矯正歯科・顎変形症の用語集
GLOSSARY
気道・睡眠・口腔機能(1/3)に関する用語120語を掲載しています。用語集の全体は矯正歯科・顎変形症の用語集をご覧ください。
8020運動
80歳になっても自分の歯を20本以上保つことを目標に、1989年に当時の厚生省と日本歯科医師会が提唱した国民運動である。歯を残すことと口腔機能や生活の質との関連を重視する考え方の基礎となっている。
AASM判定マニュアル(米国睡眠医学会の判読基準)
睡眠段階や呼吸イベントをどう判定するかを定めた国際的な基準書である。施設間で検査結果を比較できるようにする目的で用いられる。
KTバランスチャート(口から食べるバランスチャート)
心身の状態・摂食嚥下機能・姿勢・食事環境など複数の項目を図示して評価する多職種向けの支援ツールである。強みと課題を可視化し、支援計画づくりに用いる。
STOP-BANG質問票
いびき・眠気・血圧・年齢などの項目から睡眠時無呼吸の可能性を簡便に見積もるスクリーニング用の質問票である。確定的な診断を行うための検査ではない。
VOTE分類
薬物睡眠下内視鏡検査で、軟口蓋・咽頭側壁・舌根・喉頭蓋のどこがどの方向に狭くなるかを記載する評価法である。
いびき
睡眠中に軟口蓋や咽頭壁などが振動して生じる音である。気道が狭くなっている手がかりの一つとされるが、それだけで病態を判断することはできない。
うなずき嚥下
頸部を軽く後屈させてからうなずくように前屈して嚥下する方法である。喉頭蓋谷に残った食塊を移動させ、嚥下を促す目的で用いられる。
きざみ食
食材を細かく刻んだ食形態である。かむ力を補える一方、口腔内でまとまりにくく咽頭に残りやすいことがあるため、とろみの付与などの配慮が必要になる場合がある。
アイスマッサージ
凍らせた綿棒などで前口蓋弓や舌根部を冷たく刺激し、嚥下反射を促すことを目的とした間接訓練である。
アクチグラフィ
腕などに装着した加速度計で体動を記録し、睡眠と覚醒のおおまかなリズムを推定する方法である。
アデノイド切除術
肥大した咽頭扁桃(アデノイド)を切除する手術である。上咽頭の通り道を広げることを目的として行われる。
アデノイド顔貌
咽頭扁桃の肥大などにより口を開けた状態が続く小児にみられるとされる顔つきの特徴を指す用語である。顔の形は多くの要因で決まるため、外見だけで原因を断定することはできない。
アレルギー性鼻炎
原因物質に対する反応でくしゃみ・鼻汁・鼻づまりが生じる鼻粘膜の炎症である。鼻から呼吸しにくくなる原因となることがあり、耳鼻咽喉科での診療が基本となる。
インスリン抵抗性
インスリンが効きにくくなり血糖が下がりにくくなる状態である。睡眠呼吸障害との関連が報告されている。
エプワース眠気尺度(ESS)
日常の8つの場面での眠気の程度を自己申告で点数化する質問票である。眠気の程度を把握する補助的な指標として用いられる。
オトガイ舌骨筋
下顎のオトガイ部から舌骨に付着する舌骨上筋群の一つである。嚥下時に舌骨を前上方へ引き上げ、食道入口部の開大に関与する。
オーラルディアドコキネシス
「パ」「タ」「カ」などの音を一定時間できるだけ速く繰り返し、1秒あたりの回数から口唇や舌の動きの巧みさを評価する検査。
サブスタンスP
神経終末から放出される神経ペプチドの一つである。咽頭や喉頭の知覚を介して嚥下反射や咳嗽反射の惹起に関与すると考えられている。
サルコペニア
加齢や疾患、低栄養などにより全身の骨格筋量が減少し、筋力や身体機能が低下した状態である。握力、歩行速度、骨格筋量などの指標を組み合わせて評価され、咀嚼や嚥下の機能との関連も指摘されている。
サルコペニアの摂食嚥下障害
全身の筋肉に加えて嚥下に関わる筋の量や力が低下したことにより生じると考えられる摂食嚥下障害をいう。他の原因疾患の有無を含め、医師・歯科医師が多職種の情報を踏まえて判断する。
サーミスタ式気流センサー
呼気と吸気の温度差から気流の有無をとらえるセンサーである。無呼吸の判定に用いられる。
シェーグレン症候群
涙腺や唾液腺などの外分泌腺に慢性の炎症が生じる自己免疫疾患であり、診断と全身的な治療は医科が担う。口腔乾燥を通じてう蝕や歯周病のリスクに影響するため、歯科では口腔衛生管理に配慮する。
ジョージゲージ
下顎を前方に出した状態で咬み合わせを記録するための器具である。口腔内装置を製作する際の顎の位置決めに用いられる。
スポットポジション(スポット)
口腔筋機能療法で舌尖を置く目標として指導される、上顎前歯のやや後方にある切歯乳頭付近を指す。舌の姿勢を意識づけるための基準点として用いられる。
スポンジブラシ
柄の先端にスポンジが付いた口腔清掃用具で、粘膜や舌、口蓋の汚れを拭き取る目的で使う。歯面の清掃は歯ブラシが基本であり、補助的に併用される。
スマイルケア食
農林水産省が整理した、かむことや飲み込むことに配慮した食品の分類である。青・黄・赤のマークで対象となる状態の目安を示す。
スラープアンドスワロー
舌尖をスポットに置いたまま水をすすり、舌を突き出さずに飲み込む練習。成熟型嚥下の習得を目指す訓練の一つである。
タイトレーション
口腔内装置で下顎を前方へ出す量などを、経過をみながら段階的に調整していくことを指す。過度な前方位は顎や咬合への負担となりうる。
タングクリブ
舌が前方へ出るのを妨げる柵状の部品を備えた装置。舌の癖への対応として用いられることがあり、適応は歯科医師が判断する。
チェーン・ストークス呼吸
呼吸が徐々に大きくなった後に小さくなり、一時的に止まることを周期的に繰り返す呼吸パターンである。心不全などに伴って見られることがある。
ツーピース型口腔内装置
上顎用と下顎用の部品が分かれ、連結部で下顎を前方に保持する構造の装置である。一体型に比べて開口や調整の自由度が得られやすい。
ナルコレプシー
日中に強い眠気の発作が繰り返し起こる中枢性の過眠症である。眠気の原因が呼吸障害とは限らないため、専門医療機関での精査が行われる。
ノンレム睡眠
急速な眼球運動を伴わない睡眠で、脳波の特徴により浅い段階から深い段階まで分けられる。深い段階では上気道を支える筋の緊張や呼吸調節の状態も変化する。
ハフィング
声門を開いたまま「ハッ」と強く息を吐き出す方法である。気道内の分泌物や誤嚥した物を口の方へ移動させ、排出を促す目的で行われる。
バルーン拡張法
食道入口部が十分に開かない場合に、バルーン付きカテーテルを用いて開大を促す嚥下訓練である。侵襲を伴うため、適応の判断と実施は専門的な管理下で行う。
ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)
睡眠の質を複数の側面から評価する自己記入式の質問票である。主観的な睡眠状態の把握に用いる。
フッ化ジアンミン銀
う蝕の進行抑制を目的として塗布される薬剤である。塗布した部位が黒く変色するため、見た目への影響を説明したうえで適応を判断する。
フラビーガム(可動性顎堤)
顎堤の骨が吸収し、その上を覆う粘膜が線維性に厚く可動性を示すようになった状態である。義歯が動きやすくなるため、印象採得や設計に配慮を要する。
フリードマン分類
舌の位置と口蓋扁桃の大きさ、体格などを組み合わせて上気道の状態を段階分けする臨床分類である。治療法を検討する際の参考として用いられる。
フレイル
加齢に伴って心身の予備能力が低下し、要介護状態に移行しやすくなった状態を指す。運動・栄養・社会参加などの働きかけによって改善が期待できる可逆性をもつ段階とされる。
ブローイング訓練
ストローで水を吹いて泡立てるなど、息を細く長く吐き続ける練習。鼻咽腔閉鎖機能や呼気のコントロールを養う目的で行われる。
プッシング訓練
壁や椅子を押しながら発声する訓練である。声門閉鎖を促し、気道防御に関わる機能に働きかける目的で行われる。
ベルリン質問票
いびき、日中の眠気、高血圧や体格などを尋ね、睡眠呼吸障害の可能性を絞り込む自己記入式の質問票である。診断そのものではなく、精査が必要かを検討する材料となる。
ホワイトアウト
嚥下内視鏡検査で咽頭が強く収縮する瞬間に、画面が白くなって観察できなくなる現象である。その間の観察はできないが、咽頭収縮が起きていることの目安となる。
ボタンプル訓練
糸を付けたボタンを口唇の内側にはさみ、引っぱる力に抵抗して唇を閉じ続ける練習。口唇閉鎖力を養う目的で、指導のもとに行う。
ポッピング
舌全体を口蓋に吸い付けてから離し、音を鳴らす口腔筋機能療法の基本訓練。舌を持ち上げる感覚をつかむ目的で行われる。
ミキサー食
食材を撹拌して均質にした食形態である。まとまりや水分量の調整が重要で、必要に応じてとろみ調整食品を併用する。
ミュラー法
鼻と口を閉じた状態で吸い込む動作を行い、内視鏡で上気道のつぶれやすさを観察する手技である。狭窄部位の推定に用いられるが、覚醒している状態での所見である点に留意される。
ミールラウンド(食事観察)
歯科医師・医師・看護師・管理栄養士・言語聴覚士・介護職などが実際の食事場面を観察し、姿勢・食形態・介助方法を検討する取り組みである。観察結果は食事計画の見直しに用いられる。
モノブロック型口腔内装置
上下が一体で作られ、下顎の位置が固定される構造の口腔内装置である。構造が単純である一方、装着後に前方量を細かく調整することは難しい。
モーニングリポジショナー
装置を外した後に短時間かみ合わせて、咬み合わせの感覚を戻すことを目的とする補助的な器具である。
ユニバーサルデザインフード
日本介護食品協議会が定めた、かたさや粘度に応じて区分を表示する食品の規格である。かむ力・飲み込む力の目安とともに区分が示される。
リクライニング位
体幹を後方に傾けた姿勢で食事を行う方法で、食塊が咽頭へ流れる速さや気道との位置関係を調整する目的がある。角度の設定は評価に基づき個別に決める。
リハビリテーション栄養
リハビリテーションと栄養管理を一体で考え、機能の改善と栄養状態の改善を同時に目指す考え方である。
リベース
人工歯を残したまま義歯床の材料を新しく置き換える処置をいう。リラインより広い範囲を作り直す点が異なる。
ループゲイン
呼吸を調節する仕組みの反応の過敏さを表す指標である。反応が過剰だと呼吸が不安定になり、イベントが起こりやすくなるとされる。
レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)
夕方から夜にかけて脚に不快な感覚が生じ、動かしたくなる衝動が起こる病態である。寝つきの悪さの原因となることがある。
レム睡眠
急速眼球運動と骨格筋の緊張低下を伴う睡眠で、夢を見ることが多い時期とされる。上気道の筋緊張が下がるため、この時期に呼吸の乱れが目立つ場合がある。
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)
骨・関節・筋肉など運動器の障害によって立つ・歩くといった移動機能が低下した状態を指す。フレイルやサルコペニアと重なる部分がある概念である。
ワルダイエル咽頭輪
咽頭扁桃・耳管扁桃・口蓋扁桃・舌扁桃が輪状に配置したリンパ組織の総称である。小児期に大きくなりやすく、気道の広さに影響することがある。
一側嚥下
体幹を傾けた姿勢と頸部回旋を組み合わせ、機能が保たれている側の咽頭を食塊が通るようにする方法である。咽頭機能に左右差がある場合に検討される。
上咽頭(鼻咽腔)
鼻腔の後方に続く咽頭の最上部で、咽頭扁桃(アデノイド)が位置する領域である。ここが狭くなると鼻から吸い込んだ空気の通り道が妨げられることがある。
上気道抵抗症候群
いびきや呼吸努力の増加によって睡眠が分断されるが、無呼吸低呼吸指数は高くない病態を指す。判断には専門的な検査が必要となる。
上気道最小断面積
三次元画像で求める、上気道のうち最も狭い部位の断面積である。狭窄している場所と程度を把握する指標として参照される。
上気道虚脱性(きょだつせい)
吸い込むときの陰圧などによって上気道がつぶれやすい性質を指す。筋の緊張、軟組織の量、骨格形態などが関与すると考えられている。
上気道開大筋(じょうきどうかいだいきん)
オトガイ舌筋など、収縮することで上気道を広げる方向に働く筋の総称である。睡眠中はこれらの筋の緊張が低下し、気道が狭くなりやすい。
上気道(じょうきどう)
鼻腔から咽頭・喉頭までの、空気の通り道の上部を指す。顎顔面の形態や姿勢の影響を受けやすく、矯正歯科でも評価の対象となる。
下咽頭(かいんとう)
喉頭蓋の上縁から食道の入口までの咽頭下部を指す。舌根の後方に位置し、上気道の評価では舌根部の狭窄と併せて観察される。
下腿周囲長
ふくらはぎの最も太い部分の周囲径を測る簡易な計測で、骨格筋量を推定する指標として用いられる。特別な機器がなくても評価できる点が特徴である。
下顎前方移動量
口腔内装置で下顎をどの程度前方に保持するかという設定量である。症状や違和感を確認しながら歯科医師が調整する。
不眠症
寝つけない、途中で目が覚めるなどの症状が続き、日中の生活に支障が生じる状態である。睡眠呼吸障害と併存することがあり、区別して評価する必要がある。
不顕性誤嚥
むせなどのはっきりした症状を伴わないまま、飲食物や唾液が気道に入り込む状態。気づかれにくいため、必要に応じて検査で確認する。
両唇音
上下の口唇を合わせて作る音。パ行・バ行・マ行が該当し、口唇を閉じやすいかどうかが関係する。
中咽頭(ちゅういんとう)
軟口蓋の下端から喉頭蓋の上縁までの咽頭中央部を指す。睡眠中に狭くなりやすい部位の一つとされる。
中枢性睡眠時無呼吸
呼吸をしようとする指令そのものが一時的に止まることで生じる無呼吸である。気道の閉塞によるものとは対応の考え方が異なる。
中鼻甲介(ちゅうびこうかい)
鼻腔の外側壁から突き出す鼻甲介のうち中央に位置するもので、副鼻腔の開口部の近くにある。形態の異常や粘膜の腫れは鼻の通り方に関係することがある。
乳児型嚥下
舌を前方に突き出して飲み込む、乳児期にみられる嚥下の仕方。成長とともに成人型へ移行するとされ、残存すると前歯の位置に影響することがある。
二相式陽圧換気(BPAP)
吸気時と呼気時で異なる圧を設定する陽圧呼吸療法である。低換気を伴う場合などに選択されることがある。
交感神経活性の亢進
呼吸イベントに伴う覚醒や酸素低下によって、自律神経のうち交感神経の働きが強まる状態である。血圧の変動などに関わるとされる。
人工唾液
唾液に近い性状をもたせた噴霧剤などの製剤で、唾液分泌が著しく低下した場合に対症的に用いられる。使用の適否は疾患や服薬状況を踏まえて医師・歯科医師が判断する。
人工歯
義歯において失われた天然歯の代わりとなる部分で、レジン製や陶材製などがある。形態・大きさ・色調は、残存歯や顔貌との調和を考えて選ばれる。
介護保険制度
40歳以上が加入し、要介護認定に基づいて介護サービスを利用する社会保険制度である。歯科では、訪問診療に関連する居宅療養管理指導などが関わる。
付着性・凝集性
食品の物性を表す指標である。付着性は口腔や咽頭への貼りつきやすさ、凝集性はまとまりやすさを示し、嚥下しやすさを検討する際の目安となる。
仮性球麻痺
両側の大脳や皮質延髄路の障害によって生じる嚥下・構音の障害である。反射が保たれることが多く、球麻痺とは症状の現れ方が異なる。
会話明瞭度
話した内容が聞き手にどの程度伝わるかを段階的に評価した指標。構音の状態を把握する目安として用いられる。
低呼吸(ていこきゅう)
睡眠中に空気の流れが一定以上に減り、血中酸素の低下や覚醒を伴う現象である。無呼吸と合わせて回数が指数化される。
低栄養
エネルギーやたんぱく質などの摂取が必要量に足りず、体重減少や筋量低下などをきたした状態である。噛みにくさや飲み込みにくさが背景にある場合、歯科的な対応が検討される。
低舌圧
舌で口蓋を押しつける力が基準値を下回った状態をいい、口腔機能低下症の検査項目の一つである。舌圧測定器を用いて数値化し、食塊の送り込みや飲み込みの力の目安とする。
低酸素血症
血液中の酸素が不足した状態である。睡眠中の呼吸障害では、無呼吸や低呼吸に伴って一時的に生じることがある。
体位療法
仰向けを避けるなど睡眠時の姿勢を工夫し、気道が狭くなるのを軽減しようとする方法である。効果の程度には個人差がある。
体格指数(BMI)
体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値で、体格を表す指標である。睡眠呼吸障害の背景因子を評価する際に用いられる。
併用療法(コンビネーションセラピー)
口腔内装置と陽圧呼吸療法、寝る姿勢の工夫など、複数の方法を組み合わせて対応する考え方である。組み合わせの適否は医師・歯科医師が個別に判断する。
側方咽頭形成術
咽頭の側壁を引き寄せて気道の横方向の広がりを得ることを目的とした耳鼻咽喉科領域の手術である。
側音化構音
舌の側方から息が漏れることで、イ段やシ・チなどがゆがんで聞こえる構音の誤り。
先端巨大症
成長ホルモンの過剰により、手足や下顎、舌などが大きくなる病態である。顎顔面形態の変化を通じて気道が狭くなることがある。
先行期
目の前の食物を見て、何をどのくらい口へ運ぶかを判断する段階。認知期とも呼ばれる。
入眠潜時
床に就いてから眠りに入るまでに要した時間である。睡眠検査や睡眠日誌で評価する。
兵頭スコア
嚥下内視鏡検査の所見を、唾液貯留・声門閉鎖反射および咳反射の惹起性・嚥下反射の惹起性・咽頭クリアランスの4項目で点数化する評価基準である。所見を数値として記録できるため、経過の比較や職種間の共有に用いられる。
内舌筋(ないぜっきん)
起始も停止も舌の内部で完結する筋の総称。舌そのものの形を細かく変える働きを担う。
内視鏡下鼻・副鼻腔手術
内視鏡を用いて鼻腔から副鼻腔の病変を処置する手術である。慢性的な副鼻腔の病変に対して行われる。
前舌保持嚥下訓練(Masako法)
舌の前方部を軽く前歯で保持したまま空嚥下を行う訓練である。咽頭壁の運動を促す目的で行われ、実際の食物を用いては行わない。
副鼻腔(ふくびくう)
鼻腔の周囲にある上顎洞・篩骨洞・前頭洞・蝶形骨洞という空洞の総称である。鼻腔とつながっており、炎症が鼻の通り方に影響することがある。
努力嚥下
舌や咽頭に力を入れて強く飲み込む方法である。舌根の後方運動を強めて喉頭蓋谷の残留を減らす目的で用いられるが、効果には個人差があり、適応は評価に基づいて判断される。
動脈血ガス分析
動脈血を採取し、酸素・二酸化炭素・酸塩基平衡の状態を調べる検査である。低換気の有無の確認などに用いる。
医療・介護関連肺炎
介護施設の入所者や在宅で医療的ケアを受けている人などに発症する肺炎の分類である。誤嚥が関与する例が多く、口腔衛生管理が対策の一つとして重視される。
即時義歯
抜歯の前にあらかじめ製作しておき、抜歯した当日に装着する義歯である。歯のない期間を避ける目的で用いるが、装着後は治癒に伴う顎堤の変化に応じた調整やリラインが必要になる。
反復唾液嚥下テスト(RSST)
30秒間に唾液を何回飲み込めるかを数える簡便なスクリーニング検査。喉頭の動きを指で触れて確認しながら行う。
口唇閉鎖力
唇を閉じる力の強さで、専用の測定器で数値として記録できる。口腔機能を評価する項目の一つである。
口腔アセスメントツール(OHAT)
口唇・舌・歯肉と粘膜・唾液・残存歯・義歯・口腔清掃・歯痛の各項目を3段階で評価する口腔の状態確認票である。歯科専門職以外の職種でも共通の視点で記録できるよう作られている。
口腔ケア
歯・粘膜・義歯の清掃と、口腔機能への働きかけを合わせて行うケアである。口腔内の細菌を減らすことは、誤嚥性肺炎の予防を目的とした管理の一部として重視される。
口腔・咽頭吸引
口腔や咽頭にたまった唾液・分泌物を吸引器で取り除く処置である。誤嚥のリスクを下げる目的で、必要に応じて食事の前後などに行われる。
口腔健康管理
口腔の健康を保つための取り組み全体を指す用語で、清掃を中心とする口腔衛生管理と、機能の維持向上を図る口腔機能管理を包含する。歯科専門職による関与と、本人・介護者によるケアの両方が含まれる。
口腔内装置(OA:oral appliance)
睡眠時の呼吸障害に対して口の中に装着する装置の総称で、歯科で製作される。効果の程度には個人差があり、保険で行う場合は医科の診断と依頼に基づいて用いられる。
口腔周囲筋
口唇・頬・舌など口の周りにある筋の総称。歯列は内側の舌と外側の口唇・頬から受ける力の釣り合いの中に位置すると考えられている。
口腔期
作られた食塊を舌の動きで咽頭へ送り込む段階。舌と口蓋の接触が重要な役割を果たす。
口腔清掃自立度判定基準(BDR指標)
歯みがき(Brushing)、義歯の着脱(Denture wearing)、洗口(mouth Rinsing)の3つについて、自立・一部介助・全介助の程度を判定する指標である。介助の必要量を把握し、支援方法を決める際に用いる。
口腔湿潤剤
ジェル状や液状の口腔用保湿製品で、口腔乾燥に対する対症的なケアとして用いられる。使用感や実感には個人差があり、原因への対応と併せて検討する。
口腔習癖
指しゃぶり、舌の突出、口呼吸など、口の周囲で繰り返される癖の総称。持続すると歯列や咬み合わせに影響することがある。
口腔衛生状態不良
口腔機能低下症の検査項目の一つで、舌の表面を区分して舌苔の付着程度を評価するものである。清掃状態が保てているかを客観的に確認する指標として用いられる。
口腔衛生管理
歯科医師・歯科衛生士が計画的に行う口腔清掃と、その評価・指導を指す。歯・粘膜・舌・義歯に付着した細菌や汚れを減らすことを目的とする。
