ミライズ矯正歯科南青山

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2026.08.17

ブログ

顎変形症の手術は民間医療保険の給付対象になる?確認方法と一般的な請求の流れ

顎変形症の手術を受ける際、加入している民間医療保険や生命保険の医療特約から、入院給付金や手術給付金が支払われる場合があります。

ただし、「顎変形症と診断されたから給付される」「この術式なら必ず対象になる」と一律に決まるものではありません。加入している契約の約款・規約等に照らし、実際に行われた手術や入院の内容、加入時期などを保険会社が確認して判断します。

ミライズ矯正歯科では、患者さんが加入している保険契約の給付可否や給付額を判断・保証することはできません。本記事では、顎変形症の外科的矯正治療を受ける方が、加入先へ確認する前に整理しておきたい情報と、一般的な請求の流れを医療機関の立場から解説します。

本記事では、民間の保険会社および共済をまとめて「加入先」と表記します。

1. 給付対象になる可能性はありますが、一律には決まりません

給付可否は、顎変形症という診断名や予定されている術式だけで決まるものではありません。実際に行われた手術や入院の内容、加入時期、契約条件などを、加入先が約款・規約等に照らして確認します。

インターネット上には「給付された」「されなかった」という個人の書き込みがありますが、契約内容が異なる以上、他の方の結果がご自身の結果を示すものではありません。

まずは証券等に記載された加入先の窓口へ問い合わせ、支払条件や必要書類をご確認ください。ただし、手術前の回答は給付を確約するものではなく、最終的な給付可否は、実際の手術・入院内容と提出書類に基づいて判断されます。

2. 公的医療保険と民間医療保険の違い

公的医療保険と民間医療保険は、制度、請求先、給付方法が異なります。ただし、民間医療保険の支払条件が、公的医療保険の診療報酬点数表を参照している契約もあります。

  • 公的医療保険:医療機関に支払う医療費そのものの負担を軽くする仕組みです。窓口は医療機関と、加入している保険者(健康保険組合、協会けんぽ、市区町村など)です。
  • 民間医療保険・生命保険の医療特約:契約者と加入先との契約に基づく保障です。患者さん本人が被保険者で、契約者がご家族となっている場合もあります。契約条件を満たした場合に、契約で定められた給付金が支払われます。

それぞれの制度・契約条件を満たす場合、双方が適用されることがあります。

なお、顎変形症のうち、顎離断等の手術を必要とする症例に対する術前・術後の矯正歯科治療は、顎口腔機能診断料の施設基準に適合し、地方厚生(支)局へ届け出た保険医療機関で行われる場合に、保険診療の対象となります。手術を含む治療全体の保険適用は、診断内容、治療内容、実施する医療機関等によって異なるため、担当医療機関へご確認ください。

3. 加入先へ確認する前に用意しておきたい情報

問い合わせの前に手元にそろえておくと、確認が進めやすくなります。

  • 医療機関から説明を受けた診断名
  • 現時点で予定されている手術名
  • 手術予定日
  • 手術を行う医療機関名
  • 予定されている入院期間
  • 加入先の名称、証券番号・契約番号等、契約日および責任開始日(保障開始日)
  • 契約者・被保険者の氏名と生年月日

契約日と責任開始日は必ずしも同一ではありません。証券に両方の記載がある場合は、分けて控えておいてください。

ご自身がどの保険に加入しているか分からない場合は、保険証券のほか、生命保険料控除証明書、口座引き落としの記録、給与明細の控除欄(勤務先の団体保険)、共済や学生向けの共済制度などをご確認ください。契約者がご家族になっている場合もあります。

4. 一般的な請求の流れ

請求時期は加入先によって異なりますが、入院期間や実施された手術内容が確定した後に請求することが一般的です。請求書類の取り寄せや必要書類の確認は、手術前から進められる場合があります。

  1. 加入先へ連絡し、給付金請求の手続きと必要書類を確認する
  2. 加入先所定の請求書類を受け取る
  3. 必要な場合は、診断書などの書類を医療機関へ依頼する
  4. 書類をそろえて加入先へ提出する
  5. 加入先による確認を経て、支払可否と給付額が決定される

入院・手術に関する診断書や証明書は、原則として、実際に入院・手術を行った医療機関へ依頼します。通院給付など別の保障を請求する場合は、矯正歯科での通院に関する書類を別途求められることがあるため、書類を依頼する前に加入先へご確認ください。

診断書は、診療録と実際に行われた診療内容に基づき、医師または歯科医師が作成します。診断書を受け取った際は、氏名、手術日、入退院日などの事実関係に明らかな誤りがないかをご確認ください。記載内容の訂正や追記については、診療録と医学的事実に基づき、作成した医療機関が判断します。

診断書の受付方法は医療機関によって異なります。文書受付、医事課、外来受付など、指定された窓口に依頼してください。

必要書類として、領収書、診療明細書、退院証明書などを求められることがあります(加入先によって異なります)。本人確認書類は、加入先が指定するものをご用意ください。

診断書の費用と作成期間は医療機関によって異なります。給付金の支払時期も、必要書類の内容や加入先による確認の有無によって変わります。退院時の医療費の支払いに給付金が間に合うとは限らないため、事前に窓口負担の方法をご確認ください。

なお、請求権には時効があります。手術から時間が経過している場合も自己判断で諦めず、できるだけ早く加入先へご確認ください。

5. 上下顎同時手術・プレート除去・複数契約に関する注意

上下顎を同日に手術した場合

同日に複数の手術を受けた場合、手術給付金がいずれか一つの手術分に限られる契約もあります。取り扱いは契約によって異なるため、契約概要や約款・規約等を確認するか、加入先へお問い合わせください。

プレート除去について

プレート除去を行うかどうか、実施時期、入院の有無は、使用材料、症状、骨の治癒状態、担当医の方針によって異なります。すべての方が必ず除去するわけではありません。

プレート除去についても、手術給付金の対象となる可能性がありますが、契約条件、実施された術式、入院の有無などによって判断が異なります。自動的に対象になるものではありません。

再入院の取り扱い

再入院を前回と同一の入院として通算する規定を設けている契約があります。通算の条件や期間は、契約概要や約款・規約等をご確認ください。

複数の契約がある場合

複数の保険に加入している場合は、それぞれの加入先へ、給付対象となる可能性や必要書類を個別にご確認ください。ひとつの加入先の回答が、他の加入先の判断を示すものではありません。

加入時の告知について

加入時の告知は、加入先から質問された事項に事実どおり回答する必要があります。すでに診断を受けている場合、治療中の場合、入院や手術の予定がある場合は、加入可否や保障範囲に影響する可能性があります。今回の手術で給付を受ける目的で受診や治療を遅らせたり、事実を申告しなかったりすることは避けてください。具体的な加入条件は、保険会社または共済の正式な窓口へご確認ください。代理店を通じて相談する場合も、加入先が示す正式な回答や書面をご確認ください。最終的な保障条件は、契約概要、約款・規約等でご確認ください。

6. 高額療養費制度について

入院・手術の窓口負担が高額になる場合は、高額療養費制度を利用できることがあります。マイナ保険証を利用する方法、または限度額適用認定証等を利用する方法について、入院前に加入する保険者と医療機関へご確認ください。

高額療養費制度は、2026年8月診療分から、月ごとの自己負担限度額の見直しと年間上限の新設が行われています。なお、新設された年間上限の対象期間は、8月から翌年7月までです。自己負担限度額は年齢や所得等によって異なります。また、入院時の食事代、差額ベッド代、文書料など、保険診療の自己負担に当たらない費用は原則として対象外です。最新の適用区分、上限額、必要な手続きは、厚生労働省の案内および加入する保険者へご確認ください。

医療費控除では、民間保険の入院給付金等や高額療養費など、医療費を補てんする金額を、その給付の対象となった医療費から差し引いて計算します。補てん額がその医療費を上回った場合でも、超過分を他の医療費から差し引く必要はありません。給付金の課税関係や年をまたぐ場合の申告方法は個別事情で異なるため、国税庁の案内、税務署または税理士にご確認ください。

7. 当院ができること・できないこと

当院でできること

  • 当院における顎変形症の診断内容、治療計画および当院が把握している予定術式についてご説明すること
  • 手術を担当する医療機関との連携、紹介
  • 当院の診療記録に基づく診療情報の提供
  • 当院が作成した診療文書について、氏名や受診日などの事実関係を確認すること

当院ではできないこと

  • 加入している保険契約について、給付の可否や給付額を判断・保証すること
  • 他の医療機関が作成した診断書の内容を訂正または保証すること
  • 給付結果を意図して、診断書の医学的記載内容を指定・変更すること
  • 保険商品の加入可否や加入時期について助言すること

給付可否や必要書類については加入先へ、公的医療保険の手続きについては加入する保険者へ、税務については税務署または税理士へお問い合わせください。診療内容については、当院または手術を担当する医療機関へご相談ください。


歯科医学監修

富田大介歯科医師/ミライズ矯正歯科 院長

本記事では、顎変形症の診断、矯正歯科治療および外科的矯正治療に関する一般的な歯科医学情報を監修しています。民間保険の給付可否・給付額・加入可否、税務および公的制度の個別適用は監修対象外です。

公開日:2026年8月17日/最終更新:2026年8月17日

参照情報

  1. ご自身が加入する保険・共済の契約概要、約款・規約等(お手元の書類をご確認ください)
  2. 一般社団法人生命保険協会「生命保険の基礎知識 用語解説
  3. 公益社団法人日本矯正歯科学会「矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは
  4. 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ
  5. 厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて(令和8年8月診療分から)」(PDF)
  6. 国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
  7. e-Gov法令検索「保険法」第95条(消滅時効)

参照日:2026年8月17日

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