矯正歯科・顎変形症の用語集
GLOSSARY
気道・睡眠・口腔機能(3/3)に関する用語91語を掲載しています。用語集の全体は矯正歯科・顎変形症の用語集をご覧ください。
神経筋疾患
筋や神経の障害により筋力が低下する疾患の総称である。呼吸筋や上気道の筋にも影響し、睡眠中の低換気を来すことがある。
窒息
食物などにより気道が塞がれ、呼吸ができなくなる緊急事態である。速やかな異物除去と救急対応が必要となる。
第二象牙質
歯の形成が完了した後に、象牙芽細胞が生涯にわたり少しずつ付加していく象牙質をいう。加齢とともに増加し、歯髄腔が狭くなる要因となる。
管理栄養士
栄養状態の評価と食事計画を担う国家資格者である。嚥下調整食の形態調整や必要栄養量の設計で、摂食嚥下チームの重要な役割を担う。
簡易懸濁法
錠剤やカプセルを温湯で崩壊・懸濁させてから投与する方法である。経管栄養中や内服が難しい場合に用いられ、薬剤ごとの可否は薬剤師に確認する。
簡易栄養状態評価表(MNA-SF)
高齢者の栄養状態を短時間で把握するためのスクリーニング票である。食事量の変化、体重減少、移動能力、BMIなどから栄養状態のリスクを段階的に評価する。
簡易睡眠検査
自宅で装着できる携帯型の装置により、気流や酸素飽和度などを記録する検査である。結果によっては終夜睡眠ポリグラフ検査が追加される。
粘膜下下鼻甲介骨切除術
下鼻甲介の粘膜を残したまま内部の骨を取り除き、鼻腔の空間を確保する手術である。鼻づまりに対する治療の一つとして行われる。
経口栄養補助(ONS)
通常の食事に加えて、少量で栄養を補える飲料やゼリーなどを用いる方法である。食事量が確保しにくい場合に、管理栄養士らと相談して選択される。
経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)
内視鏡を用いて腹壁から胃へ栄養投与用の瘻孔を作る手技である。長期の経管栄養が見込まれる場合に検討され、経口摂取の訓練と併用されることもある。
経皮的二酸化炭素分圧モニタリング
皮膚を通して血液中の二酸化炭素の値を連続的に推定する方法である。睡眠中の低換気の評価に用いられる。
経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)
指先などにセンサーを装着して測る、血液中で酸素と結合しているヘモグロビンの割合である。睡眠中や周術期の呼吸状態の把握に用いられる。
経管栄養
鼻から、あるいは胃瘻・腸瘻を通したチューブから栄養剤を投与する方法である。導入や中止の判断は、本人・家族の意思を含め医療チームで検討される。
経腸栄養
消化管を用いて栄養を投与する方法の総称である。経口摂取が難しい場合に、経鼻胃管や胃瘻などを介して行われる。
経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)
鼻マスクなどから空気を送り込んで気道に圧をかけ、睡眠中の気道の閉塞を防ぐことを目的とした治療法である。適応の判断と管理は医師が行う。
経鼻胃管
鼻から胃へ挿入する栄養用のチューブである。比較的短期間の栄養投与に用いられるが、留置により咽頭の違和感や嚥下運動への影響が生じることがある。
義歯性口内炎
義歯が接する粘膜に生じる炎症で、清掃不良や義歯の不適合、カンジダなど微生物の関与が背景となる。義歯の清掃指導と調整、必要に応じた薬物療法が行われる。
義歯洗浄剤
義歯に付着した細菌や着色を化学的に除去するための製剤である。ブラシによる機械的な清掃と併用することが基本とされる。
聖隷式嚥下質問紙
摂食嚥下障害の疑いを把握するために用いられる自記式の質問紙である。むせや食事内容の変化などを尋ね、詳しい検査が必要かどうかを検討する材料とする。
肥満低換気症候群
肥満に伴って起きているときにも換気が不十分となり、血液中の二酸化炭素が高くなる病態である。睡眠中の呼吸障害を合併することが多い。
肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌による感染症の発症や重症化の予防を目的とする予防接種である。高齢者は定期接種の対象となる場合があり、接種の可否は医師が判断する。
肺高血圧症
肺の血管内の圧が高くなる病態である。慢性的な低酸素状態が背景となる場合がある。
胃瘻(PEG/経皮内視鏡的胃瘻造設術)
腹壁から胃へ通した管を用いて栄養や水分を投与するための経路をいう。経口摂取を行わない場合でも唾液や細菌は存在するため、口腔ケアは継続して必要となる。
腹部突き上げ法(ハイムリック法)
窒息時に上腹部を圧迫し、気道の異物排出を試みる応急手当である。意識のある成人などに対して行われ、乳児や妊婦には別の方法が用いられる。
臨界閉塞圧(Pcrit)
上気道がつぶれ始める圧を表す指標で、気道のつぶれやすさを示す。値が高いほど閉塞しやすいとされる。
自動調圧式持続陽圧呼吸療法(オートCPAP)
気道の状態に応じて送り込む空気の圧を機器が自動で調整する陽圧呼吸療法の方式である。適応や設定は医師が判断する。
舌下神経電気刺激療法
体内に埋め込んだ装置で舌下神経を刺激し、睡眠中に舌が前方へ働くようにする治療法である。適応は限られており、専門の施設で判断される。
舌保持装置(TRD:tongue retaining device)
陰圧などで舌を前方に保持し、舌根が後方へ落ち込むのを抑えることを目的とした口腔内装置である。歯が少ない場合などに選択肢となることがある。
舌口唇運動機能低下
口腔機能低下症の検査項目の一つで、「パ」「タ」「カ」を1秒間に何回発音できるかを測り、口唇や舌の動きの巧みさを評価する。加齢や活動量の低下により回数が減ることがある。
舌圧(ぜつあつ)
舌が口蓋を押す力の強さで、測定器を用いて評価する。嚥下や構音などの口腔機能を把握する指標の一つである。
舌尖(ぜっせん)
舌の先端部分を指す。安静時や嚥下時に舌尖がどこへ触れているかは、歯列や発音の状態を評価する手がかりの一つとなる。
舌房(ぜつぼう)
歯列と口蓋に囲まれた、舌が収まる空間を指す。顎の大きさや歯列の形によって広さが変わり、舌の姿勢と関係するとされる。
舌扁桃(ぜつへんとう)
舌根の粘膜下にあるリンパ組織で、ワルダイエル咽頭輪の一部を構成する。肥大すると下咽頭付近が狭くなることがある。
舌抵抗訓練
舌で口蓋や器具を押す動作に抵抗を加えて行う訓練で、舌圧の維持・向上を目的とする。負荷量や回数は口腔機能の評価に基づいて設定する。
舌接触補助床(PAP)
口蓋部を厚く形づくった取り外し式の床装置。舌と口蓋が接触しやすくなるよう補い、飲み込みや発音の訓練と併用されることがある。
舌根沈下
仰向けの姿勢や筋の緊張低下により、舌の付け根が後方へ落ち込み、気道が狭くなる現象である。
舌根(ぜっこん)
舌の後方およそ3分の1にあたる部分で、咽頭腔の前壁を形づくる。仰向けで眠ると後方へ落ち込み、気道が狭くなる要因になりうる。
舌縮小術
大きな舌の一部を切除して容積を減らす手術である。適応は限られており、専門的な評価のもとで検討される。
舌背(ぜっぱい)
舌の上面を指す。嚥下や構音では、舌背が口蓋に接触する範囲とタイミングが評価の対象となる。
舌骨下筋群
舌骨より下方にあり、胸骨や甲状軟骨などに付着する筋群である。挙上した舌骨や喉頭を元の位置へ戻す働きを担い、舌骨上筋群と協調して喉頭の運動を調整する。
舌骨低位
頭部エックス線規格写真などで、舌骨の位置が通常より下方にある所見である。気道形態を評価する項目の一つとして参照される。
薬剤性口腔乾燥
服用している薬の作用によって唾液分泌が減少し、口腔乾燥が生じている状態をいう。自己判断で薬を中止せず、処方医と歯科で情報を共有しながら対応を検討する。
薬剤性嚥下障害
薬剤の影響として口腔乾燥・傾眠・筋緊張の変化などが生じ、嚥下機能が低下した状態である。関与が疑われる場合は自己判断せず、処方した医師と連携して検討する。
薬物睡眠下内視鏡検査(DISE)
薬で眠った状態をつくり、内視鏡で上気道のどの部位が狭くなるかを観察する検査である。耳鼻咽喉科で行われ、治療方針を検討する材料となる。
複数回嚥下
一口の食物や水分に対して意識的に複数回飲み込む方法で、咽頭に残った食塊を減らす目的で行う。適応は嚥下機能の評価に基づいて判断する。
要介護認定
介護保険サービスの利用にあたり、必要とされる介護の程度を市区町村が判定する手続きである。認定区分に応じて、利用できるサービスや支給限度額が定まる。
覚醒反応(アローザル)
睡眠中に脳波の上で一時的に浅い睡眠や覚醒へ移行する反応である。本人が自覚しないことも多く、睡眠の質の低下に関わる。
覚醒維持検査(MWT)
静かな環境で眠らずに起きていられるかを測る検査である。眠気に対する治療の効果を確認する際などに用いられる。
覚醒閾値
呼吸の乱れなどの刺激に対して、どの程度で目が覚めるかという境目を指す。低いとわずかな刺激で目覚め、睡眠が安定しにくい。
言語聴覚士(ST)
話す・聞く・食べるといった機能の評価と訓練を担う国家資格の専門職。歯科医師と連携し、構音や嚥下の課題に対応する。
訪問歯科診療
通院が困難な人の自宅や施設に歯科医師・歯科衛生士が出向いて行う歯科診療である。対象や範囲には制度上の要件があり、事前の相談と調整が必要となる。
認知症
後天的な脳の障害により記憶や判断などの認知機能が持続的に低下し、日常生活に支障をきたした状態をいう。進行に伴い、口腔清掃や義歯の管理に支援が必要となることがある。
調節式口腔内装置
上下が分かれており、下顎の前方位置を段階的に変えられる構造の口腔内装置である。装着感や経過をみながら調整しやすい。
調音法(構音方法)
音を作るときの息の妨げ方のこと。破裂・摩擦・鼻音などに分類される。
調音点(構音点)
音を作るときに舌や口唇が接近・接触する位置のこと。両唇・歯茎・口蓋などに分類される。
起床時頭痛
朝の目覚めとともに感じる頭痛である。睡眠中の呼吸障害に伴って生じることがあるが、原因は他にも多く鑑別が必要である。
軟口蓋挙上装置(PLP)
床装置の後方に伸ばした部分で軟口蓋を持ち上げ、鼻咽腔閉鎖を補助する装置。言語聴覚士による訓練と組み合わせて用いられることがある。
軟口蓋長
側面頭部エックス線規格写真などで計測する軟口蓋の前後的な長さである。上気道の形態を評価する項目の一つとして参照される。
軟口蓋音
舌の後方部を軟口蓋に接触させて作る音。カ行・ガ行が該当する。
輪状咽頭筋切断術
食道入口部の開大不全に対して輪状咽頭筋を切離する手術である。適応は嚥下造影検査などの評価をふまえて医師が判断する。
適応補助換気(ASV)
その人の呼吸パターンに合わせて補助の量を自動的に変える陽圧呼吸療法である。中枢性の呼吸の乱れに対して用いられることがあり、適応の可否は医師が判断する。
酸素飽和度低下指数(ODI)
睡眠1時間あたりに血中の酸素飽和度が一定以上低下した回数を示す指標である。簡易的な睡眠検査でも算出される。
金属床義歯
義歯床の一部をコバルトクロム合金やチタンなどの金属で作製した床義歯である。薄く仕上げやすく熱が伝わりやすい一方、適応や取り扱いは口腔の状態により異なる。
開鼻声(かいびせい)
話すときに声が過剰に鼻へ抜けて聞こえる状態。鼻咽腔閉鎖機能の状態と関係する。
間接訓練
食物を用いずに行う嚥下訓練。口唇や舌の運動、発声、呼吸の練習などが含まれ、基礎訓練とも呼ばれる。
間欠的低酸素
呼吸イベントのたびに血中の酸素が低下し再び回復することを、一晩に何度も繰り返す状態である。全身への負担につながると考えられている。
間欠的口腔食道経管栄養法(OE法)
食事のたびに口からチューブを食道まで挿入して栄養を注入し、終了後に抜去する方法である。チューブを留置しないため、嚥下訓練と両立しやすい。
音響鼻腔計測法
音波の反射を利用して鼻腔の断面積や容積を測定する検査である。鼻腔の形態を体への負担が少ない方法で把握できる。
頸囲
首まわりの周径のことである。上気道周囲の軟組織量の目安として、睡眠呼吸障害の評価項目に含まれることがある。
頸部前屈位
顎を軽く引いた姿勢のこと。咽頭と気道の位置関係が変わるため、飲み込みの練習で用いられることがある。
頸部回旋
頭部を左右いずれかに回した姿勢で飲み込む方法で、通過しにくい側を避けて食塊を誘導する目的で用いる。どちらに回すかは嚥下造影検査などの結果をもとに決める。
顎変形症
上あご・下あごの大きさや位置の不調和が大きく、咬合や顔貌、咀嚼・発音などの機能に影響が及んでいる状態。外科的矯正治療の適応となる場合がある。
顎義歯(がくぎし)
顎骨や口腔の軟組織に欠損がある場合に、欠損部を補いながら咀嚼・発音・嚥下の機能回復を図る可撤性(取り外し式)の補綴装置である。口腔と鼻腔・上顎洞が交通している場合は、その遮断も目的となる。
食事介助
姿勢の調整、一口量やペースへの配慮、声かけなどを行いながら食事を支援することである。介助の方法は嚥下機能の評価をふまえて計画される。
食塊形成
咀嚼した食物を唾液と混ぜ、まとまりのある塊にすること。舌・頬・口蓋が協調して働く必要がある。
食道入口部開大
嚥下時に輪状咽頭筋が弛緩し、喉頭が前上方へ移動することで食道の入口が広がる現象である。開大の程度や持続時間が不足すると咽頭に食塊が残りやすくなる。
食道内圧測定
細いカテーテルで食道内の圧変化を測り、呼吸努力の強さを直接的に評価する検査である。気道の抵抗上昇の把握に用いられる。
食道期
食道の蠕動運動によって食塊が胃へ運ばれる段階。随意的に制御できない過程である。
高炭酸ガス血症
血液中の二酸化炭素が増えた状態である。換気が不十分な場合に生じ、全身麻酔後の呼吸管理でも注意される。
鼻中隔矯正術
曲がった鼻中隔の軟骨や骨を整え、鼻腔の通り方の改善を目的とする手術である。耳鼻咽喉科で行われる。
鼻呼吸
鼻腔を通して空気を出し入れする呼吸の仕方である。吸い込む空気の加温・加湿や異物の除去に関わる。
鼻呼吸障害
鼻腔や上咽頭の狭窄・炎症などにより、鼻から十分に呼吸しにくい状態を指す。原因の診断と治療は耳鼻咽喉科と連携して進める。
鼻咽腔内視鏡検査
細い内視鏡を鼻から挿入し、鼻腔から咽頭・喉頭までを直接観察する検査である。アデノイドや扁桃の状態、鼻腔の通り具合の確認に用いられる。
鼻咽腔構音
鼻咽腔を狭めた状態で音を作る構音の誤り。鼻に抜けたような響きになる。
鼻咽腔閉鎖不全
鼻咽腔閉鎖機能が十分に働かない状態。声が鼻に抜けたり、飲食物が鼻へ逆流したりすることがある。
鼻咽腔閉鎖機能
発音や嚥下の際に、鼻腔と咽頭の間が適切に閉じる働き。口蓋裂の治療などで重要な評価項目となる。
鼻圧センサー
鼻の前で気流による圧の変化をとらえ、呼吸の気流を評価するセンサーである。低呼吸の判定などに用いられる。
鼻弁(びべん)
鼻腔の入口付近にある最も狭い部分で、鼻の通気抵抗の大部分が生じる領域とされる。上顎の手術で鼻の形が変化する際にも注意される部位である。
鼻腔通気度検査
鼻を通る空気の流量と圧力差から鼻の通りにくさ(鼻腔抵抗)を測る検査である。耳鼻咽喉科で行われ、鼻呼吸の状態を客観的に評価する。
鼻茸(はなたけ・鼻ポリープ)
鼻腔や副鼻腔の粘膜が炎症により腫れて突出したものである。大きくなると鼻の通りを妨げることがある。
鼻音
軟口蓋を下げ、息を鼻へ通して作る音。日本語ではマ行・ナ行などが該当する。
