矯正歯科・顎変形症の用語集
GLOSSARY
小児矯正・成長発育に関する用語60語を掲載しています。用語集の全体は矯正歯科・顎変形症の用語集をご覧ください。
TSD法(テル・ショー・ドゥ法)
これから行うことを説明し(Tell)、実際に見せ(Show)、その後に行う(Do)という段階を踏む小児への対応法。理解と協力を得るための工夫の一つである。
カリエスリスク検査
う蝕のなりやすさに関わる要因を調べる検査。矯正装置の装着前後の予防計画を立てる際の参考にする。
スキャモンの発育曲線
身体の各組織の発育の進み方を一般型・神経型・リンパ型・生殖型に分けて示した曲線。顎顔面の成長時期を考えるうえでの基礎的な考え方の一つとされる。
スポーツマウスガード
運動時に装着し、歯や口の周囲の外傷の軽減を目的として用いる装置。矯正装置の装着中は形態や装着方法に配慮した対応が必要となる。
ターナー歯
乳歯の根尖部の炎症や外傷の影響で、後継永久歯のエナメル質に形成不全や変色が生じたもの。乳歯の状態が後継永久歯に影響しうることを示す所見の一つである。
ダウン症候群
21番染色体が過剰となることで生じる先天性の疾患。歯の萌出の遅れや形態の特徴、咬合の問題がみられることがあり、全身状態に配慮した歯科管理を行う。
ディスタルシュー保隙装置
第二乳臼歯を早期に失った場合に、まだ生えていない第一大臼歯の萌出位置を誘導する目的で用いる装置。歯肉の内側に伸びる部分をもつ。
バンドループ保隙装置
乳臼歯などを早期に失った際、隣の歯にバンドを装着しループで空隙を保つ固定式の装置。おおむね1歯分の空隙の保持に用いられる。
ホッツ床(顎誘導床)
口唇口蓋裂の乳児に用いられる、口蓋を覆う取り外し式の床装置。哺乳の補助や顎堤の形態の誘導を目的とする。
モイヤーズ法(混合歯列分析)
下顎前歯の幅径から、未萌出の犬歯・小臼歯の大きさを推定する混合歯列期の分析法。推定値であり誤差を伴うことを前提に用いる。
上顎骨周囲縫合
上顎骨と周囲の骨との間にある複数の縫合の総称。成長期にはここで骨が付加され、上顎全体が前下方へ移動するとされる。
下顎頭軟骨
下顎頭の表面をおおう軟骨層で、下顎骨の成長に関与する部位。周囲の機能や環境の影響を受けやすいと考えられている。
中心結節
小臼歯などの咬合面中央にみられる突起状の形態異常。破折すると歯髄に影響することがあるため、萌出後の早い時期に確認する。
乳幼児歯科健康診査
1歳6か月児健診や3歳児健診などで行われる歯科の健康診査。歯の生え方、口腔習癖、口腔清掃の状況などが確認される。
乳犬歯関係
上下の乳犬歯の前後的な咬み合わせの関係。ターミナルプレーンとともに、乳歯列期の咬合を評価する指標となる。
二態咬合
閉口の途中で下顎が前方や側方へずれ、本来の位置と咬んだ位置の二通りの下顎位がみられる状態。習慣的な咬み方と骨格的な状態を分けて評価する。
仕上げ磨き
保護者が子どものブラッシングの後に行う補助的な歯みがき。混合歯列期は磨き残しが生じやすく、装置装着中はとくに配慮が必要となる。
側方歯群交換期
乳犬歯・第一乳臼歯・第二乳臼歯が、犬歯と小臼歯に生え替わる時期。この時期に生じる余地の使われ方が、その後の歯列に影響することがある。
双生歯
一つの歯胚が分かれかけたまま発育し、歯冠が二つに割れたように見える歯。乳前歯にみられることがあり、形態と歯数の評価が必要となる。
反対咬合
咬み合わせたときに下の前歯が上の前歯より前方に位置する状態。歯の傾きによるものと骨格的な要素によるものがあり、区別して評価したうえで歯科医師が方針を判断する。
口唇形成術
口唇裂に対して唇の形態と機能を整える手術。乳児期に行われることが多く、その後の顎の成長も含めて長期的に管理する。
口唇閉鎖力検査
唇を閉じる力を測定する検査。口唇閉鎖不全の評価や、口腔機能のトレーニングの経過確認に用いられる。
口蓋形成術
口蓋裂に対して口蓋を閉鎖する手術。発音や嚥下の機能に関わり、実施時期や術式は担当医が判断する。
可撤式保隙装置
取り外しができる床タイプの保隙装置。複数の歯が失われた場合などに用いられ、成長に応じた調整や作り替えが必要となる。
咀嚼機能の発達
食べ物を咬み砕いて飲み込む働きが、歯の交換や筋の発達に伴って段階的に育っていく過程。食べ方の様子は口腔機能の評価の一部となる。
咬合法エックス線写真
フィルムやセンサーを咬んだ状態で撮影する口内法エックス線検査の一つ。過剰歯や埋伏歯のおおよその位置関係の把握に用いられる。
咬爪癖
爪を咬む癖。長く続くと前歯の位置や形態に影響することがあり、生活背景も含めて対応を検討する。
外胚葉異形成症
歯・毛髪・汗腺など外胚葉に由来する組織の形成に異常がみられる先天性疾患。多数の先天欠如歯や円錐状の歯を伴うことがある。
学校歯科健康診断
学校で行われる歯と口の健康診断。う蝕や歯肉の状態に加え、咬み合わせや顎関節の状態も確認され、受診を検討する際の情報となる。
小窩裂溝填塞(シーラント)
奥歯の溝を材料で埋めて汚れがたまりにくくする予防処置。萌出して間もない永久歯に行われることがある。
小野の回帰方程式
日本人のデータをもとに、計測した歯の幅径から未萌出の犬歯・小臼歯の幅径を推定する回帰式。混合歯列期の余地の分析に用いられる。
幼若永久歯
萌出して間もない永久歯。エナメル質が未成熟で歯根も未完成のため、予防と経過観察が重要となる。
後継永久歯
乳歯の後に、その位置へ生えてくる永久歯。乳歯列期の状態が、後継永久歯の形成や萌出に影響することがある。
成長予測
セファログラムなどの資料をもとに、今後の顎の成長の量や方向を推測すること。あくまで推測であり実際の成長には個人差があるため、経過をみながら見直す。
成長発育の性差
成長の開始時期・持続期間・量に男女差がみられること。一般に女子のほうが早く始まる傾向があるとされるが、個人差が大きい。
早期近心移動
乳歯列にみられる空隙が閉じることで第一大臼歯が近心(前方)へ移動し、上下の咬合関係が変化する現象。混合歯列期の前半にみられることがある。
晩期近心移動
第二乳臼歯が脱落した後、リーウェイスペースを利用して第一大臼歯が近心へ移動する現象。この移動を見込むか保隙するかは歯科医師が検討する。
暦年齢
生まれてからの実際の年数で表す年齢。成長の進み方は暦年齢だけでは把握しにくいため、歯年齢や骨年齢と併せて評価する。
根未完成歯
歯根の先端がまだ完成していない歯。萌出後も数年かけて歯根が形成されるため、この時期の力の加え方や経過観察に配慮が必要となる。
機能的マトリックス理論
骨の成長は、周囲の筋・気道などの軟組織や機能の要求に応じて起こるとする考え方。口腔機能と顎の形態の関連を説明する理論の一つである。
歯の外傷
転倒やスポーツなどで歯が破折する、動揺する、脱落するなどの損傷。乳歯の外傷が後継永久歯の形成や萌出に影響することがある。
歯列弓長径
歯列を上から見たときの前後方向の長さ。幅径とともに模型やデジタル模型上で計測し、歯列の形態を評価する。
歯年齢(デンタルエイジ)
萌出した歯の本数や歯根の形成程度から推定する歯の発育の目安。暦年齢と必ずしも一致せず、治療時期を検討する際の参考の一つとなる。
永久歯列期
乳歯が永久歯に交換し終えた段階。第三大臼歯を除く永久歯がそろい、本格的な矯正治療の対象となることが多い。
生理的歯根吸収
永久歯が生えてくる過程で、乳歯の歯根が自然に吸収されて短くなる現象。吸収が進むと乳歯が動揺し脱落する。
癒合歯
隣り合う2本の歯が発育の途中で結合し、1本のように見える歯。乳前歯にみられることがあり、後継永久歯の本数や形態に影響することがある。
笑気吸入鎮静法
低濃度の笑気と酸素を鼻から吸入し、緊張を和らげた状態で処置を受けやすくする方法。適応や実施の可否は歯科医師が判断する。
第一大臼歯
6歳前後に乳歯列の後方に生えてくる永久歯。上下の咬み合わせの基準となる位置を占めるため、萌出状態や前後的な関係を早い段階から確認する。
第二次性徴
思春期に現れる身体の変化。顎の成長が活発になる時期と関連するとされ、成長を利用する治療の時期を検討する際の目安の一つとする。
縫合性成長
骨と骨のつなぎ目である縫合部で骨が付加され、骨が広がっていく成長様式。上顎の成長や、拡大・前方牽引を考える際の基礎となる。
習癖除去装置
口腔習癖への対応を目的として用いる装置の総称。装置のみに頼らず、本人の理解やトレーニングと組み合わせて用いる。
萌出嚢胞
歯が生える直前に、歯の上の歯ぐきが青紫色に膨らんで見える袋状の変化。多くは萌出とともに自然に消退するとされ、経過を観察することが多い。
萌出順序
歯が生えてくる順番のこと。乳歯から永久歯への交換にはおおよその傾向があるが、時期や順序には個人差があり、順序の乱れが歯並びに影響することもある。
行動調整
小児が歯科治療を受けられるように、声かけや環境の工夫などで対応する方法の総称。年齢や発達の段階に応じて選択される。
要観察歯(CO)
学校歯科健診などで用いられる区分で、う蝕になりかけと判断され経過観察が必要とされた歯。予防処置や生活習慣の見直しの対象となる。
身長成長速度曲線
1年ごとの身長の伸び量を示した曲線。伸びが大きい時期は顎の成長も活発になりやすいとされ、治療時期を検討する参考の一つとなる。
軟骨性成長
軟骨が増殖しながら骨に置き換わることで進む成長様式。頭蓋底や下顎頭などにみられる。
鎖骨頭蓋異形成症
鎖骨の低形成、永久歯の萌出障害、過剰歯などを特徴とする先天性の疾患。矯正歯科と口腔外科が連携した長期的な管理を要することがある。
頭蓋顔面複合体
脳頭蓋・顔面骨・顎骨が互いに関係しながら成長する全体のまとまり。部位ごとに成長の時期や速度が異なる。
鼻上顎複合体
上顎骨と鼻腔周囲の骨がひとまとまりとして成長する単位。上顎の成長や拡大・前方牽引を考える際の解剖学的な枠組みとなる。
