矯正歯科・顎変形症の用語集
GLOSSARY
固定式装置・材料に関する用語120語を掲載しています。用語集の全体は矯正歯科・顎変形症の用語集をご覧ください。
PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)
耐熱性と強度を備えた高機能樹脂。金属に代わる材料として、装置や医療機器への応用が検討されている。
ろう着
母材より融点の低い合金(ろう)を溶かして金属どうしを接合する方法。矯正装置の部品接合に用いられる。
アタッチメント
マウスピース型矯正装置で歯に力を効率的に伝えるため、歯面に付与する小さな突起。
アルジネート印象材
海藻由来の成分を主体とし、水と練和して用いる弾性印象材。取り扱いやすい一方、乾燥や吸水で変形しやすいため速やかに石膏を注ぐ必要がある。
アンギュレーション
歯の近遠心方向(前後方向)の傾きを表す用語で、第2オーダーとも呼ばれる。プリアジャステッド型のブラケットにはあらかじめ設定されている。
インダイレクトボンディング法(間接法)
模型やデジタルデータ上で決めた位置にブラケットを配置し、専用のトレーを介して口の中へまとめて移す方法である。装着位置の再現性を高める目的で行われる。
エッジワイズ法(エッジワイズほう)
角型の溝(スロット)をもつブラケットと角線を組み合わせ、歯を三次元的に動かす固定式矯正の代表的な方法である。現在のマルチブラケット治療の基本となる考え方となっている。
エナメル質酸処理(エッチング)
ブラケットを接着する前に、リン酸などの酸性の材料で歯の表面を短時間処理し、微細な凹凸をつくる操作である。接着材のなじみを高める目的で行う。
オトガイ帽装置(チンキャップ)
オトガイ部を覆うカップと頭部のバンドにより、下顎に後上方の力を加える顎外装置である。成長期に下顎の成長方向へ働きかける目的で用いられることがあるが、反応には個人差がある。
オーダーベンド
アーチワイヤーに加える屈曲の分類で、頬舌方向の第1、近遠心方向の第2、歯軸のねじれに関わる第3オーダーに分けられる。既製の角度が組み込まれた装置でも、仕上げの微調整で用いられる。
ガルバニー腐食
種類の異なる金属が唾液を介して接触した際に微小な電流が生じ、一方の金属の腐食が進む現象。装置に用いる金属の組み合わせに配慮する理由の一つである。
クリンパブルフック
アーチワイヤーの任意の位置に器具で圧着して取り付けるフックである。ゴムやスプリングを掛ける位置を自由に設定できる。
クワドヘリックス
4つのループ(ヘリックス)をもつ上顎用の固定式拡大装置である。歯列の幅の調整や臼歯の回転の改善に用いられる。
グラスアイオノマーセメント
ガラス粉末と酸性の液を練和して硬化するセメント。歯質と化学的に結合し、フッ化物を放出する性質をもつ。
コバルトクロム合金ワイヤー
コバルトとクロムを主成分とする矯正用ワイヤーである。屈曲しやすく、熱処理によって硬さを変えられる特性をもつ。
コンバーチブルチューブ
ふた(キャップ)を外すと筒状からブラケット状の構造に変えられるチューブである。治療段階に応じてワイヤーの着脱のしかたを変えられる。
コンポジットレジン
レジンの基材に無機質のフィラーを混ぜ合わせた歯科用材料。修復処置のほか、矯正装置の接着や形態の修正にも用いられる。
サンドブラスト処理
微細なアルミナ粒子などを圧縮空気で吹き付け、表面に細かな凹凸を作る処理。金属やレジン表面の接着前処理として用いられる。
シランカップリング材
セラミックなどケイ素を含む材料とレジンとを化学的に結びつける表面処理材。セラミック製装置の接着や口腔内での修理に用いられる。
シリコーンゴム印象材
シリコーンを主成分とする弾性印象材。寸法安定性が高く、精密な模型を要する場面で用いられる。
ジルコニア
二酸化ジルコニウムを主成分とするセラミック材料。強度が高く、補綴物や一部の歯科部品に用いられる。
スポット溶接
電極で挟んだ金属に電流を流し、その発熱で点状に接合する方法。バンドへの部品固定などに用いられる。
セクショナルアーチ
歯列の一部分にだけ装着する短いアーチワイヤーである。特定の歯だけを動かしたい場面や、外科的矯正治療の各段階で用いられる。
セパレーティング(歯間分離)
バンドを入れる隙間をつくるため、歯と歯の間に小さなゴムやワイヤーを数日間入れておく処置である。一時的に圧迫感や違和感を伴うことがある。
セラミックブラケット
セラミック材料でつくられた、歯の色に近いブラケットである。金属製と比べて目立ちにくい一方、厚みや強度、摩擦の特性が異なる。
セルフエッチングプライマー
歯面の酸処理と下地処理を一つの材料で同時に行う接着システム。操作の工程数を減らせる特徴がある。
ダイレクトボンディング法(直接法)
口の中で歯面に直接ブラケットを接着する方法である。位置を確認しながら装着でき、途中での付け替えにも対応しやすい。
ティップバックベンド
臼歯部のワイヤーに加える屈曲の一つである。臼歯の歯冠を後方へ起こす方向の力と、前歯部を沈み込ませる方向の力を同時に生じさせる。
ディスタルジェット装置
口蓋側に設置したチューブとスプリングを用いて上顎大臼歯を後方へ動かす固定式装置である。移動後はそのまま保持装置として使える設計のものもある。
ディボンディング
治療終了時にブラケットや残った接着材を歯面から取り除く操作である。エナメル質への影響に配慮しながら段階的に行う。
デュアルキュア型材料
光照射による重合と、化学反応による重合の両方で硬化する材料。光が届きにくい部位でも重合が進むよう設計されている。
ナンスのホールディングアーチ
上顎の左右の大臼歯を連結したワイヤーに、口蓋前方のレジン床を付けた固定式装置である。臼歯が前方へ移動するのを抑える目的で用いる。
ニッケルフリー材料
ニッケルを含まない、または含有量を抑えて設計された歯科材料。ニッケルに対するアレルギーが疑われる場合の選択肢として検討される。
バイヘリックス
2つのループをもつ下顎用の固定式拡大装置である。下の歯列の幅の調整に用いられる。
バッカルチューブ(頬面管)
主に大臼歯の頬側に取り付ける筒状の装置で、アーチワイヤーの末端を保持する。バンドに溶接する型と、歯面に直接接着する型がある。
フィラー
レジンに混ぜ込まれる無機質の微粒子。強度や耐摩耗性、寸法安定性を高める役割を担う。
フッ素徐放性
材料からフッ化物イオンが少しずつ放出される性質。装置周囲の脱灰の抑制を期待して材料が選択されることがある。
プライマー
歯面や材料表面をなじみやすい状態に整え、接着材が濡れ広がるようにするための下地材。接着システムの一構成要素である。
プリアジャステッドエッジワイズブラケット(ストレートワイヤーブラケット)
歯ごとに必要な角度や厚みをあらかじめブラケット側に組み込んだ装置である。ワイヤーへの屈曲を減らせるが、実際には個々の歯並びに応じた微調整を要することが多い。
ヘッドギアチューブ
臼歯バンドに付属する、顎外装置の内側弓を差し込むためのやや太いチューブである。アーチワイヤー用のチューブとは別に設けられる。
ペンデュラム装置
口蓋にレジン床を置き、そこから伸びるスプリングで上顎大臼歯を後方へ動かす固定式装置である。固定式のため、装着時間に左右されにくい。
ボンディング材
歯面と修復材料や矯正装置とをつなぐ役割を担う、流動性のあるレジン。下地処理の後に塗布し、重合させて用いる。
ポストキュア(二次硬化)
造形直後の樹脂を洗浄したのち、光や熱を加えて硬化を完了させる後処理である。硬化が不十分だと強度や生体への影響に関わるため、材料ごとに定められた条件で行う。
マウスピース型矯正装置(アライナー)
取り外し可能な透明の装置を段階的に交換して歯を移動させる方法。適応は症状により異なる。
マルチストランドワイヤー(撚線)
細いワイヤーを複数撚り合わせてつくったアーチワイヤーである。同じ太さの単線より柔らかく、治療初期や固定式の保定装置に用いられる。
マルチブラケット装置
歯の一本ずつにブラケットを装着し、ワイヤーで連結して歯を移動させる装置。
マルチループアーチワイヤー(MEAW、多数のループを組み込んだ矯正用ワイヤー)
アーチワイヤーに連続したループを組み込み、歯ごとに個別の力を加えやすくした装置である。開咬や臼歯の傾斜への対応などで用いられる。
ミリング加工
樹脂やセラミックのブロックを機械で削り出して形を作る加工法。材料を積み上げる造形方式とは原理が異なる。
メタルブラケット
ステンレススチールなどの金属でつくられたブラケットである。強度が高く薄くつくれるため、幅広い症例で用いられる。
ユーティリティアーチ
前歯部と大臼歯部だけをつなぎ、その間を歯から離して走らせるアーチワイヤーである。前歯の圧下や前後的な位置の調整に用いられる。
ラウンドワイヤー(丸線)
断面が円形のアーチワイヤーである。スロットの中で回転しやすく、歯の傾きの細かな制御には限界がある。
リップバンパー
下顎の臼歯バンドに装着し、口唇からの圧力が前歯部に直接及ばないようにする固定式装置である。唇の力の配分を変えることで臼歯の位置や歯列弓の形態の管理に用いられる。
リバースカーブワイヤー
スピーの彎曲と逆向きの曲線を与えたアーチワイヤーである。前歯を沈める方向と臼歯を引き出す方向の力が生じるため、咬み合わせの深さの調整に用いられる。
リンガルボタン
歯の裏側などに接着する小さなボタン状の装置である。ゴムを掛けて力を加えるための起点として用いる。
レクタンギュラーワイヤー(角線)
断面が長方形のアーチワイヤーである。スロットと面で接するため、歯根の位置を含めた三次元的な制御に用いられる。
レジンタグ
表面処理したエナメル質や象牙質の微細な空隙に入り込んで硬化した、突起状のレジン。機械的嵌合による接着を担う構造である。
レジン添加型グラスアイオノマーセメント
グラスアイオノマーセメントにレジン成分を加え、強度と操作性を改良した材料。矯正用バンドの装着などに用いられる。
レーザー溶接
レーザー光の熱で金属を局所的に溶融させて接合する方法。熱の影響が及ぶ範囲が狭く、細かい部位の接合に用いられる。
ロストワックス法
ワックスで作った原型を埋没材で包み、加熱してワックスを焼失させ、残った空洞に溶融金属を流し込む鋳造法。
ロードデフレクションレート(荷重-たわみ率)
ワイヤーを一定量たわませたときに生じる力の変化の度合いを表す指標である。この値が小さいほど、持続的で緩やかな力が得られるとされる。
ワックスアップ
ワックスを用いて、模型上に装置や歯冠の形態を立体的に築成する技工操作。製作に先立って形態や設計を確認する目的でも行われる。
上顎急速拡大装置(RME、上顎骨の急速拡大装置)
上あごの左右の骨を、正中口蓋縫合を境として比較的短期間で押し広げることを目的とした固定式装置である。適応や実施時期は、骨の成熟度などをふまえて歯科医師が判断する。
不動態被膜
チタンやステンレススチールの表面に自然に生じる、ごく薄い酸化物の膜。内部の金属を腐食から守る役割を担う。
作業模型
装置の製作や調整を実際に行うための模型。診断用の模型とは別に、必要な精度で製作される。
個人トレー
患者ごとの歯列形態に合わせて製作する印象用トレー。印象材の厚みを均一にし、印象の精度を高める目的で用いられる。
光照射器
光重合型材料を硬化させるための可視光線を照射する器材。多くはLEDを光源とし、出力や照射時間の管理が必要である。
光造形法(SLA)
液状の光硬化性樹脂にレーザー光を照射して一層ずつ硬化させ、立体を作る造形方式である。歯科用の模型やガイドの製作に用いられる。
光重合
可視光線を照射して材料中の成分を反応させ、硬化させる方式。硬化を始めるタイミングを術者が調節しやすい。
加工硬化
金属を曲げたり延ばしたりすることで硬さが増し、同時に粘り強さが低下する現象。同じ箇所を何度も屈曲したワイヤーが折れやすくなる原因となる。
単回使用医療機器
一回の使用で廃棄することを前提に製造された器材。再滅菌して繰り返し用いることは想定されていない。
印象体の消毒
採得した印象を薬液などで処理し、付着した微生物を減らす操作。診療室から技工室への感染の広がりを防ぐために行う。
印象採得
歯や歯ぐきの形を印象材で写し取る操作。模型の作製や装置製作の出発点となる。
咬合器
上下顎の模型を装着し、顎の開閉や側方への運動を再現する器械。模型上での咬合の分析、術式の検討、装置や補綴物の製作に用いられる。
咬合採得
上下の歯の咬み合わせの位置関係を記録する操作。模型を咬合器に付着させる際や、手術用装置の製作に必要となる。
固定源の喪失(アンカレッジロス)
支えとした歯が想定以上に動いてしまい、計画した歯の移動量が得られにくくなる状態である。装置の設計や使用状況が影響する。
外科的上顎急速拡大術(SARPE/サーピー)
骨化が進んだ正中口蓋縫合部などを外科的に離開させたうえで、拡大装置により上顎の横幅を広げる方法である。骨の成長が終了した年代で上顎の幅が狭い場合に検討されることがある。
常温重合レジン
粉と液を混ぜることで室温でも重合が進むアクリル系レジン。床装置やリテーナーの製作・修理に用いられる。
弾性係数(ヤング率)
材料のたわみにくさを表す指標である。同じ太さでも弾性係数が高いワイヤーほど、同じたわみで生じる力が大きくなる。
形状記憶合金(けいじょうきおくごうきん)
一定の温度になると元の形に戻ろうとする性質をもつ合金である。矯正では、変形した状態から復元しようとする力を歯の移動に利用する。
感染性廃棄物
血液などが付着し、感染のおそれがある医療廃棄物。法令に基づき専用容器で分別・保管し、許可を受けた業者が処理する。
拡大装置
歯列の幅を広げるために用いる装置。骨の縫合部の状態や年齢により適応が異なる。
接着強さ
接着した二つの材料を引き剥がすのに要する力を接着面積で割った値。試験方法により、せん断接着強さや引張接着強さなどに分けられる。
標準予防策
すべての患者の血液や体液などを感染の可能性があるものとして扱い、手指衛生や個人防護具の使用を徹底する感染対策の考え方。
樹脂含浸層
象牙質の表層でコラーゲン線維の間にレジンが浸透し一体化した層。ハイブリッド層とも呼ばれ、象牙質接着の要となる。
機械的嵌合
材料が微細な凹凸の中に入り込んだ状態で固まることによって生じる、はまり込みによる保持力。酸処理したエナメル質にレジンが入り込む現象が代表例である。
歯科技工士
歯科医師の指示に基づき、矯正装置や補綴物などの製作・修理を行う国家資格をもつ専門職。
歯科技工指示書
歯科医師が歯科技工士に対し、装置の設計・材料・製作上の条件を伝える書面。歯科技工士法により作成と一定期間の保存が定められている。
歯科接着
歯質と材料、あるいは材料どうしを化学的・機械的に一体化させる技術の総称。矯正装置の装着や修復処置の基礎となる。
歯科用石膏
硫酸カルシウムを主成分とする模型用材料。用途に応じて普通石膏・硬石膏・超硬石膏が使い分けられる。
消毒
病原性のある微生物を減らし、感染の可能性を下げる処理。すべての微生物を対象とする滅菌とは到達水準が異なる。
滅菌
対象物に存在する微生物を、すべて除去または死滅させる処理。口腔内に用いる器具に対して行われる。
滅菌インジケータ
滅菌工程が適切に行われたかを確認するための指標。色の変化で判定する化学的インジケータと、細菌芽胞を用いる生物学的インジケータがある。
滅菌パック
滅菌した器具を使用時まで無菌性を保った状態で保管するための包装材。開封までの保管条件も管理される。
焼きなまし(アニーリング)
金属を加熱して加工硬化による内部のひずみを取り除き、軟らかく扱いやすい状態に戻す熱処理。技工操作で屈曲しやすくする目的などに用いられる。
生体適合性
材料が生体組織や体液に接したときに、為害作用が少なく組織と調和する性質。口腔内で長期間使用する矯正装置や骨接合材に求められる基本的な要件とされる。
疲労破壊
小さな力の繰り返しによって材料の内部に微細な傷が蓄積し、最終的に破断する現象。咬合力や屈曲が繰り返し加わるワイヤーやプレートで問題となることがある。
相反的固定(レシプロカルアンカレッジ)
2つの歯または歯群が互いに引き合い、双方が同程度に動くことを前提とした固定の考え方である。片側だけを動かしたい場合には別の設計が必要となる。
矯正用プライヤー
ワイヤーの屈曲や切断、装置の着脱などに用いる矯正治療専用の器具。目的別に多くの種類がある。
矯正用接着材(ボンディング材)
ブラケットやチューブを歯面に固定するための歯科用の接着材である。治療終了時に除去できることを前提に選択される。
研磨
装置や修復物の表面を粗いものから細かいものへ段階的に仕上げ、滑らかにする操作。汚れの付着や粘膜への刺激を減らす目的がある。
硬化膨張
石膏や埋没材が硬化する際にわずかに体積が増加する現象。模型や鋳造体の寸法精度に影響する。
簡易防湿
ロールワッテや排唾管などを用いて、処置部位に唾液が触れないようにする操作。接着操作の成否に関わる基本的な手技である。
純チタン
他の金属の添加をほとんど行っていないチタン。軽く耐食性が高いため、骨接合材や一部の歯科材料に用いられる。
絶対的固定源(ぜったいてきこていげん)
力を受けても位置が変わらないことを想定した固定源の考え方である。実際には完全に不動ではないため、骨に支えを求める方法などでこれに近づける。
緩徐拡大装置(かんじょかくだいそうち)
弱い力を長い期間かけて少しずつ歯列の幅を広げる装置の総称である。1回あたりの拡大量は急速拡大より小さい。
縫合糸
手術で切開した組織を寄せ合わせて固定するための糸。素材や太さは部位や目的に応じて選択される。
耐食性
材料が唾液など湿潤した環境で腐食しにくい性質。口腔内に長期間置かれる金属材料に求められる基本的な性質である。
臼歯バンド(モラーバンド)
大臼歯を取り囲むように装着する金属の輪である。チューブや拡大装置などを確実に固定したい場合に用いる。
超弾性
一定の範囲でたわませても力の大きさが大きく変わらず、元の形へ戻ろうとする金属の性質である。弱い力を持続させたい場面で利用される。
超音波洗浄
洗浄液中で超音波の振動を利用し、器具に付着した汚れを落とす方法。滅菌の前段階として重要な工程である。
酸化エチレンガス滅菌(EOG滅菌)
酸化エチレンガスを用いる低温での滅菌法。熱に弱い器材に用いられるが、処理後にガスを除去する工程が必要である。
酸素阻害層
レジン表面が空気中の酸素の影響を受けて硬化しきらずに残る、ごく薄い未重合の層。次に築盛するレジンとの接着には役立つが、そのままでは汚れが付着しやすい。
重合収縮
レジンが硬化する過程でわずかに体積が減少する現象。接着界面にひずみを生じさせる要因となる。
金属イオン溶出
金属材料の表面から微量の金属成分が唾液中へ溶け出す現象。溶出の程度は材料や口腔内環境によって異なり、材料選択の際の検討事項となる。
開窓牽引(かいそうけんいん)
埋もれた歯の上にある歯肉や骨を一部取り除いて装置を接着し、固定式装置から少しずつ牽引して歯列に導く処置である。牽引に要する期間は歯の位置や向きによって異なる。
降伏強さ
材料に力を加えていったとき、力を除いても元に戻らない変形(永久変形)が始まる境目の強さ。矯正用ワイヤーではこの値が大きいほど、力を受けても永久変形が生じにくいとされる。
顎内固定(がくないこてい)
同じ顎の中にある歯や装置を支えとして力をかける固定の方法である。上下の顎の間で力をやり取りする方法と区別して用いられる。
骨固定式上顎急速拡大装置(MARPE、アンカースクリュー併用型の上顎拡大装置)
矯正用アンカースクリューを併用し、歯ではなく骨を主な支えとして上あごの幅を広げる装置である。骨の成熟度などにより、効果の現れ方には個人差がある。
骨蝋
骨の切離面からにじむ出血を物理的に抑える目的で用いる、ワックス状の材料。顎骨の手術で使用されることがある。
高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)
飽和水蒸気を高温・高圧の状態にして微生物を死滅させる滅菌法。歯科用器具で広く用いられる。
