矯正歯科・顎変形症の用語集
GLOSSARY
補綴・口腔外科・薬理(1/3)に関する用語120語を掲載しています。用語集の全体は矯正歯科・顎変形症の用語集をご覧ください。
COX-2選択的阻害薬
炎症時に増えるCOX-2を選択的に阻害するNSAIDsであり、胃粘膜への影響が比較的少ないとされる。心血管系への配慮など別の注意点があり、適否は医師・歯科医師が判断する。
NSAIDs起因性消化管障害
NSAIDsの使用により胃粘膜の防御機構が低下し、胃痛・潰瘍・出血などを生じる副作用である。既往がある場合は胃薬の併用や別系統の鎮痛薬が検討される。
PK/PD理論
薬物動態(PK)と薬力学(PD)を組み合わせて、投与量や投与間隔を設計する考え方である。効果を得つつ耐性菌の出現を抑える目的で用いられる。
Pell and Gregory分類(ペル・グレゴリー分類)
下顎智歯の埋伏状態を、下顎枝との位置関係と埋伏の深さの二つの視点で整理する分類。
Winter分類(ウィンター分類)
下顎智歯の埋伏状態を、第二大臼歯に対する傾き(垂直・近心傾斜・水平・遠心傾斜など)で整理する分類。
β-ラクタマーゼ
細菌が産生し、ペニシリン系やセフェム系のβ-ラクタム環を分解して薬の効果を失わせる酵素である。この酵素を阻害する成分を配合した製剤がある。
β-リン酸三カルシウム(β-TCP)
人工的に合成されたリン酸カルシウム系の骨補填材である。時間の経過とともに吸収され、自家骨に置き換わっていく過程が期待される材料として用いられる。
すれ違い咬合
上下の残存歯が左右で食い違い、上下がほとんど噛み合わない欠損状態である。義歯が不安定になりやすく、対応が難しい欠損形態とされる。
アイヒナー分類
上下の歯が噛み合っている領域(咬合支持域)の数によって欠損歯列を分類する方法である。咬合の安定度を把握する目安となる。
アスピリン喘息
NSAIDsの使用により喘息発作や鼻症状が誘発される過敏症であり、NSAIDs過敏喘息とも呼ばれる。該当する場合は使用できる鎮痛薬が限られるため、既往の申告が重要である。
アセトアミノフェン
主に中枢に作用して痛みと発熱を和らげる薬であり、抗炎症作用は弱い。胃腸への影響は比較的少ないとされるが、過量では肝障害を生じうるため用法用量を守る必要がある。
アドレナリン(エピネフリン)
局所麻酔薬に少量添加され、血管を収縮させて麻酔効果の持続や術野の出血抑制に用いられる薬剤である。アナフィラキシー発生時の第一選択薬としても位置づけられている。
アバットメント
インプラント体と上部構造をつなぐ連結部品である。歯ぐきの厚みや人工歯の傾き、清掃のしやすさを考慮して形態が選択される。
アバットメントスクリューの緩み
アバットメントや上部構造を固定しているねじが緩む現象である。咬合力の偏りが背景にあることが多く、再締結とあわせて咬合の見直しが行われる。
アミド型局所麻酔薬
化学構造にアミド結合をもつ局所麻酔薬の総称であり、リドカインやメピバカインなどが含まれる。主に肝臓で代謝され、歯科用局所麻酔薬の多くがこの型に属する。
アモキシシリン
経口で吸収されやすいペニシリン系抗菌薬である。口腔内の細菌に対する感受性が比較的よく、歯科領域の感染症や予防投与で用いられることがある。
アラマニー分類
上顎切除後の欠損を、残存歯と欠損範囲の位置関係から区分した分類である。顎義歯の設計や維持装置の配置を検討する際の共通の指標として参照される。
アンテリアガイダンス(前歯誘導)
下顎を前方へ動かしたときに、前歯部の接触が下顎の動きを導く働きである。臼歯部を離開させ、力の配分を整える役割があるとされる。
アンレー
咬頭(噛む面の山)を含めて覆う部分的な修復物で、インレーより広い範囲を回復する。残っている歯質の量や咬み合わせの状態に応じて選択される。
インターナルコネクション・エクスターナルコネクション
インプラント体とアバットメントの連結様式の区分である。前者は連結部がインプラント体の内側にあり、後者は上面から外側に突出した形態をとる。
インプラントの成功基準
動揺がないこと、持続する疼痛や感染がないこと、周囲骨の吸収が一定の範囲にとどまることなどを指標として、治療結果を評価する枠組みである。判定には長期の経過観察を要し、結果には個人差がある。
インプラントアナログ
作業模型の中でインプラント体の代わりとなる金属製の部品である。口腔内と同じ位置関係を模型上に再現し、上部構造を製作するために用いる。
インプラントオーバーデンチャー
少数のインプラントを維持源として、取り外し式の義歯を安定させる方式である。義歯の動きを抑え、噛む力を支えることを目的とする。
インプラント体の破折
金属疲労や過大な咬合力などによって、インプラント体そのものが折れることをいう。生じた場合は撤去が必要になることが多く、日常的な咬合の管理が重視される。
インプラント体(フィクスチャー)
顎骨内に埋め込まれるインプラントの本体部分である。多くはチタンやチタン合金製で、骨と結合することで人工歯を支える土台となる。
インプラント保護咬合
歯根膜をもたないインプラントに過大な力が集中しないよう配慮した咬合の与え方をいう。接触の強さや側方運動時の当たり方を調整して、力の負担を分散させる。
インプラント周囲炎
インプラント周囲の炎症が骨にまで及び、支持している骨が失われていく状態である。自覚症状に乏しいことがあるため、定期的な検査が重要とされる。
インプラント周囲粘膜炎
インプラント周囲の歯ぐきに炎症が限局し、支えている骨の吸収を伴わない状態である。清掃状態の改善によって改善が期待される段階とされる。
インプラント支持型エピテーゼ
骨内に埋入したインプラントを維持源として固定するエピテーゼである。粘着剤で保持する方法に比べて位置が安定しやすいとされるが、適応の可否は骨量や全身状態を踏まえて歯科医師・医師が判断する。
インプラント支持型固定性補綴装置
複数のインプラントで支持し、患者自身では取り外さない上部構造をいう。適応や必要な本数は、骨の状態・咬合・清掃性などを踏まえて歯科医師が判断する。
インプラント表面性状
インプラント体表面の粗さや化学的処理の状態をいう。骨との結合の得られ方に関わるため、粗面化や酸化処理など各種の表面処理が用いられている。
インレー
う蝕などで失われた歯の一部を、型に合わせて作製した詰め物ではめ込んで修復する方法、またはその修復物である。歯冠全体を覆わない点でクラウンと異なる。
エステル型局所麻酔薬
化学構造にエステル結合をもつ局所麻酔薬の総称であり、プロカインやテトラカインなどが含まれる。血液中の酵素で分解され、その分解産物に対する過敏反応が報告されている。
エナメル上皮腫
歯をつくる上皮に由来する良性の顎骨腫瘍。骨を膨らませながら広がることがあり、切除範囲は診断に基づいて決められる。
エナメル質形成不全
エナメル質がつくられる過程で障害を受け、白濁・変色・実質欠損などがみられる状態。装置の接着やう蝕予防の面で配慮が必要となる。
エピテーゼ
眼窩・耳介・鼻など顔面の欠損部を補うために作製する人工の補綴物である。医療用材料で形態と色調の再現を図り、外見の回復を目的とする。
エプーリス
歯肉に生じる限局性の腫瘤状病変の総称。妊娠中にみられるものなど、原因や性状はさまざまである。
オッセオインテグレーション(骨結合)
インプラント体の表面と骨とが、間に線維組織を介さずに直接結合した状態をいう。これが得られるかどうかがインプラントの支持に関わる。
オッセオパーセプション
歯根膜をもたないインプラントでも、周囲の骨や筋の受容器を介して咬む力や接触をある程度感じ取る現象をいう。天然歯の歯根膜による感覚とは性質が異なる。
オトガイ孔(オトガイこう)
下顎の小臼歯付近の頬側にある骨の開口部で、ここからオトガイ神経が出る。インプラント埋入や骨切り術では、位置を事前に把握しておくことが求められる。
オピオイド鎮痛薬
中枢神経のオピオイド受容体に作用して痛みを和らげる薬の総称である。眠気・便秘・悪心などの副作用があり、一部は麻薬として法令に基づく管理のもとで用いられる。
オールセラミック修復
金属を用いず、セラミック材料のみで作製する被せ物や詰め物である。透明感を再現しやすい一方、咬み合わせの力や部位に応じて適応が検討される。
カスタムアバットメント
症例ごとに形態を設計して製作するアバットメントである。既製品では対応しにくい歯肉の立ち上がりや軸方向のずれに合わせられる。
カバースクリュー
二回法において、治癒期間中にインプラント体の上部を塞いでおく小さなねじである。内部への骨や軟組織の侵入を防ぐ役割をもつ。
カートリッジ製剤
歯科用局所麻酔薬をあらかじめ小容量の筒状容器に封入した製剤である。1本あたりの薬液量が一定であるため、使用量の把握や記録がしやすい。
ガマ腫(がましゅ)
舌下腺などの唾液の流出障害により、口底部に生じる貯留性の嚢胞。
クリンダマイシン
嫌気性菌を含む口腔内細菌に作用するリンコマイシン系の抗菌薬である。ペニシリンアレルギーがある場合の代替として検討されることがあるが、腸内細菌への影響に注意する。
ケネディ分類
部分欠損歯列を、欠損部の位置と数によって分類する方法である。義歯の設計を検討する際の共通の枠組みとして用いられる。
コンポジットレジン修復
コンポジットレジンを歯に接着させ、失われた形態を回復する修復法。比較的少ない切削量で対応できる場合があるが、適応は歯質の状態によって異なる。
シェードテイキング(色調選択)
周囲の歯に調和する色調を、色見本や測色機器を用いて選択する作業である。照明条件や歯の乾燥状態によって見え方が変わるため、条件を整えて行う。
シクロオキシゲナーゼ(COX)
アラキドン酸からプロスタグランジンを作り出す酵素であり、COX-1とCOX-2の型がある。NSAIDsはこの酵素の働きを妨げることで鎮痛・抗炎症作用を示す。
シトクロムP450(CYP)
主に肝臓で薬物を代謝する酵素群である。特定の薬や食品がこの酵素の働きを妨げたり強めたりすると、併用薬の血中濃度が変化することがある。
シュナイダー膜
上顎洞の内面を覆う粘膜のことである。上顎洞底挙上術ではこの膜を破らずに挙上することが求められ、穿孔した場合は縫合や膜の被覆などの対応が必要になる。
ショートインプラント
骨の高さが限られる部位に用いる、長さの短いインプラント体である。骨造成を避けられる場合があるが、適応は骨の状態や咬合力などを踏まえて歯科医師が判断する。
スクリュー固定式・セメント固定式
上部構造をインプラントに取り付ける方式の区分である。前者はねじで固定するため着脱しやすく、後者はセメントで合着するが余剰セメントの残留に注意を要する。
スティーブンス・ジョンソン症候群
皮膚粘膜眼症候群とも呼ばれ、発熱とともに皮膚や口唇・眼の粘膜に強い炎症を生じる重い薬疹である。早期の受診と原因薬の中止が重要である。
スマイルライン
笑ったときに見える上顎前歯の切縁がつくる曲線と、下唇の曲線との関係をいう。補綴治療や矯正治療で見た目の調和を検討する際の目安の一つである。
セフェム系抗菌薬
ペニシリン系と同じβ-ラクタム系に属し、細菌の細胞壁合成を妨げる抗菌薬の系統である。世代によって効果を示す細菌の範囲が異なる。
チタンメッシュ
骨補填材の形態を保持するために用いる網目状のチタン製の板である。大きな骨造成で用いられ、骨の成熟後に除去することが多い。
テトラサイクリン系抗菌薬
細菌のタンパク質合成を妨げる抗菌薬の系統である。歯の形成期に用いると歯の着色を生じうるため、小児や妊娠中の使用は原則として避けられる。
テレスコープクラウン
支台歯に内冠を装着し、その上に外冠をもつ義歯を重ねて維持・支持する方式の補綴装置である。着脱の方向や歯にかかる力の向きを整えやすい構造とされる。
デクスメデトミジン
呼びかけに応じやすい状態を保ちやすいとされる鎮静薬である。徐脈や血圧低下を生じることがあり、モニタリングを行いながら使用する。
デ・エスカレーション
培養検査の結果が判明した後に、原因菌に絞った狭い範囲の抗菌薬へ切り替えることである。不必要に広い範囲の薬を使い続けることを避ける目的がある。
トゥースウェア(歯の摩耗)
咬耗・摩耗・酸蝕などによって歯が徐々にすり減っていく現象の総称である。原因を整理したうえで、経過観察とするか修復を行うかを歯科医師が判断する。
トラネキサム酸
血の塊が溶けるのを抑える抗線溶薬であり、出血の抑制を目的に用いられることがある。血栓のリスクがある場合は慎重に適否が判断される。
トラマドール
オピオイド受容体への作用と神経伝達物質の再取り込み阻害を併せもつ鎮痛薬である。NSAIDsが使いにくい場合などに検討されるが、悪心や眠気が生じることがある。
ニューキノロン系抗菌薬
細菌のDNA複製に関わる酵素を妨げる抗菌薬の系統である。金属イオンを含む薬やサプリメントと同時に服用すると吸収が低下することがある。
バーアタッチメント
複数のインプラントを金属のバーで連結し、義歯側の維持装置でそのバーを把持する方式である。維持と安定が得られやすい反面、清掃のための形態と間隙の確保を要する。
ヒーリングアバットメント
二次手術の後に装着し、インプラント周囲の粘膜の治癒形態を整えるための部品である。上部構造を装着する前に、粘膜の立ち上がりをつくる目的で用いる。
ファイバーポスト
根管内に挿入して支台築造の芯とする、繊維強化樹脂製の柱状材料である。歯質に近いしなやかさをもつ点が特徴とされる。
フェリプレシン
バソプレシン誘導体に分類される血管収縮薬であり、局所麻酔薬に添加されることがある。アドレナリンの使用を避けたい場合の選択肢となるが、適否は全身状態をもとに歯科医師が判断する。
フェルール効果
被せ物が支台歯の健全な歯質を帯状に囲い込むことで、力が加わったときの安定に寄与するとされる考え方である。必要な残存歯質を確保できるかが設計上の検討点となる。
フラップレスサージェリー
歯肉を切開・剥離せず、粘膜に小さな穴を開けてインプラントを埋入する術式である。骨の状態を直接目視できないため、術前の画像診断とガイドの精度が前提となる。
フルマゼニル
ベンゾジアゼピン系薬の作用を打ち消す拮抗薬である。作用時間が元の薬より短いことがあり、投与後も一定時間の経過観察が必要である。
ブラウン分類
上顎欠損の広がりを垂直方向と水平方向の二軸で整理した分類である。再建方法や補綴設計を関係者間で共有する枠組みとして用いられる。
ブリッジ(架工義歯)
歯を失った部位の隣接歯などを支えとして、連結した人工歯で欠損部を補う固定式の補綴装置である。支台となる歯の状態や欠損の位置によって適応は異なる。
ブロック骨移植
自分の骨などを塊のまま採取し、欠損部にねじで固定して骨の幅や高さの回復を図る方法である。採取部位にも侵襲が加わるため、適応は慎重に検討される。
プラットフォームスイッチング
インプラント体の上面よりも径の小さいアバットメントを連結する設計である。接合部を内側に寄せることで、周囲の辺縁骨の吸収を抑えることを目的とする。
プロスタグランジン
炎症や痛みの増強、発熱、胃粘膜の保護など多様な働きをもつ生理活性物質である。歯の移動に伴う組織の反応にも関与するとされている。
プロピトカイン
アミド型局所麻酔薬の一つで、フェリプレシンを添加した製剤が用いられることがある。多量に投与するとメトヘモグロビン血症を生じうるため、使用量に配慮する。
プロポフォール
静脈麻酔薬の一つであり、導入と覚醒が比較的速いとされる。呼吸や循環を抑制することがあるため、気道管理が可能な体制のもとで用いる。
ヘミセクション(歯根分割抜去)
複数の歯根をもつ歯で、問題のある歯根を歯冠とともに分割して抜去し、残りの部分を保存する処置。
ヘーベル(挺子/ていし)
歯と歯槽骨のすき間に差し込み、てこの原理で歯を動揺させる抜歯用の器具。
ベンゾジアゼピン系薬
中枢神経の抑制系の働きを強め、抗不安・鎮静・筋弛緩・抗けいれん作用を示す薬の総称である。歯科では鎮静を目的に用いられることがある。
ペニシリンアレルギー
ペニシリン系抗菌薬に対する過敏反応である。自己申告のうち一定割合は真のアレルギーではないとの報告があり、必要に応じて専門的な評価が検討される。
ペニシリン系抗菌薬
細菌の細胞壁合成を妨げるβ-ラクタム系抗菌薬の系統であり、歯科領域の細菌感染に用いられることが多い。アレルギーの既往がある場合は使用を避ける。
ホワイトニング(歯の漂白)
薬剤を用いて歯の色調を明るくする処置である。効果の程度や持続期間には個人差があり、詰め物や被せ物の色は変化しない。
ポンティック
ブリッジのうち、歯が失われた部位に位置する人工歯の部分をいう。清掃のしやすさと見た目の調和を考慮して形態が設計される。
マイクロギャップ
インプラント体とアバットメントの接合部に生じる微小な間隙をいう。細菌の侵入経路となりうるため、連結様式や部品の適合精度が重視される。
マクロライド系抗菌薬
細菌のタンパク質合成を妨げる抗菌薬の系統であり、ペニシリン系が使えない場合の選択肢となることがある。他の薬との相互作用に注意が必要である。
マグネットアタッチメント(磁性アタッチメント)
磁石と磁性金属の吸引力を利用して義歯を維持する装置である。着脱が容易で側方の力を逃がしやすい一方、MRI検査の際には磁性体を装着していることを申告する必要がある。
ミダゾラム
作用の発現が速く持続が比較的短いベンゾジアゼピン系薬であり、静脈からの鎮静に用いられる。呼吸抑制が起こりうるため、監視下で使用する。
メコバラミン
活性型ビタミンB12製剤であり、末梢神経の障害に対して処方されることがある。顎の手術後の知覚のにぶさに対して用いられることがあるが、回復の程度や経過には個人差がある。
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
多くのβ-ラクタム系抗菌薬が効きにくくなった黄色ブドウ球菌である。院内感染対策上重要であり、手指衛生を含む標準予防策の徹底が求められる。
メトヘモグロビン血症
血液中のヘモグロビンが酸素を運びにくい型に変化し、皮膚や粘膜が青紫色を帯びる状態である。一部の局所麻酔薬の過量投与などが誘因となりうる。
メトロニダゾール
嫌気性菌や一部の原虫に作用する抗菌薬である。服用中の飲酒により不快な全身反応が起こることがあるとされ、添付文書上も服用期間中の飲酒は避けることとされている。
メピバカイン
アミド型局所麻酔薬の一つで、血管収縮薬を含まない製剤がある。循環器系への配慮が必要な場合などに選択肢となるが、作用の持続時間は比較的短い。
ラミネートベニア
歯の表面をわずかに削り、薄いセラミックなどの板を接着して形態や色調を整える修復法である。歯質を削るため、適応の判断は歯科医師が行う。
リドカイン
アミド型に分類される局所麻酔薬の一つであり、歯科の浸潤麻酔や伝達麻酔に用いられる。血管収縮薬を添加した製剤と含まない製剤があり、使用量や適否は全身状態を踏まえて歯科医師が判断する。
レスキュー薬
定時投与を行っていてもなお痛みが強まったときに、追加で使用する鎮痛薬である。あらかじめ種類と使用条件を決めておく。
レスト
部分床義歯が沈み込まないよう、残存歯の上に設ける小さな支えである。歯面に形成したくぼみ(レストシート)にはまり、噛む力を歯へ伝える役割をもつ。
一回法・二回法
インプラント埋入手術の術式の区分である。一回法は埋入時に装置の一部を粘膜上に出しておく方法、二回法はいったん粘膜下に埋め、治癒後の二次手術で連結部を露出させる方法をいう。
上皮化
傷の表面が上皮で覆われ、粘膜として閉じていく治癒の過程。
上部構造
インプラントの上に装着する人工歯の部分である。ねじで固定する方式とセメントで装着する方式があり、それぞれ利点と留意点が異なる。
上顎切除術(じょうがくせつじょじゅつ)
腫瘍などの病変に対して上顎骨の一部または全部を切除する手術である。術後は口腔と鼻腔・上顎洞が交通することが多く、顎義歯や外科的再建による機能回復が検討される。
上顎洞中隔(じょうがくどうちゅうかく)
上顎洞の内部にみられる骨性の隔壁である。存在すると上顎洞底挙上術の操作が難しくなるため、術前にCBCT(歯科用コーンビームCT)などで有無と位置を確認する。
上顎洞底挙上術(サイナスリフト)
上顎臼歯部で骨の高さが不足する場合に、上顎洞底の粘膜を持ち上げて骨造成の余地をつくる処置である。事前に上顎洞の状態を画像で評価して行う。
下歯槽神経側方移動術
下顎の骨の高さが不足する場合に、下歯槽神経をいったん外側へ移動させたうえでインプラントを埋入する術式である。感覚異常が生じる可能性があるため、適応は慎重に検討される。
下歯槽神経前方ループ
下歯槽神経がオトガイ孔から出る手前で、いったん前方に回り込むように走行する部分をいう。オトガイ孔付近への埋入では、画像でこの走行を確認したうえで位置を計画する。
下顎舌側陥凹(かがくぜっそくかんおう)
下顎臼歯部の舌側で、骨が内側にくぼんでいる形態をいう。埋入時にこの部の骨を穿孔すると出血などの合併症につながるため、断層画像での確認が重要となる。
下顎骨区域切除(かがくこつくいきせつじょ)
下顎骨の連続性を断つ形で一定範囲を切除する手術である。骨の連続性が失われるため、再建プレートや骨移植による再建と、その後の咬合回復が課題となる。
下顎骨骨折
外傷により下顎骨が折れた状態。骨折部位により、咬み合わせのずれや開口障害を伴うことがある。
中空顎義歯(ちゅうくうがくぎし)
栓塞子の内部を空洞にして軽量化した顎義歯である。重量による沈下や維持力の低下を抑える目的で用いられる。
中間欠損
欠損部の前後に歯が残っている欠損形態である。両側の歯を支台とするブリッジなど、固定式の補綴が選択肢となる場合がある。
乾燥抜歯窩(ドライソケット)
抜歯後に抜歯窩を覆う血餅が失われ、骨面が露出して痛みが続く状態。生じるかどうかには個人差があり、対応は歯科医師が判断する。
二次手術(インプラントの二次手術)
二回法で粘膜下に埋めたインプラント体を、治癒後に再び露出させて連結部品を装着する手術である。局所麻酔下で行われることが多い。
亜硫酸塩
局所麻酔薬に含まれる血管収縮薬の酸化を防ぐために添加される安定剤である。まれに過敏反応の原因となることがあるため、関連する既往がある場合は事前に申告する。
交差反応
ある薬に対するアレルギーが、化学構造の似た別の薬にも生じることである。β-ラクタム系抗菌薬の間などで問題となることがある。
余剰セメントの残留
セメント固定式の上部構造を装着する際に、粘膜の下に取り残されたセメントをいう。インプラント周囲の炎症の原因となりうるため、装着時の確実な除去が重要となる。
傾斜埋入(けいしゃまいにゅう)
上顎洞や下顎管などの解剖学的構造を避けるため、インプラント体を意図的に傾けて埋入する方法である。上部構造の方向を修正する角度付きアバットメントと組み合わせて用いられることが多い。
