矯正歯科・顎変形症の用語集
GLOSSARY
デジタル矯正・研究・歴史(2/3)に関する用語120語を掲載しています。用語集の全体は矯正歯科・顎変形症の用語集をご覧ください。
フィデューシャルマーカー(基準マーカー)
画像データと実際の患者の位置を対応づけるために用いる、目印となる基準点である。マーカーの位置がずれると表示される位置にも誤差が生じる。
フィニッシング/ディテーリング
治療の終盤に、咬み合わせや個々の歯の位置を細かく仕上げる段階のことである。歯の傾きや隣接する歯との接触関係など、細部を整える作業を含む。
フォトグラメトリ(写真測量法)
複数の方向から撮影した写真の見え方の差を計算し、対象の三次元形状を復元する技術である。顔貌や口腔内の形態記録への応用が進められている。
フォレストプロット
各研究の効果の推定値と信頼区間を横棒で並べ、統合した結果とあわせて一枚の図に示したものである。システマティックレビューで用いられる。
フラックス
ろう付けや溶接の際に金属表面の酸化膜を取り除き、溶けた金属が広がりやすくする薬剤である。
フーゴ・オブウェゲザー(Hugo Obwegeser)
20世紀中期に活動した口腔外科医で、口の中からの切開による下顎枝の骨切り術や上顎骨の可動化を体系化した。顎矯正手術の発展に寄与した人物として知られる。
ブランド・アルトマン分析(Bland-Altman分析)
二つの測定方法で得た値の差を、両者の平均値に対して図示し、一致の程度とずれの傾向を評価する方法である。従来の計測とデジタル計測の比較などで用いられる。
ブルース・N・エプカー(Bruce N. Epker)
顎矯正手術の術式と治療計画を体系的にまとめ、筋の付着への配慮を含む改良を提案した米国の口腔外科医である。
プラセボ
有効成分を含まない見た目の同じ薬や、効果をもたない模擬的な処置のことである。治療そのものによる変化と、治療を受けたという期待による変化を区別するために用いる。
プログラム医療機器(SaMD)
単体のソフトウェアでありながら、疾病の診断や治療などを目的とするため医療機器として規制される製品である。診断を行わず計算や可視化のみを担うソフトは、これに該当しない場合がある。
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)
頭部に装着して眼前に映像を表示する装置で、ARやVRの表示に用いられる。装着時の負担や視野の制限が課題となる。
ヘルシンキ宣言
人を対象とする医学研究の倫理原則を示した国際的な宣言。参加者の権利と安全を最優先とする考え方を示している。
ヘルベルト・ホーフラート(Herbert Hofrath)
ブロードベントとほぼ同時期にドイツで、規格化された頭部エックス線撮影法を報告した研究者である。両者の報告により、この方法が国際的に広まった。
ベイカー固定(Baker anchorage)
19世紀末に報告された、上下の歯列にゴムを掛け合って互いを固定源として利用する方法である。現在広く用いられている上下顎間のゴム牽引の原型とされる。
ホールドアウェイ分析(Holdaway analysis)
上唇・鼻・オトガイの位置関係から側貌の軟組織を評価する分析法である。硬組織中心の分析を補う目的で提案された。
ボクセル
三次元画像を構成する立方体状の最小単位で、平面画像の画素(ピクセル)に相当する。ボクセルが小さいほど細かい構造を描出しやすいが、撮影条件や被ばくとの兼ね合いを考慮する。
ボリュームレンダリング
三次元データ全体の濃淡情報を用いて、立体的な画像として画面上に描き出す表示方法である。骨や軟組織の立体的な位置関係の把握に用いられる。
ポアソン比
材料を引っ張ったときの、伸びる方向のひずみと縮む方向のひずみの比である。有限要素法などの応力解析の計算に用いられる。
ポリゴンメッシュ
三次元形状を三角形などの多数の面(ポリゴン)の集まりとして表したデータ構造である。面の数が多いほど形状は細かく表現されるが、データ量は大きくなる。
マッチング
比較する群の間で年齢や性別などの条件をそろえて対象を選ぶ方法である。交絡因子の影響を減らす目的で用いられる。
マテリアルジェッティング(材料噴射方式)
液状の材料を微小な液滴として吹き付け、硬化させながら積層する造形方式である。複数の材料や色を組み合わせた造形にも用いられる。
マルチレイヤージルコニア
色調や透明感を層状に変化させたジルコニア素材である。ブロックのどの位置から削り出すかによって仕上がりの色調が変わる。
マルティン・ヴァッサムンド(Martin Wassmund)
20世紀前半のドイツの外科医で、上顎骨を水平に切る術式や前歯部の骨切りについて報告した。現在の上顎骨切り術の基礎となった。
マーティン・デューイ(Martin Dewey)
アングルの門下の米国の歯科医師で、抜歯を避けて歯列弓を広げる方針を擁護した。ケースとの公開討論で知られる。
ミラーイメージ解析
顔面や顎骨の片側の形態を鏡像として反転させ、反対側と比較することで左右差の部位と程度を把握する解析である。左右いずれにも変形がある場合など、基準となる側が明確でないときは解釈に注意を要する。
ミリングブランク
切削加工機に取り付ける円盤状やブロック状の素材である。材質や寸法は機械ごとに規定されている。
ミリング(切削加工)
樹脂や金属などのブロックを回転工具で削り出し、目的の形状を作る加工方法である。材料を積み重ねて造形する方式とは工程が異なる。
メタアナリシス
複数の研究結果を統計的に統合し、全体としての傾向を推定する手法。
メッシュ編集
スキャンデータの穴埋め、ノイズ除去、表面の平滑化など、三次元データを扱いやすい状態に整える処理である。過度な加工は本来の形態を損なうおそれがある。
モデルトリマー
石膏模型の余分な部分を削り、底面や側面を整えるための回転式研削装置である。基準面を整えることが咬合器装着や模型計測の前提となる。
モデルレスワークフロー
石膏模型を介さず、デジタルデータから直接装置を設計・製作する流れである。工程が減る一方で、データの精度管理が結果に影響する。
ヨーロッパ矯正歯科学会(EOS)
1907年に設立された欧州の矯正歯科の学術団体である。欧州における研究発表と教育の場となっている。
ライトワイヤーテクニック(light wire technique)
細く弾性の高いワイヤーで弱い力を持続的に加える治療法の総称である。ベッグ法やジャラバックの方法などが含まれ、現在の弾性ワイヤーの用い方に影響を与えた。
ラティス構造
内部を格子状の骨組みにした構造である。材料量や重量を抑えつつ必要な強度を保つ目的で設計される。
ランダム化比較試験(RCT)
参加者を偶然に任せて複数の群に分け、治療法を比較する研究。背景の偏りが生じにくく、比較研究の中では確からしさが高いとされる。
リスク差
二つの群で出来事が起こる割合の差として効果の大きさを表した指標である。比で示す場合よりも、実際にどの程度の人に差が生じるかを把握しやすい。
リスク比(相対危険度)
ある要因をもつ群ともたない群で、出来事が起こる割合を比として表した指標である。値が1に近いほど両群の差が小さいと解釈する。
リバースエンジニアリング
実物を計測して3次元データ化し、設計に利用する手法である。既存の装置の複製や修理の検討に用いられる。
リヒャルト・トラウナー(Richard Trauner)
20世紀中期のオーストリアの口腔外科医で、口の中からの切開で下顎枝を骨切りする術式をオブウェゲザーとともに報告した。
リボンアーチ装置(ribbon arch appliance)
アングルが考案した、薄く平たいワイヤーを歯面側の溝に納める装置である。歯冠の傾斜移動には適するが歯根の制御が難しく、後の角型ワイヤーを用いる方法の開発につながった。
リライン
義歯の粘膜に接する面に新しい材料を裏装し、顎堤の変化に合わせて適合の回復を図る処置である。義歯の緩みや痛みへの対応として行われることがある。
レイモンド・C・ベッグ(Raymond C. Begg)
20世紀中期にオーストラリアで活動した歯科医師で、弱い力による歯の移動を重視した治療法を確立した。咬耗の進んだ歯列の観察から治療理論を組み立てた。
レジストリ研究
特定の疾患や治療について、あらかじめ定めた項目を継続的に登録した記録をもとに行う研究である。日常診療に近い状況での経過を把握しやすい。
レジン填入
石膏の型の中にレジン材料を詰める操作である。適切な時期と圧力で行わないと、気泡や寸法のずれ、咬合の狂いにつながる。
ロジスティック回帰分析
起こる・起こらないの二択で表される結果について、複数の要因の影響をオッズ比として推定する統計手法である。
ロバート・M・リケッツ(Robert M. Ricketts)
20世紀後半の米国の歯科医師で、側面頭部エックス線規格写真による分析や成長の予測、独自の治療体系を提唱した。
ロボティックワイヤーベンディング
設計データに従って機械がワイヤーを屈曲し、患者ごとの形状のワイヤーを製作する方法である。どのような形状にするかの設計は、歯科医師の治療方針に基づいて決められる。
ローレンス・F・アンドリュース(Lawrence F. Andrews)
20世紀後半の米国の歯科医師で、良好な咬合に共通する形態的特徴を整理し、その情報をブラケット自体に組み込む発想を示した。
ヴィゴ・アンドレセン(Viggo Andresen)
20世紀前半に北欧で活動した歯科医師で、下顎を前方に誘導する可撤式の機能的装置を考案した。ドイツ語圏の研究者と協力して理論を整えた。
ヴォルフの法則(Wolff's law)
骨は加わる力に応じてその内部構造や形を作り替えるという、19世紀末に示された考え方である。矯正力によって骨が改造される現象を理解する背景となっている。
世界矯正歯科医連盟(WFO)
1995年に発足した、各国の矯正歯科関連団体が参加する国際組織である。国際的な学術交流や教育水準の共有を目的としている。
並行群間比較試験
参加者を複数の群に分け、それぞれ異なる介入を同じ期間に並行して行い、結果を比較する試験デザインである。臨床試験で広く用いられる基本的な形式である。
中央値と四分位範囲
データを小さい順に並べたときの中央の値が中央値、中央の50%が収まる幅が四分位範囲である。分布に偏りがある場合は、平均値より実態を表しやすいことがある。
中間スプリント
上下顎の手術で、先に移動させる顎の位置を決めるために術中に用いる、咬合位を記録した装置である。歯科医師の手術計画に基づいて製作される。
主要評価項目(プライマリアウトカム)
研究で最も重視する評価項目。研究を始める前に原則として一つ定めておく。
主訴
患者本人が最も気にしている症状や希望のこと。治療目標を立てる出発点となり、診療録の最初に記録される。
予後
治療後にどのような経過をたどると見込まれるかという見通し。年齢・骨格の型・生活習慣などで変わり、個人差がある。
二ケイ酸リチウムガラスセラミックス
ガラスの中に結晶を析出させたセラミック材料である。透明感と強度の兼ね合いから、被せ物などの材料として選択されることがある。
交絡因子
調べたい要因とも結果とも関連し、見かけ上の関係を作り出してしまう第三の要因。年齢や成長の段階などが該当する。
人工歯排列
義歯の製作で、顎堤や咬合平面との関係を考えながら人工歯を並べる操作である。見た目と噛み合わせの両面を考慮して位置づける。
介入研究
研究者が治療や処置を割り当て、その影響を調べる研究。
代替評価項目(サロゲートエンドポイント)
本来知りたい結果の代わりに用いる、測定しやすい指標のことである。代替指標が改善しても、本来の結果の改善を意味するとは限らない。
仮想現実(VR)
利用者を三次元のコンピュータ空間に没入させる技術である。手技の訓練や治療内容の説明への応用が検討されている。
信頼区間
推定値のばらつきを踏まえ、真の値が含まれると考えられる範囲を幅で示したもの。95%信頼区間がよく用いられ、幅が狭いほど推定が安定している。
倫理審査委員会(IRB)
臨床研究の計画が倫理的・科学的に妥当かを、実施前に第三者の立場で審査する組織。
傾向スコア
観察研究において、ある治療を受ける確率を複数の背景要因からまとめて数値化した値である。値の近い人どうしを比較することで、背景の違いによる偏りを減らす。
光学印象
スキャナーなどの光学機器で歯や歯ぐきの形態を直接読み取り、三次元データとして記録する方法である。印象材による型取りに代わる手段の一つで、適応や併用の判断は歯科医師が行う。
公差
設計値に対して許容される寸法のずれの範囲である。工程ごとの誤差は積み重なるため、全体を通して管理する。
内的妥当性と外的妥当性
その研究の中で結論が正しく導かれているかが内的妥当性、得られた結果を他の患者や状況にも当てはめられるかが外的妥当性である。
内面適合性
補綴装置やスプリントの内面が、歯や模型の形にどの程度沿っているかを示す性質である。装着感や維持に関係する。
出版バイアス
良い結果が得られた研究ほど論文として公表されやすいために、公表された研究だけを集めると効果が大きく見えてしまう偏りである。
分割模型
支台歯の部分を取り外せるように分割した作業用の模型である。隣接面や辺縁の形態を確認しながら製作するために用いる。
分離材
石膏どうし、あるいはレジンと石膏が接着しないように塗布する薬剤である。模型や床を破損させずに取り出すために用いる。
切削工具の摩耗
使用に伴って刃先が丸くなり、削り残しや加工面の荒れが生じる現象である。工具の交換時期の管理が仕上がりに影響する。
利益相反(COI)
研究の中立性に影響しうる、企業からの資金提供などの関係。あらかじめ申告し公開することが求められる。
前向き研究/後ろ向き研究
これから起こることを計画的に追跡するのが前向き、すでにある記録をさかのぼって調べるのが後ろ向きの研究である。一般に前向きのほうが情報の欠落は少ないとされる。
副次評価項目(セカンダリアウトカム)
主要評価項目を補う位置づけの評価項目。結果の解釈は参考にとどめる。
割り付けの隠蔽
ランダム化比較試験で、次の参加者がどちらの群に入るかを事前に分からないようにしておく手続きである。割り付けへの意図的な介入を防ぎ、群間の偏りを抑える。
加熱重合レジン
加熱によって重合させるアクリル系のレジンで、義歯床などに用いられる。常温で硬化させるタイプに比べ、未反応の成分が残りにくいとされる。
効果修飾
ある要因の影響の大きさが、年齢や成長段階などの別の要因によって変わることである。交互作用ともよばれる。
効果量
群間の差や関連の大きさそのものを表す指標である。統計的な差の有無だけでなく、臨床的にどの程度意味のある差かを考える際に参照する。
医療情報システムの安全管理に関するガイドライン
厚生労働省が示す、医療機関が電子的な診療情報を扱う際の管理体制についての指針である。改定が重ねられているため、最新版を確認して運用する。
医療面接(問診)
症状・経過・生活習慣・希望などを対話で聞き取る診療の最初の段階。検査結果と合わせて診断の材料とする。
匿名加工情報
個人情報保護法上の区分で、特定の個人を識別できないように加工し、元の個人情報を復元できないようにした情報である。研究や機械学習に診療データを用いる際の取り扱いの一形態である。
匿名化
研究で扱うデータから、氏名など個人を特定できる情報を取り除く処理のこと。
半焼結ブロック
完全に焼結する前の、削りやすい状態のジルコニア素材である。切削加工した後に焼結して最終的な硬さと寸法になる。
双生児研究
一卵性双生児と二卵性双生児を比較し、ある形質に遺伝と環境がどの程度関与しているかを検討する研究手法である。顎顔面形態の研究にも用いられてきた。
口唇口蓋裂チーム医療
口唇裂・口蓋裂の治療において、形成外科・口腔外科・矯正歯科・言語聴覚・耳鼻咽喉科などが連携し、長期にわたり関わる診療体制である。20世紀後半に各国で標準的な体制となった。
口腔内スキャナー(IOS)
口の中を光学的に読み取り、歯列の三次元データを取得する装置。印象材による型取りに代わる方法として用いられる。
口腔関連QOL(OHRQoL)
口の状態が食事・会話・対人関係などの生活の質にどう影響しているかを、質問票を用いて評価する考え方。
同意説明文書
研究の目的や方法、参加に伴う負担、いつでも参加をやめられることなどを説明し、同意を得るために用いる文書。
咬合堤
基礎床の上にワックスで作る堤状の部分である。上下顎の位置関係や歯を並べる高さ・位置を記録するために用いる。
咬合指数(オクルーザルインデックス)
不正咬合の程度や治療の必要性、治療結果を数値化して比較できるようにした評価尺度の総称。
問題点リスト(プロブレムリスト)
検査で明らかになった問題を、歯の位置・骨格・軟組織・機能などに分けて列挙したもの。優先順位をつけて治療計画に反映させる。
圧迫牽引説(pressure-tension theory)
歯に力が加わると圧迫される側で骨の吸収が、引かれる側で骨の添加が起こると説明する古典的な理論である。現在も歯の移動を理解する基本的な枠組みとして参照される。
埋没材
ワックスパターンを埋め込んで鋳型を作るための耐熱性材料である。加熱時に膨張する量が、鋳造物の寸法を左右する。
基礎床
咬合採得や人工歯排列の土台として模型上に作る仮の床である。レジンやワックスで製作し、完成物の床の形を検討する段階で使う。
外れ値
他のデータから大きく離れた値のことである。測定の誤りなのか本来の変動なのかを検討したうえで、扱い方を決める。
外部検証
開発に用いた施設や機器とは別の集団のデータを用いて、モデルの性能を確かめることである。他の環境でも同様の性能が得られるかを確認する手続きである。
多変量解析
複数の要因を同時に考慮して結果との関連を検討する統計手法の総称である。交絡因子の影響を調整する目的で用いる。
多断面再構成(MPR)
CBCTなどで得た三次元データを、水平断・前頭断・矢状断など任意の断面で切り出して観察する表示方法である。断面を自由に変えて位置関係を確認できる。
多施設共同研究
複数の医療機関が共通の手順で行う研究。症例数を確保しやすく、結果を広く当てはめやすい。
多重比較
一つの研究の中で多くの項目や群を繰り返し検定すると、偶然によって差が出る確率が高まる問題である。補正の方法を用いて調整する。
学習用データセット
モデルの学習・調整・評価に用いるデータの集まりである。患者に関するデータを用いる際は、匿名化と適切な同意の取得が前提となる。
実効線量
放射線による人体への影響を全身への影響として換算した指標で、単位はシーベルト(Sv)である。撮影方法や撮影範囲によって値は異なる。
家族集積性
ある形質や疾患が、家族の中で偶然の範囲を超えて多くみられる傾向のことである。下顎前突などの骨格的特徴を検討する際に扱われる。
対応部分分析(カウンターパート分析)
エンロウが示した、上顎と下顎、頭蓋底など互いに対応する部位の大きさや位置の釣り合いから顔面形態を評価する考え方である。
対照群
比較の基準となる群。従来から行われている方法を受ける群や、経過観察のみの群などが設定される。
尤度比
ある検査結果が、病気のある人とない人でどれだけ出やすさが違うかを比で表した指標である。検査前の見立てを検査後にどの程度修正すべきかの目安となる。
層別解析
年齢や重症度などによって対象をいくつかの層に分け、層ごとに結果を検討する方法である。交絡の影響を確認する手段としても用いられる。
帰無仮説
「差がない」「関連がない」とあらかじめ置く仮説のことである。統計的検定では、この仮説のもとで観察された結果がどの程度起こりにくいかを評価する。
平均への回帰
極端な値を示した人を後日測り直すと、平均に近い値へ戻りやすいという統計上の現象である。治療による変化と取り違えないよう、対照群との比較が必要となる。
年齢調整
年齢構成が異なる集団どうしを比べられるように、統計的に年齢の影響をそろえる処理である。成長期の患者を含む研究どうしを比較する際に重要となる。
強固な内固定(リジッドフィクセーション)
骨切り後の骨片をスクリューやプレートで固定し、術後に上下の歯列を長期間固定することへの依存を減らす方法である。1980年代以降に広まり、術後管理の考え方が変わった。
患者報告アウトカム(PRO)
痛みや不便さ、日常生活での支障など、患者自身の回答から得られる評価指標。
患者適合型医療機器(カスタムメイド医療機器)
個々の患者の形態データをもとに設計・製作される医療機器の区分である。国内では医薬品医療機器等法に基づく承認・認証の枠組みが定められている。
患者適合型骨接合プレート
CTデータをもとに個々の骨の形態に合わせて設計・製作される、顎矯正手術用の固定プレートである。既製プレートを術中に屈曲する手順を減らす目的で用いられることがある。
情報バイアス
測定や記録の方法が不正確であるために生じる系統的な偏りである。計測機器の誤差や、問診での聞き取り方の違いなどが原因となる。
想起バイアス
過去の出来事を思い出して回答してもらう際に、記憶の正確さが群によって異なることで生じる偏りである。症例対照研究で問題となりやすい。
感度と特異度
感度は所見のある人を正しく検出できる割合、特異度は所見のない人を正しく除外できる割合である。どちらか一方だけでは検査やモデルの性能を評価できない。
