矯正歯科・顎変形症の用語集
GLOSSARY
歯周・顎関節(1/3)に関する用語120語を掲載しています。用語集の全体は矯正歯科・顎変形症の用語集をご覧ください。
DC/TMD(顎関節症の診断基準)
顎関節症を診断・分類するために国際的に用いられている基準である。問診と診察の手順を定め、評価のばらつきを減らすことを目的とする。
T2強調画像
MRI(磁気共鳴画像)の撮像法のひとつで、水分を多く含む部分が白く描出される。関節液の貯留や炎症性の変化の把握に用いられる。
Wilkes分類(ウィルクス分類)
顎関節内障の進行段階を、症状と画像所見の組み合わせで段階的に整理した分類である。病態の把握や治療方針を検討する際の参考として用いられる。
アロディニア(異痛症)
触れる、風が当たるなど、通常は痛みを起こさない刺激で痛みを感じる状態である。神経系の感受性の変化を示す所見の一つである。
アンカードディスク現象
関節円板が下顎窩に吸着したように固定され、下顎頭の滑走が妨げられて急な開口制限を生じる病態である。画像検査と症状を合わせて判断される。
アンテの法則
ブリッジの支台歯の歯根膜面積の合計が、失われた歯の歯根膜面積の合計以上であることが望ましいとする経験則である。支台歯の選択を考える際の古典的な指針として知られるが、科学的根拠は限定的とされ、他の要因と併せて検討される。
インプラントの相対的低位
天然歯が加齢に伴って移動する一方で、骨と結合したインプラントは位置が変わらないため、周囲の歯より相対的に低く見えてくる状態をいう。若い時期の埋入例や長期経過例で生じうる。
エナメルマトリックスタンパク質
歯の発生時にみられるタンパク質を応用した、歯周組織の再生を目的とする材料である。清掃した歯根面に応用し、付着の再生を期待して用いる。
エナメル突起
歯冠のエナメル質が根分岐部に向かって突出した形態をいう。その部分には結合組織性の付着が得られにくく、根分岐部病変の局所的な要因となることがある。
エンドフィール(終末抵抗感)
開口の限界位置で下顎に軽く力を加えたときに感じる抵抗の性状である。柔らかい抵抗か硬い抵抗かによって病態の推定に役立てる。
オーバーハング
詰め物や被せ物のふちが歯面から張り出している状態である。歯垢が停滞しやすく、歯肉の炎症や骨吸収の一因となる。
ガイドプレーン
部分床義歯の着脱を安定させるために、支台歯の隣接面へ付与する互いに平行な平面である。矯正で歯軸を整えると付与しやすくなる。
クリック音
開閉口時に「カクッ」と聞こえる単発的な関節音である。関節円板の動きと関連して生じることがある。
クリーピングアタッチメント
炎症が改善した後に歯肉のふちが歯冠側へ自然に移動し、露出していた歯根面が覆われる現象である。生じるかどうかや程度には個人差がある。
クレピタス(捻髪音)
「ジャリジャリ」「ミシミシ」と表現される連続的な関節雑音である。関節面の変形性変化に伴ってみられることがある。
クレンチング
音をほとんど伴わずに上下の歯を強く噛みしめるタイプのブラキシズムである。日中にも起こりうるため自覚されにくい。
クロスアーチスタビライゼーション
左右の歯列を横断するように歯を連結し、咬合力を歯列全体へ広く分散させる固定様式である。歯周補綴で用いられる考え方の一つである。
クローズドロック
前方にずれた関節円板が下顎頭の動きに伴って戻らなくなり、口が大きく開けにくくなった状態を指す。比較的急に生じることが多く、診察と画像検査で状態を確認する。
グラインディング
上下の歯を横方向にすり合わせるタイプのブラキシズムである。歯のすり減りや筋の疲労と関連することがある。
グループファンクション
側方運動の際に、作業側の複数の歯が同時に接触して力を分担する咬合様式である。犬歯誘導と対比して説明される。
ゴシックアーチ描記法
下顎の水平的な運動経路を、矢じり状の図形として記録する方法である。下顎位の把握や記録に用いられる。
ジンジバルゼニス(歯肉頂)
歯の唇側で歯肉の縁が最も根尖側に位置する点である。前歯部の見た目の左右対称性を評価する目安となる。
スクラビング法
毛先を歯面に垂直に当て、小刻みに前後させて磨く方法である。習得しやすく、幅広い年齢で用いられる。
スケーリング
歯面に付着した沈着物を専用の器具で取り除く処置である。歯肉の炎症を抑えるための基本的な処置として行われる。
スタビライゼーションスプリント
歯列全体を覆い、上下の歯が均等に接触するよう調整した装置である。筋や関節にかかる負担を軽減する目的で用いられる。
スプリント装着に伴う咬合の変化
スプリントを長期間・長時間使用した場合に、奥歯が咬み合わなくなるなど咬み合わせが変化することがある現象である。定期的な確認と調整が必要となる。
セメント芽細胞
歯根の表面を覆うセメント質をつくる細胞である。歯の移動に伴う組織の改造や、吸収した歯根面の修復に関与するとされる。
セメント質剥離
歯根表面のセメント質が薄く剥がれ、歯周ポケットの急な深化や炎症の原因となる状態である。中高年の失活歯や強い咬合力を受ける歯にみられることがある。
セメント-エナメル境(CEJ)
歯冠のエナメル質と歯根のセメント質が接する境目である。歯周組織の付着の高さや骨の位置を評価する基準点として用いる。
セルフマネジメント(自己管理)
患者自身が顎に負担をかける習慣を見直し、食事内容や姿勢、休息の取り方を調整して症状の管理に取り組む方法である。顎関節症への対応の基本として位置づけられている。
タッピング
上下の歯をカチカチと連続して打ち鳴らすタイプのブラキシズムである。他の型に比べて頻度は少ないとされる。
デンタルフロス
歯と歯の間の面を清掃する糸状の用具である。歯ブラシでは届きにくい接触部の清掃に用いる。
トリガーポイント
筋の中にある過敏な部位で、圧迫すると痛みが再現し、離れた部位にも痛みが広がることがある。
トリガーポイント注射
筋の中の硬く痛みを生じる部位に局所麻酔薬などを注射し、痛みと筋緊張の軽減を図る処置である。適応は診察のうえで判断される。
トンネリング
根分岐部を歯間ブラシなどが通過できる形態に整え、清掃可能にする処置である。清掃が行き届かない場合はう蝕のリスクが高まるため、適応は慎重に判断する。
ノンメタルクラスプデンチャー
金属のクラスプを用いず、樹脂製の維持部で支える部分床義歯である。適応や設計上の制約があるため、口腔の状態に応じて歯科医師が可否を判断する。
バイオフィードバック療法
筋の緊張などを機器で測定して本人に示し、自覚しにくい咬みしめや緊張のコントロールを学習する方法である。日常生活での習慣の見直しと組み合わせて行われる。
バス法
歯ブラシの毛先を歯と歯肉の境目に斜めに当て、小さく振動させて磨く方法である。歯肉の縁付近の清掃を意識した方法として用いられる。
パンピングマニピュレーション
関節腔に注射針を刺入し、薬液の注入と吸引を繰り返しながら下顎を動かして、癒着や動きの制限の改善を図る処置である。
ピボットスプリント
臼歯部の一点で接触させ、下顎に加わる力の方向を変えることを意図した装置である。適応は限られ、経過を確認しながら用いる。
ファーケーションプラスティ
根分岐部周囲の歯質や骨の形態を整え、清掃しやすい形にする処置である。歯周治療において分岐部への対応を図る方法の一つである。
フルマウスディスインフェクション
口腔内全体の歯周治療を短期間にまとめて行い、治療済みの部位への細菌の再感染を抑えようとする治療方針である。適応は病態や全身状態を踏まえて判断する。
フロススレッダー
フロスを通すための補助具である。ワイヤーや連結された装置の下にフロスを通す際に用いる。
プラークコントロールレコード(PCR)
歯面の付着物を染め出し、汚れが残っている面の割合を数値化して記録する方法である。清掃状態の変化を経時的に把握できる。
プラークリテンションファクター
歯石、不適合な修復物、叢生、口呼吸など、歯垢が停滞しやすくなる局所的な要因の総称である。歯周治療ではこれらの除去や改善を図る。
プロトン密度強調画像
関節円板と周囲組織のコントラストが得られやすいMRI(磁気共鳴画像)の撮像法である。顎関節の円板の位置や形態の観察に広く用いられる。
プロービング時の出血(BOP)
細い器具で歯肉の溝に触れたときに出血するかどうかを記録する所見である。炎症があるかを判断する手がかりの一つとなる。
ベネット角
側方運動時に非作業側の下顎頭がたどる経路を、水平面上でみたときの角度である。咬合器の調節などに用いられる。
ベネット運動
下顎を側方に動かしたときに、下顎全体がわずかに側方へ移動する現象である。側方運動の様相を把握する際に評価される。
ポンティックスペース
欠損部にダミーの歯を入れるために必要な空隙をいう。狭すぎても広すぎても形態や清掃性に影響するため、矯正的に幅を調整することがある。
マイクロトラウマ(微小外傷)
一回では問題にならない程度の小さな力が繰り返し加わることで組織に蓄積する負担である。日常の癖や持続的な咬みしめが関与すると考えられている。
マッコールのフェストゥーン
歯肉のふちが輪状に厚く盛り上がった形態変化である。ブラッシング圧や咬合力などの機械的な刺激との関連が指摘されている。
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)
コラーゲンなど細胞外基質を分解する酵素の一群である。歯周組織の破壊や、矯正力による歯根膜の再構築に関わる。
ミラーの歯肉退縮分類
歯肉退縮の広がりと周囲組織の喪失程度によって4型に分ける分類である。根面被覆でどの程度の回復が見込めるかを検討する際の目安となる。
リポ多糖(LPS)
グラム陰性菌の外膜を構成する成分で、内毒素とも呼ばれる。歯周組織で炎症性の反応を引き起こす因子の一つである。
ルートセパレーション
複数の根をもつ歯を根ごとに分割し、それぞれを清掃・修復しやすくする処置である。根分岐部病変への対応法の一つである。
ルートプレーニング
歯肉の内側にある歯根の表面から汚染された部分を除去し、滑らかに整える処置である。ポケット内の環境を改善する目的で行う。
レッドコンプレックス
歯周炎の進行との関連が強いとされる3種類の細菌のまとまりを指す呼称である。細菌検査の結果を解釈する際に用いられる。
ワンタフトブラシ
毛束が一つにまとまった小型の歯ブラシである。装置の周囲や最後方の歯など、届きにくい部位の清掃に用いる。
三叉神経痛
顔面に一瞬の電撃のような激しい痛みが繰り返し起こる疾患である。顎関節症の痛みとは性質が異なり、医科との連携が必要となることが多い。
三環系抗うつ薬
慢性的な痛みに対して、抑うつの治療とは別の目的で少量が用いられることがある薬である。適応や用量は医師・歯科医師が慎重に判断する。
下顎側方運動量
下顎を左右に動かせる距離を測定した値である。開口量とあわせて、顎の動きの制限の程度を評価する指標となる。
下顎安静位
上下の歯を接触させず、周囲の筋の緊張が少ない状態で下顎が保たれる位置である。日常では上下の歯は接触していないのが通常とされる。
下顎頭の扁平化
下顎頭の丸みが失われ平坦に見える画像所見である。形態の変化を示す所見の一つで、症状の有無と必ずしも一致しない。
下顎頭位
下顎窩に対する下顎頭の位置関係である。顎矯正手術では術前後の下顎頭位の変化が咬み合わせの安定に関わるため、注意して確認される。
下顎頸(かがくけい)
下顎頭のすぐ下にある細くくびれた部分である。構造上細いため、外力が加わったときに骨折が生じやすい部位とされる。
中枢性感作
痛みが長引くことで、脳や脊髄が痛みの信号を過敏に受け取るようになった状態である。慢性的な痛みの背景として考えられることがある。
乳頭保存術
歯周外科において、歯と歯の間の歯肉(歯間乳頭)をできるだけ切り離さずに扱う切開・縫合の術式である。術後の歯肉退縮や見た目への影響を抑えることを目的として選択される。
予後不良歯
支持組織の大きな喪失や破折などにより、保存しても長期的な機能維持が難しいと判断される歯である。保存するか抜歯するかの判断は、検査結果をもとに歯科医師が行う。
人工顎関節置換術
高度に破壊された顎関節を人工の関節に置き換える手術である。適応は限られており、専門的な検討のうえで判断される。
他動開口量
検者が軽く力を加えて補助したときに得られる開口量である。自力で開いた量との差から、制限の原因が筋にあるか関節にあるかを推測する手がかりとなる。
作業側
下顎を側方に動かしたとき、動かした側(噛みしめる側)を指す。反対側は平衡側(非作業側)と呼ばれる。
侵害受容性疼痛
組織の炎症や損傷が痛みの受容器を刺激することで生じる痛みである。顎関節や咀嚼筋の炎症に伴う痛みが該当することが多い。
侵襲性歯周炎
全身的には健康な比較的若い年代に生じ、歯槽骨の吸収が急速に進行する歯周炎である。従来分類での呼称で、家族内での発症がみられることがある。
円板後部組織
関節円板の後方にある、血管や神経に富むやわらかい組織である。関節円板が前方へずれた状態ではこの部分に負担がかかり、痛みと関連することがある。
再付着
もともと健全であった歯根面に、剥離した組織が再び付着することをいう。失われた付着が新たにつくられる新付着とは区別して用いる。
再石灰化
唾液中のカルシウムやリンが歯の表面に取り込まれ、溶け出したミネラルが補われる現象である。口の中では脱灰と再石灰化が日常的に繰り返されている。
再評価検査
歯周治療の一区切りごとに、炎症や付着の状態がどう変化したかを調べ直す検査である。次の処置へ進むかどうかの判断材料となる。
切歯路傾斜角
下顎を前方に動かしたときに下顎前歯の切縁がたどる経路と、基準平面とのなす角度である。前歯部による下顎運動の誘導の強さを表す。
前方整位型スプリント
下顎を通常よりやや前方の位置に誘導して保持する装置である。関節円板と下顎頭の位置関係に配慮して用いられ、咬み合わせの変化に注意しながら管理する。
前歯部接触型スプリント
前歯部のみで接触させる小型の装置である。長時間の使用では咬み合わせが変化する可能性があるため、使用条件を守り定期的な確認が必要となる。
化膿性顎関節炎
細菌感染により顎関節内に炎症が生じ、強い痛みや腫れ、発熱を伴うことがある状態である。速やかな診断と治療が必要とされる。
口腔乾燥(ドライマウス)
唾液の減少などにより口の中が乾く状態である。汚れが停滞しやすくなるため、清掃方法や保湿の工夫が検討される。
口腔洗浄器
水流によって食物残渣などを洗い流す器具である。ブラシによる清掃を補う位置づけであり、それに置き換わるものではない。
口腔細菌叢(口腔マイクロバイオーム)
口の中に常在する多様な細菌の集団である。その構成の乱れが歯や歯を支える組織の疾患と関連すると考えられている。
口腔顔面痛
口や顎、顔面領域に生じる痛みを幅広く扱う領域である。歯や顎関節に由来する痛みだけでなく、神経や頭痛に由来する痛みも含めて鑑別する。
口臭
呼気に含まれるにおいの総称で、時間帯などによる生理的な変動によるものと、口腔や全身の状態に由来するものがある。原因の特定には検査と診察を要する。
可逆的治療
歯や顎の形を削るなど、元に戻せない変更を伴わない治療のことである。顎関節症では、まず元に戻せる方法から検討することが一般的とされる。
咀嚼筋炎
外傷や感染、持続的な負荷などによって咀嚼筋に炎症が生じ、腫れや痛み、開口制限を伴う状態である。原因に応じた治療が検討される。
咀嚼筋痛障害
顎関節症の病態分類のひとつで、噛むための筋の痛みが主体となるものである。口を開けたり噛んだりするときに筋の部分の痛みを自覚することが多い。
咀嚼筋腱・腱膜過形成症
咀嚼筋の腱や腱膜が厚く硬くなることで、痛みを伴わずに口が開きにくくなる疾患である。顎関節自体の障害とは区別して診断される。
咀嚼能率検査
決められた試験食品を噛み、どの程度細かく粉砕できるかを調べる検査である。噛む機能の程度を客観的に把握するために行う。
咀嚼運動路
食物を噛むときに下顎がたどる周期的な運動経路である。噛み方の左右差や動きの滑らかさを把握する手がかりになる。
咬合圧検査
専用のフィルムやセンサーを噛み、咬む力や咬合圧の分布を調べる検査である。治療前後の変化を比較する資料になる。
咬筋肥大
咬筋が発達し、えらの部分が張って見える状態である。強い噛みしめの習癖との関連が指摘されるが、原因は一様ではない。
唾液検査
唾液の量や性質、細菌に関する項目などを調べる検査である。口腔内の環境を把握するための補助的な情報として用いる。
唾液緩衝能
飲食によって酸性に傾いた口の中のpHを、唾液が中性側へ戻そうとする働きである。個人差があり、口腔内環境を評価する要素の一つとなる。
喫煙
歯周組織の血流や免疫の働きに影響し、歯周炎の発症・進行や治療後の治り方に関わる生活習慣上の要因である。禁煙は歯周治療や外科処置後の管理でも重視される。
嚥下機能検査
飲み込みの動きや安全性を評価する検査の総称である。顎の手術の前後で機能の変化を確認する目的で行われることがある。
圧痛
指などで押したときに生じる痛みである。筋や関節の触診では、圧痛の有無と部位を記録して評価の材料とする。
圧痛閾値
圧迫によって痛みを感じ始める最小の力の大きさである。筋や関節の過敏さを数値として比較し、経過をみる目的で用いられる。
地域歯周疾患指数(CPI)
世界保健機関が定めた、歯周組織の状態を集団単位で把握するための指標である。歯肉出血や歯周ポケットの深さを一定の基準で記録する。
垂直性骨欠損
特定の歯根に沿って溝状に骨が失われた状態である。欠損の形によっては再生を目指す処置の適応を歯科医師が検討する。
塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)
細胞の増殖や血管新生を促すタンパク質である。歯周組織再生療法に用いられる薬剤の有効成分として応用されている。
外傷性咬合
歯周組織に過度な負担をかける咬み合わせそのものを指す語である。これによって歯周組織に生じた傷害は咬合性外傷と呼び、原因と結果を区別して用いる。
好中球
細菌感染に最初に対応する白血球である。歯肉溝に集まって細菌を処理するが、その機能が低下していると歯周炎が進行しやすくなる。
安静空隙(フリーウェイスペース)
下顎安静位のときに上下の歯の間にできるわずかな隙間である。一般に数ミリ程度とされるが個人差がある。
対合歯の過萌出
咬み合う相手の歯を失った部位で、対合する歯が伸び出してくる現象をいう。咬合平面の乱れを招くことがあり、補綴の前に矯正的な圧下を検討する場合がある。
局所薬物送達システム(LDDS)
歯周ポケット内に抗菌薬などを直接投与する方法である。歯周基本治療の補助として用いるもので、これだけで歯周炎に対応するものではない。
平衡側
側方運動において作業側と反対側を指し、非作業側ともいう。この側の歯が強く接触する状態は、顎関節や筋への負担と関連することがあるとされる。
徒手的円板整位法
歯科医師が手で下顎を誘導し、ずれた関節円板の位置や引っかかりの改善を試みる手技である。適応の判断は診察と画像所見に基づいて行われる。
慢性歯周炎
歯垢中の細菌により歯周組織に慢性的な炎症が続き、付着と歯槽骨が徐々に失われる病態である。従来の分類で広く用いられてきた呼称で、成人にみられることが多い。
慢性疼痛
通常の治癒に要する期間を超えて続く痛みである。生活習慣や心理社会的な要因も関与しうるため、多面的な対応が検討される。
慢性疼痛の重症度分類(GCPS)
痛みの強さと日常生活への支障の程度を質問票で点数化し、段階に分けて評価する方法である。治療方針の検討や経過観察に用いられる。
成人矯正治療
顎の成長が終了した年代に行う矯正歯科治療である。歯周組織の状態や歯の欠損、既存の修復物・補綴装置を踏まえた計画が必要で、治療の進み方や結果には個人差がある。
戦略的抜歯
目の前の歯の保存可否だけでなく、口腔全体の長期的な設計を見据えて抜歯を選択する考え方である。判断は検査に基づいて歯科医師が行い、患者の同意を得て決定する。
接合上皮
歯肉が歯の表面に接している部分の上皮で、外からの刺激に対する封鎖の役割を担う。炎症や歯の移動に伴って位置が変わることがある。
接触点-歯槽骨頂間距離
隣り合う歯の接触点から歯槽骨頂までの垂直的な距離である。この距離が大きいほど歯間乳頭が空隙を満たしにくく、歯間部に三角形の隙間が生じやすいとされる。
支台歯間線
部分床義歯で支台歯を結んだ線で、義歯が動くときの回転軸となる線をいう。この線の位置関係が義歯の安定や支台歯への負担に影響する。
新付着
病変によって露出した歯根面に、新しいセメント質と歯根膜線維による付着が形成されることをいう。歯周組織再生療法が目標とする治癒の形態である。
