矯正歯科・顎変形症の用語集
GLOSSARY
合併症・リスク・全身管理(3/3)に関する用語35語を掲載しています。用語集の全体は矯正歯科・顎変形症の用語集をご覧ください。
軟組織内迷入歯片
破折した歯の破片や砂などの異物が、口唇などの軟組織内に入り込んだ状態である。見落とすと感染や瘢痕の原因となることがあるため、必要に応じてエックス線撮影で確認する。
輸血(ゆけつ)
出血などで不足した血液成分を補充する治療である。自分の血液を用いる方法と、提供された血液を用いる方法があり、実施の可否は医師が出血量や全身状態をふまえて判断する。
進行性下顎頭吸収
下顎頭の骨が徐々に吸収され、咬み合わせや下顎の位置が変化していく病態である。原因は完全には解明されておらず、慎重な経過観察と専門的な評価を要する。
遅延型アレルギー(Ⅳ型アレルギー)
接触から半日〜数日たって症状が出るタイプのアレルギー。矯正装置に関連した接触性皮膚炎や口腔粘膜の炎症として現れることがある。
過換気症候群
強い不安や緊張で呼吸が速くなりすぎ、手足のしびれやめまいを生じる状態。落ち着いた環境で呼吸を整える支援を行う。
遷延癒合(せんえんゆごう)
骨の癒合が通常想定される期間より遅れている状態をいう。全身状態や局所の条件が影響することがあり、経過観察と固定方法の見直しが行われる。
部分的歯髄切断法(Cvek法)
露出した歯髄の表層のみを除去し、健全な歯髄を残して覆髄する処置である。歯根が未完成な若い永久歯で、歯根の成長を続けさせる目的で選択されることがある。
重層扁平上皮
口腔粘膜の表層をつくる、扁平な細胞が何層にも重なった上皮である。細胞が繰り返し入れ替わるため、粘膜の小さな傷は比較的短期間で修復されることが多い。
金属アレルギー
特定の金属イオンに体が過敏に反応し、粘膜や皮膚に症状が現れることがある状態である。既往がある場合は、使用する材料の選択について治療開始前に相談する。
針刺し・切創
注射針や鋭利な器具によって医療従事者が受傷する事故。発生時は洗浄と報告を行い、定められた手順で感染の評価と対応を進める。
鉄欠乏性貧血
鉄の不足により赤血球のヘモグロビンが減少する貧血である。舌の痛みや口角炎、繰り返す口内炎の背景となることがあり、原因の確認は医科で行う。
開口障害(開口制限)
口を大きく開けられない状態である。関節円板の位置、咀嚼筋の緊張、関節内の炎症、手術後の一時的な変化など、複数の要因が関与することがある。
関節リウマチ
関節に慢性の炎症が起こる自己免疫疾患で、顎関節に症状が及ぶことがある。使用中の免疫抑制薬やステロイドの影響も踏まえて歯科治療を計画する。
関節円板
下顎頭と側頭骨の間にある線維性の組織で、あごの動きを滑らかにするクッションの役割をもつ。位置や形態の変化は、顎関節の症状と関連することがある。
関節円板転位
関節円板が本来の位置からずれた状態で、開口時に元の位置へ戻る場合(復位性)と戻らない場合(非復位性)がある。音や開口のしにくさとして自覚されることがある。
関節雑音(クリック音)
開閉口の際に顎関節から聞こえるカクッ、ジャリといった音である。音があっても痛みや機能の問題を伴わないこともあり、対応の要否は診察のうえで判断する。
陥入性脱臼
歯が歯槽骨の中に押し込まれるように移動した外傷である。歯根の完成度や陥入の量に応じて、自然な再萌出を待つか、矯正的または外科的に整復するかを歯科医師が判断する。
電気歯髄診断
微弱な電流を歯に流し、歯髄の反応の有無を調べる検査である。外傷直後は一時的に反応が低下することがあるため、この検査だけで判断せず、経過を追って評価する。
頬粘膜咬傷
頬や口唇の内側を誤って噛んでしまうことで生じる傷である。噛み合わせが変化した時期や、麻酔で感覚が鈍っている間に起こりやすい。
頬粘膜白線(きょうねんまくはくせん)
上下の歯が噛み合う高さに沿って、頬の内側に現れる白い線状の変化である。噛みしめや頬を吸い込む癖などの機械的刺激が関係すると考えられている。
頸椎損傷
頸部の骨や靱帯、脊髄が損傷した状態である。顔面外傷に合併することがあり、意識障害や頸部痛がある場合はむやみに頭頸部を動かさず、救急対応を優先する。
顆頭吸収(かとうきゅうしゅう)
顎関節の顆頭部の骨が経時的に縮小・変形する現象である。生じると咬合や顔貌が変化することがあり、リスク因子の評価と長期の経過観察が行われる。
顎矯正手術後のスポーツ復帰
顎の手術を受けた後に競技へ戻る時期の考え方である。骨の癒合の状態、固定の方法、競技における接触の程度によって異なり、主治医の判断に従って段階的に進める。
顎関節
下顎頭と側頭骨のくぼみが向かい合う、あごを動かすための関節である。左右一対が連動し、開閉口のほか前後や側方への運動にも関わる。
顎関節強直症(がくかんせつきょうちょくしょう)
顎関節の周囲で骨性または線維性の癒着が生じ、口が開きにくくなる状態である。まれな病態であり、外傷や感染などが背景となることがある。
顔面神経(がんめんしんけい)
主に表情筋の動きを支配する脳神経である。顎の後方部での外科操作では走行を意識した術式が選択され、術後に表情の動きを確認する。
顔面軟組織の縫合
顔面の裂創を、深部から表層へ層ごとに整えて閉じる処置である。赤唇縁など解剖学的な境界を正確に合わせることが、治癒後の見た目に影響する。
骨粗鬆症
骨量が減り、骨の強度が低下する疾患。治療に用いる骨吸収抑制薬は顎骨への影響が知られているため、歯科処置の前に服薬状況を確認する。
骨裂開・骨開窓(デヒッセンス/フェネストレーション)
歯根を覆う歯槽骨が部分的に失われ、歯根面が骨に覆われていない状態である。骨の薄い部位へ歯を動かすと生じることがあり、CBCT(歯科用コーンビームCT)などで確認する。
骨髄炎(こつずいえん)
骨の内部(骨髄)にまで感染が及んだ状態である。まれではあるが顎骨でも生じうるとされ、長期の治療を要することがある。
高血圧症
血圧が慢性的に高い状態。処置時の緊張や痛みで血圧が上昇することがあるため、内服状況やコントロール状態を確認したうえで、処置内容や時間を歯科医師が調整する。
黒毛舌(こくもうぜつ)
舌背の糸状乳頭が伸びて着色し、黒や褐色の毛が生えたように見える状態である。抗菌薬の使用、喫煙、口腔清掃の状況などが関係するとされる。
鼻中隔彎曲(びちゅうかくわんきょく)
左右の鼻腔を隔てる壁が曲がっている状態である。上顎の移動に伴い鼻腔の形態が変化することがあるため、術前に鼻の通りを含めて評価する。
鼻翼幅の変化(びよくはばのへんか)
上顎の移動に伴い、小鼻の横幅の見え方が変わることをいう。変化の程度には個人差があり、必要に応じて縫合による調整が検討される。
鼻骨骨折
顔面のなかで受傷しやすい部位である鼻の骨の骨折である。鼻出血、外鼻の変形、鼻づまりを伴うことがあり、必要に応じて耳鼻咽喉科などと連携する。
