帰宅後もクリニックによる遠隔対応が可能
- ・近隣の総合病院と連携し、緊急時でも綿密な対応が可能
術後の早期社会復帰を希望する患者様は増加傾向にあり、遠方から来院される患者様もいらっしゃるほどです。「スケジュール調整が難しい」「忙しくて長期間休めない」といった事情がある場合は、ぜひミライズクリニックまでお問合せください。
15-3.設備が整っており最新の医療機器を使用している
ミライズクリニックは、手術室を完備する数少ない民間歯科医院です。「高い技術力には最新の医療機器が必要」だと考える私たちにとって、設備の拡充には強いこだわりがあります。
2,000〜3,000万ほどする高額な医療機器も、ミライズクリニックなら専門医の一存で購入可能です。ところが、規模の大きい医療機関だと、最新の医療機器を導入するのに5年もかかることがあります。
医療機器導入へのスピード感は、歯科専門のクリニックならではの強みです。
15-4.歯の機能・安全・審美を全て集約している
ミライズクリニックでは、歯の機能・安全・審美を全て集約しています。歯の機能性を重視すれば、歯科医院でも審美性の確保は十分可能です。
とはいえ、審美性まで網羅できるクリニックは少なく、顎変形症に関する高い技術力が求められます。歯の機能・安全性はもちろんのこと、審美性(美容)まで追求しているクリニックは数少ないといえるでしょう。
15-5.納得の料金設定で安心して治療を受けられる
顎変形症の治療にかかる費用は比較的高額になりやすく、患者様にとっても不安材料の1つです。
ミライズクリニックは、歯の機能性・安全性・審美性を維持しながら、可能な限りコストカットに努めております。外科的矯正治療と術前矯正治療を組み合わせれば、治療費の保険適用も可能です。
一方で、治療の自由度が高い「サージェリーファーストアプローチ(SF)」の需要も高まっています。早期社会復帰が見込めることや、矯正治療の期間が短いことから、SFを希望される患者様が増加しているのです。
SFの場合は保険適用外とはなりますが、ミライズクリニックなら「一般的な美容整形外科の半額ほど」で治療できます。顎変形症の完治までにかかる費用の目安は、およそ300万円ほどです。
決して安い金額ではありませんが、「最短」かつ「安全」に「理想の歯・自分に近付ける」と考えれば、コストパフォーマンスの高い治療方法といえるでしょう。
患者様が安心して治療に専念できるよう、分割払いもご用意しております。
16.顎変形症をミライズクリニックで治療するデメリット2つ
顎変形症の治療に特化したミライズクリニックですが、治療にはどのようなデメリットがあるのでしょうか?
費用やダウンタイムの観点から解説します。
16-1.大学病院で治療を受けるよりも費用がやや高い
ミライズクリニックでは、多様化する患者様のご要望にお応えするため、保険適用外の「サージェリーファーストアプローチ(SF)」で治療するケースもあります。
大学病院で治療を受けるよりも費用がやや高くなりますが、術後の早期社会復帰が可能であったり、そもそも大学病院では予約1年待ちというところも多いため、すぐに施術できるという点がメリットになります。患者様の症状・ご事情に合わせて最適な治療法をご提案しますので、ぜひミライズクリニックまでお問合せください。
16-2.症状によってはダウンタイムが長くなる可能性がある
当院に限らず、美容整形外科で施術を受けたときと比べると、ダウンタイムが長くなる可能性があります。理由は、歯の矯正治療を行うためです。
術前・術後矯正だけを見ても、治療が終了するまでに1〜2年ほどの時間を要します。治療ごとに年単位で時間がかかるため、ダウンタイムが長くなる傾向にあるのです。
ダウンタイムや治療期間を短縮させる方法として、前述の「サージェリーファーストアプローチ(SF)」を適用するケースもあります。
実際に当院で顎変形症手術を受けた患者様の様子については、当サイト「【歯科医師監修】顎変性症は手術が必要? 顔の変化と医療機関の選び方を解説」で紹介しています。
手術前後の顔写真も掲載していますので、手術後の変化に不安を感じる方はぜひご覧ください。
17.顎変形症のよくある質問
ミライズクリニックで寄せられる、顎変形症に関する質問をまとめました。
患者様が抱えやすい不安・疑問をそれぞれ解説します。
Q1【ほかの歯科医院でも顎変形症の治療を受けられますか?】
顎変形症の治療は、どの歯科医院でもできるわけではありません。当院は顎変形症の治療に特化しており、手術室を完備している数少ない民間クリニックです。
顎変形症を治療するには、最新の設備が整った環境と、高い技術を持つ医師が不可欠となります。
Q2【手術で矯正治療を行う仕組みを教えてください】
手術による矯正治療(外科的矯正治療)とは、骨格の異常を手術で調整し、噛み合わせの改善を目指すものです。骨格のズレや骨の位置に問題がある場合、通常の矯正治療を行っても噛み合わせは改善されません。
通常の矯正が「歯並びの改善」を目的とするなら、手術による矯正は「骨格の改善」を目的としています。
外科的矯正治療の詳細については「5.顎変形症における「外科的矯正治療」とは」をご覧ください。
Q3【矯正治療だけで顎変形症を治すのは無理ですか?】
症状の度合いによっては、通常の矯正治療のみでも改善は可能です。ただし、症状の原因が骨格の異常である場合は、外科的矯正治療が必要です。
とはいえ、患者様のご要望によっては、通常の矯正治療のみで治療するケースもあります。患者様がどこまでの変化を望まれているかによって、治療計画も大きく変わってきます。
Q4【入院期間はどのくらいですか?】
ミライズクリニックの場合、術後から24時間で帰宅可能です。術後24時間は院内で患者様の管理を行い、その後72時間は遠隔対応を行っております。
一般的な入院期間は10日〜3週間といわれているため、入院期間の短さに喜ばれる患者様も多くいらっしゃいます。ミライズクリニックの入院期間が短い理由は、以下の通りです。
当院が術後24時間で帰宅可能な理由
- ・手術時間の平均時間が「4時間半ほど」と短いこと
- ・手術による出血量が少ないこと
- ・綿密な血圧管理を行っていること
- ・緊急時を想定して近隣の総合病院と連携していること
結果として、ダウンタイムや治療期間の短縮にもつながります。
Q5【治療から完治までどれくらいかかりますか?】
患者様の症状や治療方法によっても異なりますが、矯正期間を含めると平均で2〜3年が一般的です。しかし、近年では、「術後の早期社会復帰」や「治療期間の短縮」を希望される患者様も多くいらっしゃいます。
患者様のご要望にお応えするため、手術と術後矯正のみで治療するサージェリーファーストアプローチ(SF)をご提案する場合もございます。
詳しくは「7-5.手術後に矯正治療を行う「サージェリーファーストアプローチ(SF)」」をご覧ください。
Q6【顎変形症の治療に伴う手術のリスクはありますか?】
外科的矯正治療を行う際のリスクは以下の通りです。
外科的矯正治療のリスク
- ・顔に麻痺や腫れが出るリスク
- ・顎関節症を引き起こすリスク
- ・進行性下顎頭吸収(PCR)を引き起こすリスク
特に、顎関節症・進行性下顎頭吸収(PCR)については、発症の可能性を考慮しながら治療計画を進めていきます。
詳しくは「9.顎変形症の治療で生じるリスク・デメリットについて」をご覧ください。
Q7【術前矯正治療の期間と手術のタイミングを教えてください】
術前矯正治療は月に一度の通院が必要となり、矯正期間の目安は1~2年前後です。術前矯正治療が完了したタイミングで、手術に向けた再検査・診断を行います。
検査・診断の結果によって、手術の可否や手術日を決定します。詳しくは「6-2.STEP2【術前矯正治療を受ける】」をご覧ください。
Q8【術後から日常生活を送れるようになるまで、どれくらいかかりますか?】
術後は口を開けにくい状況が続きますが、約1カ月には普段の食生活を送れるようになるまで回復します。社会復帰に関していえば、術後2週間ほどで復帰が可能です。
なお、運動やスポーツに関しては、術後2〜3カ月ほどは間隔をあける必要があります。術後の回復状況によっても変わりますので、上記の目安はあくまでも参考程度です。
Q9【術後の機能訓練(リハビリ)は必要ですか?】
ミライズクリニックでは、噛み合わせを安定させるためにも、機能訓練(リハビリ)は必要であると考えます。手術によって口内環境が一変したり、筋肉が元の場所に戻ろうとしたりするためです。
噛み合わせの問題によって舌の動かし方に癖がある場合、口腔筋機能療法(トレーニング)を行うケースもあります。リハビリやトレーニングは、術後矯正治療と並行して行うのが一般的です。
詳しくは「6-6.STEP6【術後矯正治療を受ける】」をご覧ください。
Q10【医療機関によって治療費に違いはありますか?】
治療費は「保険が適用できるかどうか」で大きく変わってきます。顎変形症の治療で保険が適用されるには、「外科的矯正治療(手術)が必要であること」と、「術前矯正治療を行うこと」が条件です。
なお、術前矯正治療を行わない場合、治療費は保険適用外となるので注意が必要です。
詳しくは「8.顎変形症の完治までに必要な費用について」をご覧ください。
Q11【顎変形症の治療に保険は適用されますか?】
国から「保険医療機関」と認められている病院で治療すれば、保険診療が可能です。ただし、顎変形症に関する全ての治療に適用されるわけではありません。
詳しくは「8.顎変形症の完治までに必要な費用について」をご覧ください。
Q12【術後の過ごし方を教えてください】
ミライズクリニックでは、術後24時間は院内管理を行います。口内を安定させるために顎間固定(がっかんこてい)を施し、安静の状態で過ごしていただきます。
手術から24時間が経過すれば帰宅でき、その後72時間は遠隔対応によるケアが可能です。
詳しくは「15-2.手術から約24時間後には帰宅可能」をご覧ください。
Q13【外科的矯正治療で使用する装置を教えてください】
「マルチブラケット」と呼ばれる、ワイヤーを通して装着するタイプの装置を使用します。手術中に外れるリスクを避けるため、奥歯に金属の輪(バンド)をはめこみます。
仮に外れてしまったとしても、レントゲン検査で発見可能です。術後は骨の位置を固定するために、ゴム・ワイヤーを使用することもあります。
Q14【顎変形症の治療は何歳から行えますか?】
顎変形症の治療は、あごの成長が落ち着く16〜17歳以降を推奨しています。特に下あごの場合、女性は15歳以降、男性は18歳以降が目安です。
骨格の成長段階にある時期に治療を始めると、矯正しても骨や歯がズレてしまう可能性があるためです。一方で、加齢により外科的矯正治療が行えないケースもあります。
たとえば、加齢が原因であごの骨が薄くなり、手術に耐えられないと判断した場合です。手術の直前に再検査・診察を行い、最終的な手術の可否を検討します。
Q15【自己血貯血に対応していますか?】
17-15.Q15【自己血貯血に対応していますか?】
「自己血貯血」とは、手術時の大量出血に備え、事前に採血した患者様の血液を保存しておくことです。自己血貯血に対応している歯科医院もありますが、ミライズクリニックでは対応しておりません。
理由として「手術による出血量が少ない」「緊急時を想定して総合病院との連携を行っている」などが挙げられます。
Q16【術後に鼻からの栄養摂取は可能ですか?】
ミライズクリニックでは、チューブによる鼻からの栄養摂取は行っておりません。術後24時間で帰宅可能なことと、手術直後は食事が難しい状態であるためです。
最初は液状の「経口流動食」で食事をとることを推奨しています。
詳しくは「6-5.STEP5【顎変形症手術を受ける】」をご覧ください。
18.顎変形症で悩む皆様へミライズクリニックからメッセージ
ここまで、顎変形症について解説しました。
患者様の「美しい歯並びにしたい」「顔面の骨格を整えたい」という願いは、いつの時代も普遍的なものです。しかし、どんなに美しい歯並びが手に入ったとしても、歯の機能性が失われてしまっては何の意味もありません。
ミライズクリニックは「顎変形症の治療で後悔してほしくない」という思いから、歯の「機能性」「安全性」「審美性」を常に追求し続けています。
「顎変形症で悩む人生から解放されたい」「一生ものの歯並びを手に入れたい」。そんな人にこそ、当院の治療がおすすめです。
顎変形症の早期解決は、ぜひミライズクリニックにお任せください。
監修:矯正歯科医 富田大介(当院長)
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