矯正歯科・顎変形症の用語集
GLOSSARY
解剖・発生・生理(1/2)に関する用語120語を掲載しています。用語集の全体は矯正歯科・顎変形症の用語集をご覧ください。
22q11.2欠失症候群
22番染色体の一部が欠失することで生じる症候群で、心血管の異常、免疫や内分泌の問題に加え、口蓋裂や鼻咽腔閉鎖不全を伴うことがある。
EAT-10(イート・テン)
摂食嚥下障害の可能性を10項目の質問で点数化する自記式の質問紙である。簡便なスクリーニングとして広く用いられている。
うま味
グルタミン酸やイノシン酸などによって生じる基本味の一つである。日本で見いだされた概念で、国際的にも「umami」の語が用いられている。
とろみ調整食品
飲み物や汁物に加えて粘度を高めるための食品である。液体が流れる速さを緩やかにし、飲み込みやすさを調整する目的で用いられる。
アペール症候群(尖頭合指症)
頭蓋縫合早期癒合と手足の合指(趾)を特徴とする症候群である。中顔面低形成、高口蓋、著しい叢生を伴うことがある。
エナメル器
歯胚の上皮性の部分で、エナメル芽細胞に分化してエナメル質をつくるもとになる。
エナメル芽細胞
エナメル質を形成する細胞である。歯冠の形成期に全身的・局所的な影響を受けると、エナメル質形成不全につながることがある。
オーラルフレイル
滑舌の低下、食べこぼし、わずかなむせなど、口の機能のささいな衰えが積み重なる状態を指す概念である。全身の虚弱との関連が指摘されている。
ガミースマイル
笑ったときに上の歯ぐきが大きく露出する状態。上あごの垂直的過成長や口唇の動きなど、複数の要因がある。
ガムテスト
味のないガムを一定時間噛み、その間に分泌された唾液量を測定する検査である。刺激を加えたときの唾液分泌能をみる。
クルーゾン症候群
頭蓋縫合の早期癒合に、中顔面の低形成や眼球突出を伴う遺伝性の症候群である。上顎の劣成長により反対咬合を示すことがある。
ゴールデンハー症候群(眼耳脊椎異形成症)
顔面の非対称、外耳の異常、眼球類皮腫、脊椎の異常などを伴う先天性の症候群である。顎骨の左右差から矯正歯科・口腔外科的な管理が行われることがある。
サイレントピリオド(無音期)
噛みしめている最中に歯や顎へ刺激が加わると、咀嚼筋の筋電図活動が一時的に途切れる現象をいう。閉口筋が反射的に抑制されることを反映する。
サクソンテスト
一定時間ガーゼを噛み、しみ込んだ唾液の重量から分泌量を調べる検査である。口腔乾燥の程度を把握する目的で用いられる。
シークエンス(発生連鎖)
一つの初発異常が引き金となって、連鎖的に複数の形態異常が生じる状態を指す発生学の用語である。小下顎から舌の後退、口蓋裂へと連なるロバンシークエンスが代表例である。
スティックラー症候群
結合組織に関わる遺伝性疾患で、近視や難聴、関節症状に加え、小下顎や口蓋裂を伴うことがある。
ステージⅡトランスポート
プロセスモデルにおいて、咀嚼途中の食塊が舌によって舌背を通り中咽頭へ運ばれる過程をいう。嚥下反射が起こる前から食塊の一部が咽頭に到達している点が特徴である。
テシエ分類
顔面裂の位置を眼窩と口を基準に番号で示す分類である。手術計画や記録の共通言語として用いられる。
トリーチャー・コリンズ症候群(下顎顔面異骨症)
第一・第二鰓弓に由来する組織の形成不全により、頬骨や下顎の低形成、外耳の異常などを示す先天性の症候群である。気道や咬合の状態に応じて多職種で管理される。
ハーフリンガル
上顎は舌側、下顎は唇側など、上下で装置の位置を変える方法。
ピエール・ロバン症候群(ロバンシークエンス)
小下顎により舌が後方に位置し、気道が狭くなりやすい状態に口蓋裂を伴うことが多い先天的な連鎖である。乳児期は呼吸と哺乳の管理が重視される。
ファン・デル・ウォーデ症候群
下唇の瘻孔(小さなくぼみ)と口唇口蓋裂を特徴とする遺伝性の症候群である。同じ家系内でも症状の程度に差がみられる。
フードテスト(FT)
少量のプリンやゼリーなどを食べてもらい、嚥下の様子や口腔内の食物残留を観察するスクリーニング検査である。
ヘルトヴィッヒ上皮鞘
エナメル器の縁が根尖方向へ伸びた上皮性の鞘で、歯根の形と長さを決める役割をもつ。
ベックウィズ・ヴィーデマン症候群
巨舌、腹壁の異常、過成長などを特徴とする先天性の症候群である。舌の大きさが咬合や発音、気道に影響することがある。
マラッセの上皮遺残
ヘルトヴィッヒ上皮鞘が断裂して歯根膜内に残った上皮細胞の小さな集まりである。通常は問題を起こさないが、炎症などを契機に歯根嚢胞の発生に関与することがある。
ムチン
唾液に含まれる粘り気のある糖タンパク質である。粘膜表面を覆って保護するとともに、食塊をまとめて滑らかに移送するのを助ける。
メッケル軟骨
第一鰓弓に現れる棒状の軟骨で、下顎骨が膜内骨化で形成される際の足場となる。大部分は退縮し、一部は耳小骨や靱帯として残る。
メンデルソン手技
嚥下時に喉頭が挙上した状態を数秒間保つ訓練法である。食道入口部が開いている時間を延ばすことを目的として行われる。
レトロネーザル嗅覚
口に入れた食物のにおいが咽頭を通って鼻へ抜け、後方から感じられる嗅覚をいう。味覚と組み合わさって「風味」を作り出す。
一口量(ひとくちりょう)
一度に口へ取り込む食物の量をいう。一口量が多すぎると食塊形成や送り込みが難しくなるため、摂食嚥下の評価や食事指導で確認される項目の一つである。
一次口蓋
内側鼻突起に由来し、切歯孔より前方の上顎前歯部と口蓋前方部にあたる部分である。
一次軟骨・二次軟骨
一次軟骨は胎生期に早く現れて骨格の原型となる軟骨で、頭蓋底の軟骨結合などが該当する。二次軟骨は骨化が始まった後に生じる軟骨で、下顎頭軟骨が代表であり、機能的な環境の影響を受けやすいとされる。
三叉神経
第5脳神経で、眼神経・上顎神経・下顎神経の3枝に分かれる。顔面の広い範囲の感覚と、咀嚼に関わる筋の運動を担う。
三叉神経中脳路核
咀嚼筋の筋紡錘や歯根膜からの感覚情報を受け取る脳幹の神経核である。噛む力の調節や下顎の位置感覚に関与する。
上顎神経
三叉神経の第2枝で、上顎の歯や歯肉、頬・鼻・上唇の感覚を伝える。
上顎突起
第一鰓弓から左右に生じる突起で、上顎骨・頬部・上唇の外側部・二次口蓋の形成に関わる。
上顎結節
上顎骨の最後方にある膨らみで、上顎大臼歯のさらに後ろに位置する。歯の後方移動や上顎の手術を計画する際に位置関係を確認する。
上食道括約筋(食道入口部)
食道の入り口にある輪状の高圧帯で、輪状咽頭筋を主体とし、通常は閉じて空気の流入や逆流を防いでいる。嚥下時にこの筋が弛緩し、喉頭挙上とあわせて入口部が開いて食塊を食道へ通す。
下歯槽神経・下顎管
下歯槽神経は下顎骨内の下顎管を通り、下の歯や下唇・オトガイ部の感覚を伝える神経である。下顎の骨切りや親知らずの処置では、CBCT(歯科用コーンビームCT)などで走行と位置関係を確認する。
下顎孔(かがくこう)
下顎枝の内側面にある穴で、下歯槽神経と血管が下顎管へ入る入口である。下顎枝の骨切り線を設計する際の目印となる。
下顎小舌(リングラ)
下顎骨の内側面にある舌状の骨の高まりで、下顎孔の前縁にあたる。下顎枝の骨切りを行う際の解剖学的な目印となる。
下顎張反射(かがくちょうはんしゃ)
下顎を急に下方へ引いた際、咀嚼筋の筋紡錘が伸展を感知して閉口筋が収縮する反射をいう。神経系の働きを確認する診査で用いられることがある。
下顎神経
三叉神経の第3枝で、下顎の歯や歯肉、下唇や舌前方の感覚を伝えるほか、咀嚼に関わる筋の運動も担う。
下顎突起
第一鰓弓から生じ、左右が正中で癒合して下顎と下唇を形づくる突起である。
下顎窩
側頭骨にあるくぼみで、下顎の関節部を受け入れる顎関節の上側の構成体である。
下顎頭形成不全
下顎頭の発育が不十分な状態である。片側性では下顎の偏位や顔面の非対称、両側性では下顎の後退を伴うことがある。
下鼻甲介
鼻腔の外側壁から突き出すひだ状の構造で、吸い込んだ空気の加温と加湿に関わる。腫れると鼻の通りに影響することがある。
二分口蓋垂
口蓋垂が正中で二つに分かれている状態である。粘膜下口蓋裂を伴うことがあるため、確認と判断は歯科医師・医師が行う。
二次口蓋
左右の口蓋突起が癒合してできる、切歯孔より後方の硬口蓋と軟口蓋にあたる部分である。
二点識別閾(にてんしきべついき)
皮膚や粘膜上の二点を別々の点として区別できる最小の距離をいう。舌尖や口唇では小さく、下顎の手術後にオトガイ部や下唇の感覚を評価する際にも用いられる。
交互嚥下
固形物とゼリーや水分など、性状の異なる食品を交互に飲み込む手技である。咽頭に残った食物の除去を図る目的で行われる。
人中(じんちゅう)
上唇中央にある縦の溝で、左右の内側鼻突起が癒合して形づくられる。口唇裂の手術計画では、この部の形態や左右の対称性が観察点の一つとされる。
侵入-誤嚥スケール(PAS)
嚥下造影検査などで、喉頭侵入や誤嚥の深さと喀出の有無を段階的に評価する国際的な尺度である。所見を共通の言葉で共有する目的で用いられる。
侵害受容器
組織を傷つけるような刺激を感知し、痛みの信号を送る感覚受容器である。歯髄・歯根膜・顎関節・咀嚼筋などに分布している。
側頭筋
側頭部から筋突起に付く扇状の筋で、下顎を引き上げ、後方へ引く働きをもつ。
側頸嚢胞
鰓溝や咽頭嚢の遺残に由来すると考えられる、頸部側方にできる先天性の嚢胞である。感染をきっかけに腫れて気づかれることがある。
催奇形因子(テラトゲン)
胎児の器官形成に影響し、形態異常の要因となりうる薬剤・感染・化学物質などの総称である。妊娠中の服薬や検査については自己判断せず、医師・薬剤師に相談することが望ましい。
内側翼突筋
翼状突起の内側から下顎の後下方内面に付く筋で、下顎を引き上げる。手術後の開口のしやすさにも関わる筋である。
内側鼻突起
鼻窩の内側にできる膨らみで、鼻尖・鼻中隔・人中・上唇の正中部・一次口蓋(切歯部)を形づくる。上顎突起との癒合が妨げられると口唇裂の要因になるとされる。
冠状縫合
前頭骨と頭頂骨の間にある縫合である。早期に癒合すると前頭部や眼窩の形態、中顔面の成長に影響することがある。
切歯管(鼻口蓋管)
上顎の正中で前歯の後方にあり、硬口蓋を貫く管である。鼻口蓋神経と血管が通るため、上顎前歯部の骨切りや装置の設計時に位置を確認する。
刺激唾液
咀嚼や味の刺激によって分泌が増加した唾液をいう。耳下腺由来のさらさらした唾液の割合が高まり、食塊形成や口腔清掃に関わる。
前頭鼻突起
口窩の上方にある突起で、前額部・鼻背・鼻中隔・一次口蓋などのもとになる。
半側顔面肥大症
顔面の片側が反対側より大きく発育する状態である。歯の大きさや萌出の時期に左右差がみられることもある。
口窩(こうか/原始口腔)
胎生早期に顔面の中央にできるくぼみで、将来の口腔となる部分である。この周囲の顔面突起が成長し癒合することで顔の形が定まっていく。
口腔内圧
口の中に生じる圧力のことである。舌と口蓋の接触や口唇の閉鎖によって陰圧・陽圧が作られ、食塊の移送や吸啜、嚥下に関与する。
口腔前庭
口唇・頬と歯列との間の空間で、歯列より内側は固有口腔と呼ばれる。装置が当たる部位でもあり、粘膜の状態を定期的に確認する。
口腔機能低下症
咀嚼・嚥下・舌運動・唾液分泌など複数の口腔機能がわずかずつ低下した状態を指す疾患概念である。定められた複数の検査結果をもとに歯科医師が診断する。
口腔水分計
舌背や頬粘膜に当てて粘膜表層の水分量を測定する機器である。口腔乾燥の程度を数値として把握する目的で用いられる。
口腔立体認知
口の中に入れた物の形を、見ないで舌や粘膜の感覚だけで識別する能力をいう。口腔感覚の鋭敏さを調べる評価法として用いられる。
口腔筋機能療法(MFT)
舌や口唇などの筋機能を訓練し、咬み合わせの安定に寄与させる療法。
口蓋垂
軟口蓋の後端中央から垂れ下がる小さな突起で、いわゆる「のどちんこ」にあたる。軟口蓋とともに嚥下や発音に関与する。
口蓋扁桃
口の奥の左右にあるリンパ組織で、一般に「扁桃腺」と呼ばれる。大きさによって咽頭の空間に影響することがあり、必要に応じて耳鼻咽喉科と連携して評価する。
口蓋突起
上顎突起の内側面から伸びる棚状の突起で、胎生期に舌の上方へ挙上し正中で癒合して二次口蓋となる。この癒合が妨げられることが口蓋裂の成り立ちに関わるとされる。
口輪筋
口の周囲を輪状に取り囲む筋で、口を閉じたりすぼめたりする動きをつくる。前歯の位置と口唇の閉じやすさに関係する。
味細胞
味蕾を構成し、味物質と結合して電気信号を生じる細胞である。一定の周期で新しく入れ替わり、亜鉛などの栄養状態や薬剤の影響を受けることがある。
味蕾(みらい)
舌・軟口蓋・咽頭などの粘膜にある、味を感じ取る小さな器官である。内部の味細胞が味物質を受け取り、その情報を神経へ伝える。
味覚閾値
何らかの味を感じ取れる最小濃度(検知閾)や、味の種類まで判別できる最小濃度(認知閾)をいう。加齢・薬剤・口腔乾燥などによって変化することがある。
呼吸・嚥下協調
嚥下と呼吸のタイミングの関係をいう。健常では嚥下の前後が呼気となることが多く、この協調が乱れると誤嚥のリスクが高まると考えられている。
咀嚼パターン
咀嚼時の下顎運動の型のことで、上下運動が主体のチョッピングタイプと、すりつぶしを伴うグラインディングタイプに大別される。不正咬合や顎変形症では特徴的なパターンを示すことがあり、機能評価の参考にされる。
咀嚼周期(そしゃくしゅうき)
食物を噛むときに繰り返される下顎の一往復の運動サイクルをいう。開口相・閉口相・咬合相に分けられ、食品の硬さや咬合状態によってリズムや経路が変化する。
咀嚼嚥下のプロセスモデル
固形物を食べる際に、咀嚼しながら食塊の一部を順次咽頭へ送り込むことを説明した考え方である。液体を対象とした段階的なモデルでは説明しきれない、実際の食事中の動きを表す。
咬合感覚閾値
上下の歯の間に挟んだ薄い物体の厚さを識別できる最小値をいう。歯根膜感覚の鋭敏さを示す指標で、歯根膜のない口腔インプラントでは天然歯と値が異なるとされる。
咬合接触面積
上下の歯が噛み合ったときに接触している面積のことである。感圧フィルムなどで測定し、咬合力の分布とあわせて咀嚼機能の把握や外科的矯正治療前後の経過観察に用いられる。
咬断(こうだん)
前歯で食物を噛み切る動作をいう。咀嚼の最初の段階で食物を適当な大きさに切り分ける役割をもち、前歯部開咬などでは行いにくくなることがある。
咬筋
頬骨弓から下顎の後下方外側面に付く筋で、下顎を引き上げる。発達の程度は下顎周囲の輪郭と関係することがある。
咳嗽反射(がいそうはんしゃ)
気道に異物が入った際に反射的に咳が出る防御反応である。この反射が弱いと、むせずに誤嚥する不顕性誤嚥につながることがある。
咽頭
鼻腔・口腔の後方から食道と喉頭へ続く管状の部分で、上咽頭・中咽頭・下咽頭に分けられる。呼吸と嚥下の共通の通り道となる。
咽頭嚢
鰓弓の内側にできる内胚葉性のくぼみで、中耳腔・口蓋扁桃・胸腺・上皮小体などのもとになる。
咽頭扁桃(アデノイド)
上咽頭の天井付近にあるリンパ組織で、小児期に相対的に大きい傾向がある。鼻の通りやすさに関わることがあり、大きさや影響には個人差がある。
咽頭通過時間
食塊が咽頭に入ってから食道へ送り出されるまでの時間をいう。嚥下造影検査で計測される定量的な指標の一つである。
唾液アミラーゼ
唾液に含まれるデンプン分解酵素で、主に耳下腺から分泌される。口の中で炭水化物の消化を開始する働きをもつ。
唾液分泌反射
味・におい・咀嚼などの刺激が自律神経を介して唾液腺に伝わり、分泌が促される反射である。副交感神経は水分の多い唾液、交感神経は粘り気の強い唾液の分泌に関与する。
喉頭侵入
食物や液体が喉頭内に入るが、声帯を越えて気管までは入らない状態をいう。誤嚥と区別して評価される。
器官形成期
胎生期のうち各器官の原基が形づくられる時期で、おおむね受精後3〜8週頃にあたる。顔面や口蓋の形成もこの時期に進むため、外的な影響を受けやすい時期とされる。
嚥下中枢
延髄にあり、嚥下に関わる多数の筋を決まった順序で働かせる神経の集まりである。末梢からの感覚入力を受けて嚥下反射を起こす。
嚥下性無呼吸
飲み込む瞬間に呼吸が一時的に停止する生理的な現象である。気道への流入を防ぐ仕組みの一つとされる。
嚥下惹起遅延
食塊が咽頭に達しても嚥下反射がすぐに起こらない状態をいう。嚥下造影検査や嚥下内視鏡検査で確認される所見の一つである。
嚥下閾値(えんげいきち)
咀嚼した食物を「飲み込める」と判断する時点のことをいう。粒子の細かさや唾液との混ざり具合など、複数の感覚情報をもとに決まると考えられている。
基本味
甘味・塩味・酸味・苦味・うま味の五つを指す、味覚の基本要素である。辛味や渋味は味覚とは別の感覚経路によって生じるとされる。
声門閉鎖
嚥下の瞬間に声帯が閉じて気道の入口をふさぐ動きをいう。喉頭挙上や喉頭蓋の反転とともに気道防御に関わる。
外側翼突筋
翼状突起などから下顎の関節部付近に付く筋で、下顎を前方や側方へ動かす。顎関節の滑走運動に関与する。
外側舌隆起
第一鰓弓の内側に生じる一対の膨らみで、癒合して舌の前方部(舌体)のもとになる。
外側鼻突起
鼻窩の外側にできる膨らみで、鼻翼などを形づくる。上顎突起との癒合が不十分な場合、斜顔裂と関連することがある。
外斜線
下顎骨の外側面を斜めに走る骨の隆起で、下顎枝の前縁から大臼歯部へ続く。手術時の切開や骨切りの目印となる。
外科的矯正治療
矯正治療と顎矯正手術を組み合わせて、骨格的な不調和を改善する治療。診断により保険適用となる場合がある。
外胚葉性間葉(がいはいようせいかんよう)
神経堤細胞に由来する間葉組織で、中胚葉由来の間葉と区別して呼ばれる。顎骨や歯の硬組織の形成に関わる。
孤束核(こそくかく)
延髄にあり、味覚や咽頭・喉頭からの感覚情報が集まる神経核である。嚥下反射の情報を中継する役割をもつ。
安静時唾液
特別な刺激を与えていない状態で分泌される唾液である。主に顎下腺に由来し、粘膜の保護や口腔内の洗い流しに関わる。
小下顎症・下顎後退症
下顎骨の大きさが小さい状態を小下顎症、下顎が後方に位置する状態を下顎後退症といい、両者が併存することもある。前歯の突出感や顎の輪郭に影響し、気道の狭さと関連する場合もある。
小口症
口裂が通常より小さい先天的な状態である。開口量や食事、口腔清掃に影響することがある。
小唾液腺
口唇・頬・口蓋・舌などの粘膜内に多数存在する小さな唾液腺である。粘り気のある唾液を持続的に分泌し、粘膜の潤いを保つ。
小耳症
耳介の発生が不十分で耳が小さい状態である。第一・第二鰓弓の発生障害と関連し、顔面の非対称を伴うことがある。
常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)
対になる遺伝子の両方に変化があるときに形質が現れる遺伝形式である。両親がともに保因者である場合に生じうる。
常染色体顕性遺伝(優性遺伝)
対になる遺伝子の一方に変化があるだけで形質が現れる遺伝形式である。世代を続けて家族内にみられることが多い。
帽状期
歯胚が帽子状にくぼみ、エナメル器・歯乳頭・歯小嚢の区別ができ始める時期である。
息こらえ嚥下
息を止めた状態で飲み込み、その直後に咳をする手技である。嚥下時の気道防御を高める目的で、歯科医師や言語聴覚士などの指導のもとに行われる。
摂食嚥下能力グレード
経口摂取の状況をもとに摂食嚥下の能力を段階的に示す評価尺度である。多職種で状態を共有したり、経過を記録したりする際に用いられる。
改訂水飲みテスト(MWST)
少量の冷水を飲み込んでもらい、嚥下の有無・むせ・声の変化などを観察するスクリーニング検査である。詳細な検査の必要性を判断する参考とする。
