矯正歯科・顎変形症の用語集
GLOSSARY
保険制度・費用・法規(2/2)に関する用語62語を掲載しています。用語集の全体は矯正歯科・顎変形症の用語集をご覧ください。
無診察治療の禁止
歯科医師は自ら診察しないで治療を行ったり、診断書や処方箋を交付したりしてはならないという定めである。オンライン診療も、この考え方の範囲内で行われる。
特別療養環境室料(差額ベッド代)
患者が希望して個室など特別な療養環境を選んだ場合に支払う室料である。保険給付の対象外で、事前の説明と同意が必要とされる。
特定保険医療材料
骨接合用のプレートやスクリューなど、保険診療で使用でき価格が公定されている医療材料である。技術料とは別に定められた価格で算定される。
特掲診療料
検査、画像診断、処置、手術、各種管理料など、個別の診療行為ごとに算定される診療報酬である。
現物給付
保険から現金ではなく医療サービスそのものが給付される方式である。日本の保険診療は原則この方式で、患者は窓口で一部負担金のみを支払う。
生計を一にする
同居や仕送りなどにより日常の生活資金を共にしている状態を指す税制上の要件である。この関係にある家族の医療費は合算して医療費控除を申告できる。
病診連携
病院と診療所が役割を分担し、紹介や情報提供を通じて協力する体制である。外科的矯正治療では、矯正歯科と手術を担当する病院が連携して治療を進める。
症例発表における同意
学会発表や論文で診療内容を示す際に、本人から得る同意である。顔貌写真やエックス線写真など個人が推定されうる資料の扱いには、特に配慮が必要となる。
療養担当規則(保険医療機関及び保険医療養担当規則)
保険医療機関と保険医が守るべき診療上・事務上のルールを定めた厚生労働省令である。診療の範囲、記録、費用請求、患者への説明などの基本が示されている。
療養費(償還払い)
いったん医療費の全額を支払い、後から保険者へ申請して払い戻しを受ける方式である。やむを得ず保険資格を提示できなかった場合や、治療用装具を作製した場合などに用いられる。
監査証跡
誰がいつどの記録を作成・参照・変更したかを後から追跡できるようにした記録である。診療記録の真正性を担保する仕組みとして重視される。
確定申告
1年間の所得と税額を計算して税務署に申告する手続きである。医療費控除を受けるにはこの手続きが必要となる。
第一期治療(早期治療)
成長期に行う、あごの成長のバランスや歯列の幅、口の機能に働きかける治療である。永久歯が生えそろった後に、あらためて第二期治療が必要となる場合がある。
第三者提供の制限
個人データを本人以外へ提供する際は、原則としてあらかじめ本人の同意を得なければならないという規則である。法令に基づく場合など、例外的に同意なく提供できる場合も定められている。
第二期治療
永久歯が生えそろった後に、歯を並べてかみ合わせを整える本格的な矯正治療である。第一期治療の有無や成長の経過によって、必要性や内容は個々に異なる。
算定要件
ある診療報酬を請求するために満たす必要がある条件である。対象となる病名、施設基準、実施内容、記録や患者説明の要件などが定められている。
育成医療
自立支援医療のひとつで、18歳未満の児童が身体障害の軽減・改善を目的とした医療を受ける際に自己負担を軽減する制度である。唇顎口蓋裂に伴う手術や関連する歯科矯正治療が対象となる場合がある。
臨床研究法
未承認や適応外の医薬品等を用いる研究、企業から資金提供を受ける研究を「特定臨床研究」と位置づけ、実施基準や審査の手続きを定めた法律である。研究の透明性の確保と参加者の保護を目的とする。
自己負担上限額管理票
公費負担医療で、ひと月の自己負担が上限額を超えないよう受診ごとの負担額を記録する用紙である。受診の際に医療機関へ提示する。
自由診療(自費診療)
公的医療保険が適用されず、費用の全額が患者負担となる診療である。矯正歯科治療の多くがこれに該当し、費用や支払い方法は各医療機関があらかじめ定めている。
自立支援医療(育成医療・更生医療)
身体の障害を軽減・改善するための医療について、自己負担を軽減する公的な制度である。18歳未満を対象とする育成医療と18歳以上を対象とする更生医療があり、要件を満たすかどうかは自治体が判定する。
被保険者
公的医療保険に加入して給付を受ける権利を持つ本人である。その家族が扶養に入る場合は被扶養者と呼ばれる。
要配慮個人情報
病歴や診療内容、障害の事実など、不当な差別や偏見が生じないよう特に配慮を要する個人情報である。取得には原則として本人の同意が必要であり、医療機関が扱う情報の多くがこれに当たる。
記録の訂正・追記
いったん記載した診療記録を修正する際に、元の記載が分かる形で行い、訂正した者と日時を残す扱いをいう。記録の真正性を保つための基本的な作法である。
診断書
医師・歯科医師が診断内容や治療の必要性を証明する書類である。学校や職場への提出、各種申請に用いられ、作成費用は原則として保険適用外である。
診療に関する諸記録
医療法により病院等に保存が求められる記録の総称で、検査所見、エックス線写真、手術記録、看護記録などが含まれる。診療録とあわせて診療の経過を裏づける資料となる。
診療報酬
保険医療機関が行った診療行為に対して支払われる報酬である。国が公定価格として定め、患者の一部負担金と保険者からの支払いで構成される。
診療報酬改定
診療報酬点数表や算定ルールを見直す制度改正である。原則2年ごとに行われ、保険適用の範囲や要件が変更されることがある。
診療報酬明細書(レセプト)
医療機関が保険者へ医療費を請求するため、月ごとに患者の診療内容と点数をまとめた書類である。審査支払機関に提出される。
診療報酬点数表
個々の診療行為に点数を割り当てた国の一覧表である。1点を10円として計算し、保険診療の費用はこの表に従って決まる。
診療契約
患者と医療機関の間に成立する契約で、法律上は準委任契約と解されることが多い。医療機関は適切な医療を行う義務を負うが、特定の結果そのものを約束するものではない。
診療情報の提供等に関する指針
医療者が診療情報を積極的に提供し、記録の開示に応じるための考え方と手順を示した国の指針である。開示を控えうる場合の考え方も併せて示されている。
診療情報提供書(紹介状)
医師・歯科医師が他の医療機関へ患者を紹介する際に、経過・検査結果・依頼内容をまとめて渡す文書である。外科的矯正治療のように複数の医療機関が関わる場合の連携に用いる。
診療明細書
実施した診療行為の名称と点数を項目ごとに記載した書面である。原則として領収証とあわせて患者に交付される。
診療記録の保存義務
診療録は歯科医師法により、その完結の日から5年間保存することが定められている。エックス線写真など診療録以外の記録についても、関係法令でそれぞれ保存期間が定められている。
診療録(カルテ)
診察内容、検査結果、処置などを記録する法定の文書である。歯科医師法により作成が義務づけられ、5年間の保存が求められる。
評価療養
将来的な保険適用の可否を評価する段階にある医療で、先進医療や治験に係る診療などが含まれる。保険外併用療養費の対象となる。
誇大広告
事実を不当に誇張したり、患者に誤解を与えたりする表示であり、医療広告では禁止されている。効果を保証するような表現はこれに当たる。
説明義務
検査や治療を行う前に、目的、内容、想定される経過やリスク、代替となる方法、行わない場合に考えられる経過などを説明する義務である。患者が理解したうえで選択できるようにするために行われる。
身体障害者手帳
一定以上の身体障害があると認定された人に交付される手帳である。更生医療の利用など、各種支援を受ける前提となる。
返戻・査定
審査の結果、レセプトが医療機関に差し戻されること(返戻)と、請求内容の一部が認められず減額されること(査定)である。
退院時要約(サマリー)
入院中の経過、手術内容、退院時の状態、今後の方針などをまとめた文書である。手術を担当した病院から矯正歯科へ情報を引き継ぐ際に用いられる。
逆紹介
紹介を受けた医療機関が、治療の区切りがついた患者を、もとの医療機関やかかりつけ歯科医へ紹介し返すことである。顎矯正手術後の管理を地域の歯科医院と分担する際にも行われる。
通院費
治療のために通院した際の交通費である。公共交通機関の利用など通常必要と認められる範囲は、医療費控除の対象となり得る。
過剰歯
通常の本数を超えて余分につくられた歯で、上顎前歯部の正中にみられることが多い。永久歯の萌出を妨げたり、歯の間に隙間ができる原因となったりすることがある。
遠隔モニタリング
スマートフォンなどで撮影した口腔内の画像を送り、通院と通院の間の経過を確認する仕組みである。来院間隔の調整や変化への気づきに役立つことがあるが、対面での診察に置き換わるものではない。
遠隔医療通訳
電話や映像通信を用いて、その場にいない通訳者が通訳を行う方法である。対応できる通訳者が限られる地域や、急な受診の場面でも通訳を確保しやすい。
選定療養
患者が快適性や利便性のために自ら選ぶサービスで、特別療養環境室(個室)や予約診療などが該当する。追加部分は自己負担となる。
還付申告
源泉徴収された所得税が納めすぎとなっている場合に、その返還を求めて行う申告である。医療費控除を目的とする場合、対象年の翌年から5年以内であれば行える。
重ね合わせ(スーパーインポーズ/レジストレーション)
撮影時期や種類の異なる画像・3Dデータを共通の基準で位置合わせし、変化を比較する方法である。成長による変化と治療による変化を分けて把握する目的で用いる。
限度額適用認定証
あらかじめ保険者に申請して交付を受けることで、窓口での支払いを自己負担限度額までにとどめられる証明書である。オンライン資格確認を利用する場合は手続きを省略できることがある。
障害者総合支援法
障害のある人への福祉サービスや自立支援医療の根拠となる法律である。育成医療・更生医療もこの法律に基づいて運用される。
電子保存の三原則
診療記録を電子的に保存する際に満たすべき、真正性・見読性・保存性の三つの要件である。改ざんの防止、必要なときに読める状態の確保、保存期間を通じた復元可能性を指す。
電子処方箋
処方箋を電子的に発行・管理する仕組みである。他の医療機関や薬局での処方内容を確認しやすくなり、重複投薬や相互作用の確認に役立つ。
電子署名
電子文書の作成者を示し、内容が改ざんされていないことを確認できるようにする技術である。電子的に扱う診療記録や文書の信頼性を支える。
非言語コミュニケーション
表情、視線、姿勢、声の調子など、言葉以外の要素によって伝わる情報をいう。装置装着中で話しづらい患者の状態を把握する際の手がかりにもなる。
頸椎骨成熟度評価(CVM法)
側面頭部エックス線規格写真に写る頸椎の形態変化から、成長の段階を推定する方法である。追加の撮影を要しない利点がある一方、推定には幅があるため他の所見と合わせて判断する。
顎口腔機能診断料(顎口腔機能診断施設)
顎変形症などで顎の形態と機能を精密に検査・診断した場合に、保険診療上で算定できる区分である。算定には、医療機関が所定の要件を満たして届け出ていることが必要となる。
骨年齢
骨の成熟度から推定される発育上の段階で、暦の上の年齢とは差があることが多い。成長のピークを過ぎたかどうかの推定など、成長期の治療時期を考える際の参考にされる。
高額医療・高額介護合算療養費制度
1年間の医療保険と介護保険の自己負担を合算し、定められた限度額を超えた分が払い戻される制度である。
高額療養費制度
公的医療保険の対象となる自己負担額が1か月あたりの上限を超えたとき、超過分が払い戻される仕組みである。上限額は年齢や所得によって異なり、自由診療は対象外となる。
麻酔記録
全身麻酔などの経過を、バイタルサインや投与薬剤とともに時系列で記載した記録である。次に麻酔を受ける際の計画を立てるうえで重要な資料となる。
